家主や台風クラブが熱演!NEWFOLKの5周年イベントが満員のO-EASTで完結

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NEWFOLK設立5周年記念イベントの第3弾が10月12日に東京・Spotify O-EASTにて開催された。

家主のライブの様子。(撮影:今井駿介)

家主のライブの様子。(撮影:今井駿介)

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NEWFOLKは須藤朋寿氏が2019年に名乗り始めた“屋号”で、台風クラブ家主などさまざまなアーティストの作品をリリースする音楽レーベルとして多くのインディー音楽好きに愛されている。5周年イベントの第1弾と第2弾は8、9月に東京・下北沢 BASEMENTBAR / 下北沢THREEにて行われ、合わせて約20組のバンドが出演した。ファイナルとなる第3弾はSpotify O-EASTという大型の会場ながらも、チケットは完売。満員のフロアを前にUlulU、わがつま、台風クラブ、ラッキーオールドサン、家主、そしてオープニングアクトのTHE HOLDENSがライブを繰り広げた。

THE HOLDENS

THE HOLDENS(撮影:アイザワマナ)

THE HOLDENS(撮影:アイザワマナ)[拡大]

開演が近付くにつれて徐々に人が集まり出す中、サブステージにオープニングアクトのTHE HOLDENSが姿を現し、軽快なバンドサウンドを鳴らし始める。大分を拠点に活動する彼らは「大分から車で来ました!」と明かし、埋まり始めたフロアを沸かした。「キャビン・フレーバー」「きらきら」など、10月23日リリースの1stアルバム「RAIMUGI」の収録曲を中心に全9曲を演奏し、古き良きロックンロールの匂いをたたえた無骨なアンサンブルでオーディエンスを揺らしたTHE HOLDENS。開演を待ち侘びる観客で埋め尽くされた会場を温めた彼らは、ラストに「ドラキュラ」でフロアを盛り上げ、オープニングアクトとしての役目を果たした。

UlulU

UlulUのライブの様子。(Photo by kokoro)

UlulUのライブの様子。(Photo by kokoro)[拡大]

THE HOLDENSがライブを終えると、メインステージですかさずヘビーなサウンドが鳴らされる。トップバッターを務める3ピースバンド・UlulUのステージの幕開けだ。彼女たちはゆったりしたメロディの「Terminal」から「指定席」へとつなげ、徐々に疾走感を生み出していく。かと思えば「マイマイ蛾の来襲」でダンサブルなサウンドを届け、オーディエンスの体を左右に心地よく揺すっていく3人。「旅に行こうよ」のアウトロで激しい轟音を奏でたのちに「明日私」へとシームレスにつなげて、鋭利なサウンドを轟かせ続ける。エディット・ピアフの名曲をパンキッシュなバラードに生まれ変わらせた「愛の讃歌」では、大滝華代(Vo, G)が伸びやかなボーカルを響かせ、オーディエンスはエモーショナルながらもカラッとしたその歌声に聴き入った。最後に3人は「ジリジリ」「風」「駆け巡る晴」をノンストップで演奏。最初から最後まで息もつかせぬテンポで激しいサウンドをこだまさせ、トップバッターから会場を熱気で満たした。

わがつま

わがつま(撮影:アイザワマナ)

わがつま(撮影:アイザワマナ)[拡大]

須藤朋寿氏(撮影:今井駿介)

須藤朋寿氏(撮影:今井駿介)[拡大]

メインステージの転換中、サブステージではわがつまがパフォーマンス。この日唯一のソロアーティストとなる彼女は「犬が通る」でライブをスタートし、淡い歌声をじっくりと聴かせていく。その後も「まっしろ」「目と目が合うまで」などを演奏し、儚い歌声と凛としたピアノの音色を届ける。UlulUのアグレッシブなステージとは180°異なる、繊細なパフォーマンスに観客は酔いしれるように浸り続けた。わがつまのパフォーマンスが終わると、須藤氏がステージに現れ、NEWFOLK始動の経緯について語りつつ「1個だけ言えることとしては、今日出てない人たちも含めて、マジで超いい曲しかリリースしてないし、これからも出す気はないので、今後もご贔屓にしていただけたらと思います」と思いを語った。

台風クラブ

台風クラブのライブの様子。(撮影:今井駿介)

台風クラブのライブの様子。(撮影:今井駿介)[拡大]

台風クラブは「42号線」でパフォーマンスを開始し、泥臭いロックサウンドで観客を転がすように動かしていく。「京都市南区」の演奏後に石塚は「5年かけて5周年にたどり着いたNEWFOLK、おめでとうございます! 5年かかったね」と独特な言い回しで祝福しつつ、「何年も前の今日みたいな10月の超天気のいい水曜日に会社をずる休みしたときに作った曲をやります」という言葉に続けて「ずる休み」を披露。3ピースならではのシンプルながらも熱を帯びたアンサンブルで、フロアの揺れを大きくしていく。モータウン調のビートを取り入れたキャッチーなナンバー「春は昔」が披露されたあとには、“Hey君に何をあげよう”という気分になった石塚が須藤氏にコーヒー豆をプレゼントする場面も。さらに「最初の頃に俺らを見つけてくれた須藤さん。見つけてくれた頃の最初の曲をやります」という宣言ののち「処暑」が披露された。その後3人はメロコア風の「野良よ!」や「へきれき」などを畳みかけ、満員のフロアを沸かせる。最後は「なななのか」で雄大なサウンドを鳴らし、ステージを締めくくった。

ラッキーオールドサン

ラッキーオールドサン(Photo by kokoro)

ラッキーオールドサン(Photo by kokoro)[拡大]

台風クラブが熱いステージを繰り広げたあと、サブステージではラッキーオールドサンがライブを行った。「乗り合い」でパフォーマンスをスタートさせたラッキーオールドサンは、スタージ中央に設置された1本のマイクを分け合うようにして歌い、綺麗なハーモニーを聴かせていく。3曲目「BLUE」ではナナがシェイカーを鳴らし、得も言われぬ情緒的なムードを醸し出した。その後2人はカントリー風味のギターが軽快な「Hometown」や、「旅するギター」を披露。最後に篠原良彰が「我々もいろいろまた、作ったりライブしたりやっていきたいなと」と語り、「Somebody's Talking Tonigh」のしっとりした演奏でステージを締めくくった。

家主

家主のライブの様子。(撮影:今井駿介)

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8月から続いたNEWFOLK5周年イベントのラストを締めくくったのは家主。4人はバンド屈指のヘビーなロックナンバー「近づく」を演奏し、1曲目からけたたましい轟音を会場中にこだまさせる。その後彼らは「SHOZEN」「きかいにおまかせ」を披露。岡本成央(Dr, Cho)がタイトなビートを刻み、田中悠平(Vo, B)が重厚なベースサウンドを鳴らす。谷江俊岳(Vo, G)はいつも以上にアグレッシブにステージを動き回り、ギターをかき鳴らした。軽快なドラミングを合図に「茗荷谷」がスタートすると、会場のボルテージはさらにヒートアップ。谷江がボーカルを担当する「マイグラント」では、田中ヤコブ(Vo, G)が縦横無尽にギターを鳴らし、その暴れ狂うようなサウンドに観客は熱狂した。

田中ヤコブ(Vo, G / 家主)(撮影:今井駿介)

田中ヤコブ(Vo, G / 家主)(撮影:今井駿介)[拡大]

「マイグラント」からやや間を置いて「家主のテーマ」のイントロが鳴らされると、大きな歓声が湧き上がり、会場はこの日一番の盛り上がりに。その期待に応えるように家主は抜群のパフォーマンスを見せ、会場の熱を倍増させた。ひとしきり演奏を終えた田中は「思えば我々もNEWFOLKの老害勢として君臨していて。こんないっぱいの人がいる中で、我々の老害性みたいなものを見せつけることができてうれしく思っています。これからも老害として、いい意味でNEWFOLKの足を引っ張っていけたら」と語る。そして4人は「p.u.n.k」「NFP」「にちおわ」をノンストップでパフォーマンス。すさまじいアンサンブルをぶつけられたオーディエンスの動きは、感情の昂りが爆ぜるように、みるみるうちに大きくなっていく。そして家主は最後にライブの定番曲「オープンカー」を駆け抜けるように演奏し、見事なクライマックスを生み出して会場を去って行った。

家主のライブの様子。(撮影:今井駿介)

家主のライブの様子。(撮影:今井駿介)[拡大]

アンコールの拍手を受けて4人は再びステージに登場。田中は、家主ではなく自分1人の意見と前置きしたうえで、「NEWFOLKのイベントをすると須藤氏から聞いたときに、高校の学園祭のような空気を感じまして。『文化祭じゃん』みたいな気持ちが正直あったんです。そういう気持ちを、ワシは忘れないようにしようと思っとるわけですね」とその思いを述懐。そして友達がいなくて楽しめなかったという学生時代の学園祭のことを振り返りつつ、「その流れ着いた先にここがあったという意味で、今日演奏できて本当にうれしく思っております。NEWFOLKがこんなにやってこられたというのは、私として感慨深く思っておりますので、生温かい目で、足を引っ張っていこうと思います」と言葉を紡いだ。そしてラストに、「こんなにいっぱい集まっていただいたので、『今日はひとりでいようね』という曲をやって帰ろうと思います」と語り、「今日はひとりでいようね」をパフォーマンス。演奏後には須藤氏も舞台に登場し、一本締めで5周年イベントの幕が下ろされた。

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セットリスト

「NEWFOLK -5th Anniversary-」2024年10月12日 Spotify O-EAST

THE HOLDENS

01. モール
02. キャビン・フレーバー
03. 絵の具
04. できたら
05. 渚から
06. ふたり
07. きらきら
08. いろいろ
09. ドラキュラ

UlulU

01. Terminal
02. 指定席
03. マイマイ蛾の来襲
04. 生活
05. 旅に行こうよ
06. 明日私
07. 愛の讃歌
08. ジリジリ
09. 風
10. 駆け巡る晴

わがつま

01. 犬が通る
02. ひとりごと
03. まっしろ
04. スローダウン
05. 新曲
06. 本当のこと
07. 目と目が合うまで
08. 街

台風クラブ

01. 42号線
02. 京都市南区
03. ずる休み
04. ついのすみか
05. 春は昔
06. 処暑
07. 身も心も
08. 下宿屋ゆうれい
09. 野良よ!
10. へきれき
11. まつりのあと
12. 火の玉ロック
13. なななのか

ラッキーオールドサン

01. 乗り合い
02. 街の人
03. BLUE
04. 赤ちゃん
05. すずらん通り
06. Hometown
07. 旅するギター
08. 深夜テンション
09. Somebody's Talking Tonigh

家主

01. 近づく
02. SHOZEN
03. きかいにおまかせ
04. 茗荷谷
05. それだけ
06. マイグラント
07. 家主のテーマ
08. カメラ
09. p.u.n.k
10. NFP
11. にちおわ
12. オープンカー
13. 今日はひとりでいようね

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