大橋トリオがホールツアーで最新曲たっぷり披露、洗練された上質なポップスが響く

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大橋トリオのホールツアー「ohashiTrio HALL TOUR 2024」が11月16日に東京・昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎えた。

大橋トリオとバンドメンバーたち。(撮影:勝永裕介)

大橋トリオとバンドメンバーたち。(撮影:勝永裕介)

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10月にスタートし、9都市を回ったこのツアー。残すところ最終日のみとなった11月13日に大橋は約3年半ぶりのオリジナルアルバム「GOLD HOUR」をリリースしており、セットリストにはその収録曲が多く組み込まれた。

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スポットライトに照らされてドラマチックに開幕

「季節によせて」を歌う大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)

「季節によせて」を歌う大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)[拡大]

開演と同時に会場は暗転。スポットライトで照らされた大橋はローズピアノを弾きながら、アルバム「GOLD HOUR」に収録されている新曲「季節によせて」を歌い始める。徐々にメンバーがステージに現れて定位置に。2番からはバンドメンバーも参加し、静かに始まった「季節によせて」は終盤に向けてどんどん音の厚みを増していった。そんなドラマチックなオープニングから、大橋がアコースティックギターを構えて歌ったのは、こちらも「GOLD HOUR」からの新曲「エトセトラ」。その後も彼は、ギターを弾きながら「DOLLY」、ピアノを弾きながら「PARODY」と、次々と楽器を替えながらバンドメンバーたちとともに落ち着いた演奏で洗練された上質なポップスを届けていく。

「ohashiTrio HALL TOUR 2024」昭和女子大学人見記念講堂の様子。(撮影:勝永裕介)

「ohashiTrio HALL TOUR 2024」昭和女子大学人見記念講堂の様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

アルバム「GOLD HOUR」の発売後に行われたのはツアーの中でこの日だけということで、「ようやく言い訳をせずに新曲をやれることになりました」「公演の前に新曲を聴いて、予習もバッチリですね?」と客席に語りかけた大橋。続けてアルバムからの新曲「風船メモリー」を披露すると、予習済みと思われる多くの観客は彼の柔らかな優しい歌声に酔いしれた。

1本マイクで井上陽水や踊ろうマチルダをカバー

「1本マイクのコーナー」の様子。(撮影:勝永裕介)

「1本マイクのコーナー」の様子。(撮影:勝永裕介)[拡大]

そして始まったのが、メンバー全員でアコースティック楽器を持ち寄って、1本のマイクスタンドの前で演奏する「1本マイクのコーナー」だ。バンジョーを弾きながら大橋がこの日に歌ったのは、井上陽水「Pi Po Pa」、踊ろうマチルダ「化け物が行く」のカバー。原曲へのリスペクトも感じさせつつ「1本マイクのコーナー」ならではのアレンジが施され、その贅沢な時間は観客を夢見心地にさせた。そして「1本マイクのコーナー」は自身のオリジナル曲「りんごの木」で締めくくられた。

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)

大橋トリオ(撮影:勝永裕介)[拡大]

「シアワセの碧い鳥」では、オーディエンスの手拍子が止まないので神谷洵平(Dr)がドラムソロを終わらせてもらえず、いつまでも曲が続くという遊び心のある展開に。「君のいない冬」ではアウトロで大橋とバンドメンバーが美しいハーモニーをアカペラで響かせた。

東京ゴールドかと思いきや、実は……

神谷洵平(撮影:勝永裕介)

神谷洵平(撮影:勝永裕介)[拡大]

神谷洵平が買ってきたゼスプリ。(撮影:勝永裕介)

神谷洵平が買ってきたゼスプリ。(撮影:勝永裕介)[拡大]

神谷のMCによると、このツアーでは「GOLD HOUR」にちなんだ「金」に関するご当地の言葉で各会場でコール&レスポンスをしてきたという。そんな彼がこの東京公演のために用意してきたのは、老舗の八百屋で買ってきたという「東京ゴールド」という品種のキウイフルーツ。自慢げに東京ゴールドを掲げる神谷に、大橋が「普通のキウイを買ってきて『東京ゴールドです』って言えばよかっただけでは?」と話しかけると、神谷は「実は入荷が間に合わなくて……」と、同じ黄色の果肉のキウイでも東京ゴールドではなくゼスプリを買ってきたことを白状した。神谷はそれまでずっと座っていた観客を立たせて「東京ゴールド」「ゼスプリゴールド」でコール&レスポンス。そのまま「GOLD FUNK」に突入する。ゆったりした雰囲気の曲が続いていたそれまでの流れから一転して、観客はファンキーなグルーヴに体を揺らした。

最後の曲を前に1人ステージに残った大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)

最後の曲を前に1人ステージに残った大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)[拡大]

「生まれた日」を弾き語りする大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)

「生まれた日」を弾き語りする大橋トリオ。(撮影:勝永裕介)[拡大]

アルバムからの新曲「空とぶタクシー」でライブ本編が終わったのち、盛大な拍手に応えてアンコールに。lilyこと石田ゆり子に提供した「ちいさなうた」をしっとりと聴かせたあとで、爽快感のあるバンドサウンドで観客の手拍子とともに「HONEY」を披露した。バンドメンバーたちが去ったあとで、1人ステージに残った大橋は、ピアノの前に座って「生まれた日」を弾き語り。その胸に迫る歌声に、曲が終わるやいなや、観客が一斉に立ち上がって大橋に惜しみない拍手を送った。

なお大橋トリオは、ビッグバンド編成でのライブ「ohashiTrio & THE PRETAPORTERS 2025 ~new year party~」を1月22日に東京・NHKホール、31日に福岡・福岡市民会館で開催する。

セットリスト

大橋トリオ「ohashiTrio HALL TOUR 2024」2024年11月16日 昭和女子大学人見記念講堂

01. 季節によせて
02. エトセトラ
03. DOLLY
04. PARODY
05. 風船メモリー

<1本マイクのコーナー>
06. Pi Po Pa(井上陽水)
07. 化け物が行く(踊ろうマチルダ)
08. りんごの木

09. シアワセの碧い鳥
10. 日曜の夜に鳴く鶏
11. ゼロ
12. 君のいない冬
13. 薤露青
14. GOLD FUNK
15. Happy Trail
16.空とぶタクシー
<アンコール>
17. ちいさなうた
18. HONEY
19. 生まれた日

  • 大橋トリオ / Vo, Piano, Rhodes, Acoustic G, Electric G, Banjo, etc...
  • 高木大丈夫 / Acoustic G, Electric G, Steel G, Mandolin, Cho
  • Takumadrops / Piano, Key, Syn, Cho
  • 須長和広 / Acoustic B, Electric B, Wood B, Cho
  • 神谷洵平 / Dr
  • 武嶋聡 / Sax, Flute, Key, G, Cho, etc...

ohashiTrio HALL TOUR 2024 -Set List-

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公演情報

ohashiTrio & THE PRETAPORTERS 2025 ~new year party~

2025年1月22日(水)東京都 NHKホール
2025年1月31日(金)福岡県 福岡市民会館

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音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート】大橋トリオがホールツアーで最新曲たっぷり披露、洗練された上質なポップスが響く(写真18枚)
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