尾崎世界観の地元で開催、恒例弾き語りイベントに“尾崎宇宙観”も登場

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尾崎世界観(クリープハイプ)の弾き語りイベント「尾崎世界観の日 特別篇 2023」が11月21日に東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで開催された。

左から門出船出、トム・ブラウン、長谷川カオナシ、尾崎世界観。(撮影:関信行)

左から門出船出、トム・ブラウン、長谷川カオナシ、尾崎世界観。(撮影:関信行)

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開催概要

「尾崎世界観の日」は“尾崎が共演したい人を呼ぶ”というコンセプトのもと不定期で行われてきた。昨年8月に上野恩賜公園野外ステージで実施されて以来約1年ぶりとなる今回の舞台は尾崎が生まれ育った東京都葛飾区の住宅街にある、かつしかシンフォニーヒルズ。尾崎とゆかりの深い会場には長谷川カオナシ、門出こと小川幸慈、船出こと小泉拓からなる門出船出、お笑いコンビのトム・ブラウンがゲストで駆け付けた。

長谷川カオナシ

長谷川カオナシ(撮影:関信行)

長谷川カオナシ(撮影:関信行)[拡大]

キツネのお面を着けたカオナシはキーボードの前に座り、まずは「かえるの唄」を弾き語り。奇妙な世界観の歌詞と無垢な歌声のアンバランスさが独特な空気を醸し出す。1曲目を終えた彼は「お粗末さまです」と言い、「呼んでいただけて光栄です。クリープハイプは4人とも同じ楽屋なんですけど、1人で出ると思うと、不思議なもので、めっちゃ寂しいなと思いますね」と素直な思いを口にした。流れるようなピアノの調べに乗せて「朝にキス」が歌われたあと、続いて初披露されたのは10年近く制作に向き合ったという新曲「金木犀(仮)」。アイロニックな歌詞と丁寧に紡がれるキーボードサウンドが鮮烈な余韻を残す。そして謙虚な内面が垣間見えるMCも挟みつつ、カオナシはクリープハイプのライブでもよくパフォーマンスする「月の逆襲」でトップバッターとしての役目を終えた。

門出船出

門出船出(撮影:関信行)

門出船出(撮影:関信行)[拡大]

「世にも奇妙な物語」のテーマソングが流れる中、腰に手を当てて小走りで登場したのは門出船出。門出は白いポロシャツ、船出は赤いポロシャツを着てハーフパンツを履いている。門出が鳴らすギターに乗せて、船出が「世の中に言いたいことなんて別にない。ただ『おめでとう』は言いたい」と切り出すと、「SAY」の朗読がスタート。船出はよく通る低音ボイスでゆっくりと言葉を紡いでいった。「今回も尾崎世界観さんに呼んでいただきありがとうございます」と感謝を伝えた彼らは、アッパーチューン「KORYAMEDETEEENA」で会場を盛り上げたのち、新曲「赤と白の弾丸」で挑発的なロックサウンドを響かせて存在感を発揮。最後の自己紹介ソング「ユニフォーム」の多彩なサウンドアプローチでも観客を惹き付けた。パフォーマンスを終えた門出船出は、元気よく走りながらステージ袖へと姿を消した。

トム・ブラウン

トム・ブラウン(撮影:関信行)

トム・ブラウン(撮影:関信行)[拡大]

ギターやドラムセットが片付けられ、ステージの中央にはスタンドマイク1本のみ。マイクの前に立った布川ひろき、みちおは満面の笑みでオーディエンスの拍手を煽り、観客の心を一気につかんでいく。みちおは「世にも珍しい、2人とも気持ち悪いコンビです」と自虐。大きな拍手を浴びてもなお、布川は「(ゲストは)僕らで合ってますか?」と不安げな様子だ。その後、トム・ブラウンは尾崎とふるさと納税の話題で盛り上がったこと、よく飲みに行く間柄であることを明かし、いよいよ漫才へ。スナックの迷惑な客をテーマにしたネタで笑いを誘ったあと、みちおは「尾崎世界観っているじゃないですか。尾崎さんを3人集めて“尾崎宇宙観”を作りたいんですよ」と声を張り上げる。布川はみちおの提案を受け入れ、2人は失敗を繰り返しながらも、“尾崎宇宙観”をステージに招くことに成功した。トム・ブラウンのステージには彼らの持ち味とも言える独特の気味悪さが終始漂っていた。

尾崎世界観

尾崎世界観(撮影:関信行)

尾崎世界観(撮影:関信行)[拡大]

スツールに腰掛けた尾崎は、アコースティックギター1本でストイックに楽曲を演奏していく。近年のクリープハイプの代表曲とも言える「ナイトオンザプラネット」で自身のライブを始めた彼は、「500マイル」のカバーや「真実」「喋る」などレアな選曲を次々と披露。会場からほど近いという実家や、お世話になっていた女性との思い出を振り返り、そんな過去に思いを馳せるように、「君の部屋」で力のこもったギターサウンドとボーカルを響かせた。

尾崎世界観(撮影:関信行)

尾崎世界観(撮影:関信行)[拡大]

尾崎はカオナシ、門出船出のパフォーマンスに触れ、「各メンバーが別の形で出るのは改めていいことだと思いました」とコメント。さらにバンドメンバーとの結びつきについて率直な思いを語った。自身の言葉やパフォーマンスにじっと耳を傾けるファンに対して尾崎は「トム・ブラウンのときあんなに盛り上がってたよね? 俺のこと無視してるわけじゃないよね?」と心配そうに声をかける。すると観客から笑い声や拍手が起き、安堵の表情を浮かべた。その後の「君が猫で僕が犬」では温かみのあるサウンドで会場を包み込み、「傷つける」では切々とした歌声でオーディエンスを揺さぶった尾崎。ライブが終わりに差し掛かる頃、彼はこの日の選曲に関して、「バンドメンバーが決まらない時期があって、その頃に1人で歌うための曲を作りました。今日は当時の曲が多いです」と説明する。また下積み時代を懐かしみつつ、クリープハイプの現メンバーでの活動が14周年を迎えたことを報告すると、場内に祝福ムードが広がっていった。そして「尾崎世界観の日」は長年大切に歌われてきた「ex ダーリン」ですべての曲目が終了。場内が明転すると、尾崎を称えるように、観客からは割れんばかりの拍手が贈られた。

「尾崎世界観の日 特別篇 2023」終了後のクリープハイプXポスト

セットリスト

「尾崎世界観の日 特別篇 2023」2023年11月21日 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

長谷川カオナシ

01. かえるの唄
02. 刹那の夏
03. 朝にキス
04. 金木犀(仮)
05. しらす
06. 月の逆襲

門出船出

01. SAY
02. KORYAMEDETEEENA
03. 赤と白の弾丸
04. ユニフォーム

トム・ブラウン

01. ロンリーチャップリン

尾崎世界観

01. ナイトオンザプラネット
02. 500マイル
03. 真実
04. 喋る
05. 君の部屋
06. キケンナアソビ
07. 百日紅
08. 君が猫で僕が犬
09. ねがいり
10. 傷つける
11. ex ダーリン

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クリープハイプ @creephyp

【メディア情報】
本日配信開始!「音楽ナタリー」にて、11/21(火)に開催した「尾崎世界観の日 特別篇 2023」のライブレポート『尾崎世界観の地元で開催、恒例弾き語りイベントに“尾崎宇宙観”も登場』が公開されています。
https://t.co/S5voLZA0zN

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 クリープハイプ / トム・ブラウン の最新情報はリンク先をご覧ください。

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