「終わりたくねえ!」星野源初のSHIBUYA-AX大成功

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昨日10月2日、星野源が東京・SHIBUYA-AXにてワンマンライブ「星野源の『エピソード1』」を開催。満員のオーディエンスを、ゲストアーティストを招いたセッションやユーモアたっぷりのトークで楽しませた。

アンコールではTシャツに着替えて登場した星野源。MCでは観客とコミュニケーションしながら、しっかりと物販紹介を行っていた。

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本編後半で展開された、ストリングス隊とホーン隊とのセッションの模様。

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バンドメンバーを追い出し、高田漣と“しっぽり”したセッションを繰り広げる星野源。

バンドメンバーを追い出し、高田漣と“しっぽり”したセッションを繰り広げる星野源。

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ライブ中盤の弾き語りコーナーの様子。広いステージにひとりで立ち歌う星野源。

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定刻の18:00ぴったりにフロアが暗転すると、ステージの中央に設置された照明が灯る中、星野が手を上げながら登場。歓声と割れんばかりの拍手を浴びた彼は照れくさそうに笑い、「こんばんは、星野源です。すごい顔、顔、顔! こんなにたくさんありがとうございます」と口にする。そして「どうもどうも」と呟き、「歌を歌うときは」を弾き語りで披露。星野ワールドに誘う滋味にあふれた1曲に観客は聴き入った。

「ありがと」と短い感謝の言葉を述べると、今度はエンジンをかけるように軽やかなナンバーを披露。伊藤大地(SAKEROCK / Dr)の繊細なシンバルと横山裕章(Piano)の滑らかなピアノから始まった「グー」、朗々とした歌声が響いた「ステップ」、自然と起こった手拍子に星野が笑顔を浮かべた「茶碗」と続いた。

伸び伸びとパフォーマンスをしているようで、初めてのSHIBUYA-AXに内心は緊張していた星野。4曲を歌い終えるや否や「あー! 緊張する!」と叫び、観客から「大丈夫!」と励まされる微笑ましい一幕があった。そんな空気をほぐすように、次のパートの前にはユニークなエピソードを交えながらバンドメンバーを紹介。伊賀航(B)を「星野バンドの浅野忠信」と称したかと思えば、横山を「今日はちょっとおすまし?」とシャツのボタンが1つしか開いていないことをいじる。伊藤を紹介するときに至っては、「今日はシャツのボタンが2つ開いてるね。でも下にガードの固そうなTシャツ着てて、それが萌えポイント」とアピールしていた。

「ホントにうれしいっす。こんなに大きいところでやれるとは思わなかったんで」とAXに立っている喜びを口にすると、今度はじっくり聴かせるタイプのスローナンバーを連発。家の中を舞台にしたコミカルな雰囲気の「布団」「キッチン」などでオーディエンスを魅了した。

「こないだ出たアルバム聴いてくれた人?」という質問から始まった2度目のMC。星野はほぼ全員が手を挙げたことに喜びながら、「こういう心霊写真ってあるよね。海から手が出てるような。うれしいけど怖い」とコメントし観客を失笑させる。さらにライブのタイトルについて語り出し、「実は『エピソード0』にしようと思ったんだけど、スタッフから電話がかかってきてさ。『星野さん、GACKTが【Episode 0】っていう曲を出しました!』って言われて、結局『エピソード1』にしました」と裏話を暴露した。

そして「ダンディズムの塊」と高田漣(Pedalsteel Guitar)を呼び込むと、彼とのコラボレーションを展開。「エピソード」の収録曲「変わらないまま」を皮切りに、間奏の躍動的なセッションが喝采を浴びた「穴を掘る」、星野の伸びやかで張りのある声が響いた「兄妹」が演奏された。「未来」の前に星野は、「この曲は東日本大震災が起きたあと、一番最初にできた曲です」と紹介。歌詞を噛み締めるように歌う彼の表情に、誰もが釘付けになった。

会場の空気を軽やかにした「老夫婦」が終わると、星野は「それではちょっとしっぽりと蓮さんと2人でやりたいと思います。出てって! 2人にして!」とバンドメンバーをステージ袖に追いやる。そして「2人きりだね……それで歌う曲がこれか」と自虐的に言い放ち、「エピソード」の中から「バイト」を高田の奏でるノスタルジックなサウンドとともに歌い上げた。

高田とのセッションが終わると、この日何度目かのMCに。「皆さんわかっているとは思いますが、(俺の曲は)暗いですよね。なんでナオト・インティライミさんみたいな曲が書けないんだろ。俺も星野インティライミにしようかな。外国の名前が入るとグっとあがりますよね」とボヤきつつ、「しんどいときに歌を作るとスッキリして。自分の心を吐き出すだけじゃなくて、『こういう曲を作りたい』と思って作れると達成感があって。次の曲はどん底になって、もうヤダと思いながら、こんなことがあったらいいなと思って書いた曲です」と「子供」を穏やかな歌声で披露した。

観客が息を飲んで聴き入った「ブランコ」を経て、バンドメンバーに加えバイオリン奏者とチェロ奏者を呼び込んだ星野。「普段女子とライブすることがないんで、すごいセクハラしたいんですよね。でもすぐ怒られるだろうな」とニヤニヤする。しかし、ひとたび演奏が始まればアーティストの顔に。火葬場をテーマにした「ストーブ」を、豊かなストリングスを絡ませながら演奏した。

さらに続けてホルン、トロンボーン、トランペット、クラリネットで構成されたホーン隊を呼び込び、大所帯でのセッションコーナーがスタート。自分を含め総勢10人が揃ったステージを見渡した星野は、「これで10人。高田漣さんを入れると11人もいます! 僕今度『11人もいる!』っていうドラマに出ます!」と出演ドラマのアピールも忘れないちゃっかりぶりを発揮した。

この編成で演奏されたのは、「エピソード」「日常」の2曲。星野の朗らかな歌声と、豊かなサウンドが会場全体を多幸感で満たしていく。特に「日常」の後半では手拍子が起こり、それを受けて星野の声は伸びやかさを増していた。

ホーン隊とともに「予想」が演奏されたあとは、本編最後のMCが始まるが、あまりの楽しさに星野は「終わりたくねえ!」と名残惜しそう。「今年3月にシングルを出しまして、これがいろんなところでかけてもらえて……うれしいこともあるんだなって。だいたい(生きていくのって)しんどいものじゃないですか。でも長く生きてれば、いいこともあるんだなって」と「くだらないの中に」へとつなげた。聴き手に寄り添うような歌詞とサウンドスケープに観客はうっとり。シンプルでぬくもりのある照明も手伝い、感動的な空間が本編のクライマックスを彩った。

アンコールでは、どっしりしたリズムと浮遊感のあるボーカルのギャップが楽しい「湯気」、バンドサウンドをしっかり聴かせる「くせのうた」の2曲をプレゼント。もちろんMCも行われ、ここでは自身がパーソナリティを務めるJ-WAVE「RADIPEDIA」のスタッフネタを披露したほか、全国ツアーの開催を発表。ツアータイトルが「エピソード2以降」であることが明かされると、フロアから笑いが起きていた。

「くせのうた」で大団円を迎えると思いきや、観客はまだ物足りない様子。拍手に導かれステージに姿を見せた星野は「アンコールの曲はちゃんと決めてないからね!」と叫んだ。「『営業』やって!」という声が上がるが、星野は「覚えてません! 『エピソード2以降』までに超絶練習してくるから」と宣言。そして「では最後にもう1曲だけ……」と語り、咳払いをすると「ばかのうた」を優しく歌い会場を包み込んだ。

「次の『エピソード』で会いましょう!」という約束で締めくくられたこの日のライブ。待望の全国ツアー「エピソード2以降」では、どんなステージとトークで楽しませてくれるのか今から楽しみなところだ。

星野源「星野源の『エピソード1』」
2011年10月2日 SHIBUYA-AX公演セットリスト

01. 歌を歌うときは
02. グー
03. ステップ
04. 茶碗
05. ばらばら
06. 布団
07. キッチン
08. ひらめき
09. 変わらないまま
10. 穴を掘る
11. 兄妹
12. 未来
13. 老夫婦
14. バイト
15. 子供
16. ブランコ
17. ストーブ
18. エピソード
19. 日常
20. 予想
21. くだらないの中に
<アンコール>
22. 湯気
23. くせのうた
<ダブルアンコール>
24. ばかのうた

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