今回の公演は岡村にとって、2007年11月以来約3年9カ月ぶりのライブツアー。バンドが1曲目「どぉなっちゃってんだよ」から演奏をスタートさせると、フロアは岡村の登場を待ちかねたファンの大きな悲鳴に包まれた。黒いスーツに身を包み、迫力あるボーカルを聴かせる岡村は「東京! いくぜ、カモン!」とフロアを煽りつつ、切れ味鋭いダンスを繰り出していく。
そして2曲目「カルアミルク」では美しいメロディラインをしっとりと歌い上げ、「会いたかったぜ! 俺が靖幸ちゃんだぜ!」と語りかけてファンを喜ばせた。
続く「ア・チ・チ・チ」で岡村はかけていたメガネを外し、愛用のオベーションギターを手に「Vegetable」をワンフレーズだけ歌ってみせる。そして「聖書(バイブル)」「Punch↑」「C'mon」といったファンキーな楽曲を間髪入れずに次々と披露。音を途切れさせることなく、激しく踊り歌い続ける姿にフロアは大きな歓声で応えていた。
冒頭から続いたピークタイムを終え、ここで岡村は一旦ステージ袖に退場。残ったバンドメンバーによる熱演を経て、ステージに戻ってきた彼を名曲バラード「イケナイコトカイ」のイントロが出迎えた。岡村はコーラス部分でひときわ熱のこもったフェイクを響かせ、会場を感動的な空気で包み込んでいく。
その後もバンドは「19(nineteen)」「いじわる」「モン・シロ」といった人気のナンバーを連発し、本編ラストには「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」と「だいすき」を連続で投下。観客の手拍子に乗せて岡村がギターを激しくかき鳴らし、オーディエンスは「青春って1、2、3、ジャンプ!」の大合唱。続く「だいすき」で岡村は笑顔を見せつつ軽快なダンスを披露し「東京ベイベ! 俺は君を、だいすきです!」とシャウト。おなじみ「へぽたいや」のコール&レスポンスの中、幸せな空気に包まれてライブ本編の幕が下りた。
アンコールは、アルバム「エチケット(パープルジャケット)」の曲順どおり「DATE~祈りの季節~マシュマロハネムーン~セックス」のメドレーを披露。太いベースラインがこの4曲を貫く中、少子化問題を歌う「祈りの季節」で岡村は「東京、子供産め!」と叫び、集まったファンを大きく沸かせていた。また、このあとツアー序盤には演奏されなかった「アルファイン」「SUPER GIRL」がセットリストに加わり、フロアはさらなる熱気に包まれた。
そして迎えたダブルアンコールは岡村によるキーボード弾き語りからスタート。「東京ベイベ / 愛してるぜ」と歌うおなじみの即興演奏から始まり、「友人のふり」のサビの合唱でフロアがひとつになったところで、岡村は再びバンドと合流し「どうかしてるよ」をしっとりと歌い上げた。そのまま岡村はギターを持って「愛の才能」「Dog Days」「Shining(君がスキだよ)」「ターザンボーイ」などの印象的なフレーズを手当たり次第に熱唱。そしてひときわ強いストロークから「Out of Blue」を歌い始め、1番が終わったところでバンドが再び分厚いサウンドを響かせた。
ライブ開始から2時間以上が経過しても岡村は疲れを見せずに踊り続け、観客に向けて何度も何度も投げキッスを贈る。そのエモーショナルな歌声と全力のコール&レスポンスがフロアとステージをひとつにし、感動的な盛り上がりが会場全体を包み込む中、岡村靖幸のツアーファイナルは大団円のうちに終了した。
岡村靖幸「2011岡村靖幸LIVE『エチケット』」2011年9月20日 SHIBUYA-AX公演セットリスト
01. どぉなっちゃってんだよ
02. カルアミルク
03. ア・チ・チ・チ
04. Vegetable
05. 聖書(バイブル)
06. Punch↑
07. C’mon
08. イケナイコトカイ
09. 19(nineteen)
10. いじわる
11. モン・シロ
12. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
13. だいすき
<アンコール>
14. DATE
15. 祈りの季節
16. マシュマロハネムーン
17. セックス
18. アルファイン
19. SUPER GIRL
<ダブルアンコール>
20. 東京ベイベ~弾き語りメドレー
21. 友人のふり
22. どうかしてるよ
23. Out of Blue
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