お笑い芸人として一時代を築いたとんねるずは、1984年12月に「一気!」で正式に歌手デビューして以降数々のヒット曲を発表し、1985年から1995年にかけて毎年全国数十カ所でライブをするなど、精力的に音楽活動を行う一面も持っていた。2018年に冠番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」が終了してからは、2人はそれぞれのフィールドで活躍の場を広げるようになったが、番組終了を惜しむ声や2人の姿を見たいという声が寄せられたことから、6年の歳月を経て音楽ライブの開催が実現。どんなライブになるのか確かめるべく多くのファンが来場し、チケットが完売して各日9000人、計1万8000人を動員した。この記事では2日目公演の様子をレポートする。
以上をもちまして、すべて終了でございます
開演時刻を少し過ぎた頃、大歓声の中、真っ白な衣装を着てステージに登場した
さらに終盤のサビに入るタイミングでステージから客席に金テープが発射され、まだ始まったばかりにもかかわらず、ライブは早くもクライマックスのような雰囲気に。とんねるずの2人はファンとのひさびさの再会を喜ぶように客席に手を振りながら、そのまま舞台の両袖へと消えていった。
1曲目「情けねえ」が終了し、2人が消えたステージを観客がじっと見つめていると、ほどなく公演終了を告げる「以上をもちまして、『とんねるず THE LIVE』はすべて終了でございます。ご来場いただき誠にありがとうございました。係員の指示に従いご退場ください」というアナウンスが。ライブ本編がわずか8分で終了という、まさかの展開に笑いが起こる。こんなものでは全然足りないと、当然のように盛大なアンコールが武道館を包み、数分後に全身ブラックの衣装にチェンジした2人が再び登場。ここから長い長いアンコールが始まった。
おしっこ行く方は行ってください
この日はとんねるずの多くの曲を制作してきた後藤次利(B)が音楽監督を務め、バンドメンバーとして後藤のほか、阿部薫(Dr)、今剛(G)、大西克巳(G)、松本圭司(Piano)、井上薫(Piano)、
長年にわたってとんねるずを応援している、年季の入ったワンフー(ファンを意味するとんねるず発祥の業界用語)が多数集まったこの2日間のライブ。初日公演で、ずっと立ちっぱなしの観客を気遣った石橋が「座りましょ」と言ったところ、ほとんどの人々が「ふう……」と深くため息をつきながら座ったそうで、2日目は無理をさせないようにとライブ中盤で石橋が「ここからは座れるポイントなんで、ゆっくり座ってひと息入れてください。おしっこ行く方は行ってください」と促すひと幕も。この観客が着席したパートでは石橋がウッドベース、木梨がアコースティックギターを構えて弾き語りを披露。これまで知らなかった彼らの芸達者な一面に観客が驚いていると、木梨は歌いながらアコギのサウンドホールに腕を突っ込んで、実は弦が張られていないことをネタバラシした。
また、どこかでお会いしましょう
「雨の西麻布」のイントロが流れると観客は再び総立ちに。この曲を皮切りにとんねるず流のムード歌謡・演歌風の曲が続く。そしてライブが後半戦に突入すると、2人は「嵐のマッチョマン」を始めとした人気曲を、床から吹き出る炎やド派手な照明などの演出で次々に届けていく。
約1時間50分に及んだアンコールを終えてとんねるずとバンドメンバーがステージを去ると、さらなるアンコールを求める大きな手拍子が会場を包み、みたびライブが再開する。そして2人はダブルアンコールとして、140.9万枚のミリオンセールスを記録したとんねるず最大のヒット曲である「ガラガラヘビがやってくる」や、「とんねるずのみなさんのおかげです」のエンディングテーマとしてヒットした「一番偉い人へ」などを熱唱。20曲以上を披露してオーディエンスを興奮に導いたのち、石橋は「また、どこかでお会いしましょう」と、ワンフーとの再会を約束した。
なおフジテレビが運営する動画配信サービス・FODでは、2日間のライブの様子を編集した映像をPPVで独占配信する。配信期間は12月20日21:00から2025年1月19日23:59までのおよそ1カ月。視聴チケットは5000円で、1月19日20:00まで販売されている。
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【ライブレポート】とんねるずが日本武道館で29年ぶりライブ、しかし本編は8分で終了(写真6枚) https://t.co/NsR6aROujU