Awich初のアリーナワンマンで世界進出を宣言「みんなでUNIONして成長していけるシーンに」

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Awich初のアリーナワンマンライブ「Awich Queendom -THE UNION- at K-Arena Yokohama」が11月5日に神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。

「Awich Queendom -THE UNION- at K-Arena Yokohama」の様子。

「Awich Queendom -THE UNION- at K-Arena Yokohama」の様子。

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武道館の次のステージ

ライブのオープニングを飾った琉球舞踏団によるパフォーマンスの様子。

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昨年3月にこれまでの活動の集大成となるようなアルバム「Queendom」をリリースするとともに、初の東京・日本武道館公演を開催し、約8000人を動員したAwich。その後もZeppツアーやフェスなど精力的にライブ活動を重ね、「ミュージックステーション」でも披露した「Bad Bitch 美学 Remix」をはじめとする話題曲を生み出し続けた結果、彼女がたどり着いたのは武道館の倍以上のキャパシティを誇るKアリーナ横浜だ。日本のフィメールラッパーがこの規模の会場でワンマンライブを行うのはこれが初となる。

「THE UNION」の様子。

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自身のルーツである沖縄の舞踏団によるパフォーマンス後、昇る太陽の映像を背にステージに現れたAwichは、本公演に先駆けてリリースしたニューアルバムのタイトル曲「THE UNION」でライブを開始。火柱が上がる中、「新しい時代見せてやる」と宣言し、「ここに集え! The union」と呼びかける。会場に集結した約1万8000人のファンの大歓声を浴びたAwichは、続く「Guerrilla」ではダンサーを引き連れてセンターステージへ。気迫みなぎるラップで彼女を取り囲む観客をさらに熱狂させた。

ガールズパワーが炸裂

MFSを迎えた「ALI BABA」の様子。

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「Bad Bitch 美学 Remix」の様子。左からNENE、Awich、LANA、MaRI、YURIYAN RETRIEVER。

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連合・同盟を意味する「UNION」と銘打たれた本公演の前半でAwichが見せたのは、同じ女性との“UNION”だ。「ALI BABA」でドリルやジャージークラブを取り入れた変則的なビートを乗りこなし、ゲストのMFSとともに、そのラップスキルを誇示したAwichは、彼女に負けず劣らずバイタリティあふれるフィメールラッパーを次々とステージに迎え入れる。まずMC後の「イケメンタル」では羽の生えた奇抜な衣装のNENE(ゆるふわギャング)が女たちの騎馬に乗ってステージへ。続く「Bad Bitch 美学 Remix」では、Awich、NENEに加えて、ポップアップで登場したMaRILANAが個性豊かなマイクリレーを繰り広げる。今回AIは出演が叶わなかったもののVTRで登場。彼女のヴァースをAwichと観客が代わりに歌い上げたあと、最後の“Bad Bitch”ゆりやんレトリィバァが現れ、「結ばれてるの Shohei Ohtani」「ふざけ倒すのがわたしの美学」といったユニークなパンチラインの数々で会場を沸かせた。

パンチラインと言えば、Awichの代表曲の1つとなった「口に出して」。この曲では際どいリリックをファンが合唱するのが恒例となっているが、昨年の武道館公演ではコロナ禍により観客が歌うことが許されなかった。その雪辱を晴らすため、今回Awichは「口に出して」を観客に歌わせたあと、「口に出して」のオリジナルバージョンだという新曲「口に出して 2」を披露。「I love you I need you I miss you I want you」と歌うフックを観客にレクチャーし、会場にシンガロングを響かせた。

Yomi Jahを迎えた「Call On Me」の様子。

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その後「Shut Down」では自身が審査員を務めた「ラップスタア誕生」で注目を浴びたCYBER RUIをフックアップし、Kアリーナ横浜という大舞台に立たせたAwich。ライブ前半を締めくくる「Call On Me」で彼女が客演に迎え入れたのは、開演前の影ナレも担当した愛娘のYomi JahことToyomiだ。「Call On Me」は彼女の要望を取り入れ、2000年代を彷彿とさせるサウンドに仕上げたという楽曲。この曲でToyomiは大勢のダンサーの中心でキレのあるダンスを披露し、大きな拍手と歓声を集めた。

沖縄の仲間たちとの「UNION」

唾奇、OZworld、CHICO CARLITOを迎えた「RASEN in OKINAWA」の様子。(Photo by Uran)

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SugLawd Familiar、CHICO CARLITOを迎えた「LONGINESS REMIX」の様子。(Photo by Uran)

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Awichが所属するクルーYENTOWNのDJ・U-LeeがYENTOWNメンバーの人気曲を次々にプレイしたあと、衣装を変えてステージに戻ったAwichは、MONGOL800「琉球愛歌」のリミックスを皮切りに、沖縄をレペゼンする楽曲を次々に披露していく。「NINGEN State Of Mind II Remix」ではRITTOを迎え、続く「RASEN in OKINAWA」ではAwichが唾奇OZworldCHICO CARLITOとマイクリレーを展開。さらに「LONGINESS REMIX」ではCHICO CARLITOに加えて、沖縄のクルーSugLawd Familiarを迎え入れ、勢いあふれる掛け合いで爆発的な盛り上がりを生み出す。

「Wait For Me」の様子。

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会場に興奮が広がる中、Awichが歌い始めたのは、本土復帰50年を迎えた沖縄をテーマに書き下ろした楽曲「TSUBASA」だ。この曲にはライブ前半でダンスパフォーマンスを披露したToyomiが客演ラッパーとして参加。武道館でもステージに立ったToyomiだが、より堂々とした姿を見せ、Awichと観客に成長を感じさせた。パフォーマンスを終えたToyomiの肩を抱いたAwichは、ステージに並んで腰かけると、彼女に向けた新曲「Wait For Me」を語りかけるように歌唱。そんなエモーショナルな場面をパトリック・バートリーが奏でるサックスの音色が彩った。

偽Awich&KEIJUも出現

GADOROを迎えた「Burn Down」の様子。

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STUTSとBIMを迎えた「Twinkle Stars」の様子。

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Toyomi退場後、観客が点灯したスマホのライトに照らされながら「Revenge」を歌唱したAwichは、“ラッパー界の素晴らしい語り部”としてGADOROを迎え、インターネットの功罪を物語った「Burn Down」を披露。さらにSTUTSBIMとコラボした「Twinkle Stars」でメロウなムードを生み出したAwichだが、歌い終えると3人でゆるいトークを始め、会場のあちこちでアピールする熱烈なファンに名前を聞いていく。この和やかなコミュニケーションコーナーで3人が最後に指名したのは、なんとイタリアから来たというファン。「イタリアでも私のこと有名にできる?」というAwichの問いに彼が力いっぱい頷くと、Awichは「みんなでイタリア行くぞ!」と笑った。

左からAwich、KEIJU、ナダル、ゆりやんレトリィバァ。

左からAwich、KEIJU、ナダル、ゆりやんレトリィバァ。[拡大]

またAwichが自身の苦しみや不安をさらけ出した「かくれんぼ」を情感豊かに歌い上げて退場したあと、KEIJUとのコラボ曲「Remember」が始まったかと思えば、ステージに出てきたのはAwichとKEIJUではなく、ゆりやんレトリィバァとナダル。2人の誇張したモノマネで会場は大きな笑いに包まれる。そして、やりたい放題やり尽くしたゆりやんとナダルがステージを去ろうとすると、そこには本物のAwichとKEIJUが。2人が改めて「Remember」を歌い始めれば、観客は待ってましたとばかりに沸き上がり、飛び跳ねて会場を揺らした。

次の舞台は世界

鎮座DOPENESSとDOGMAを迎えた「洗脳」の様子。

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YZERRとJP THE WAVYを迎えた「SUPER GILA GILA」の様子。

YZERRとJP THE WAVYを迎えた「SUPER GILA GILA」の様子。[拡大]

「Remember」に続けて、AwichはKEIJUと¥ellow Bucksを迎えた「Link Up」、DOGMA、鎮座DOPENESSとコラボした「洗脳」とキラーチューンを怒涛の勢いで連発。「やっちまいな」でANARCHYを迎え入れると、「マジでお前誰?」のパンチラインで知られる代表曲「WHORU?」が披露され、会場は一層沸き上がる。熱狂的なムードの中、トドメとばかりに投下されたのは「GILA GILA」のスペシャルバージョン「SUPER GILA GILA」。Awichのパワフルなヴァースに続いて、LEDダンスパフォーマーを引き連れたJP THE WAVYBAD HOPのYZERRが大迫力の演出とともにラップを繰り出し、会場の熱気は最高潮を迎えた。

ラッパーでは前例のない東京・東京ドームを舞台とするBAD HOPのラストライブを控えたYZERRに「本当におめでとう。私も負けないようにこれからがんばるから」と言葉をかけ、「みんなでUNIONして底上げして成長していけるシーンになってほしいなと思ってます」と思いを語ったAwich。ここで彼女は観客にスクリーンを見るよう促すと、Wu-Tang ClanのRZAやゼイトーヴェンといった海外の大物アーティストと思われる人物と彼女が並ぶ映像を上映し、来年から本格的に世界進出を開始することを明らかにした。

「Love Me Up」の様子。

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「Love Me Up」で宙を舞うAwich。(Photo by Uran)

「Love Me Up」で宙を舞うAwich。(Photo by Uran)[拡大]

大きなどよめきが起こる中、世界進出と並行して国内でもライブツアー「THE UNION TOUR2024」を行い、来月には自身のバースデーライブを行うことを発表したAwichは、壮絶な生い立ちとステージに立つ覚悟を歌った「Queendom」を鬼気迫る勢いでラップし、最後に「Love Me Up」を歌唱。この曲では広い場内を見渡せるようAwichが舞台装置でどんどんと上昇していったのだが、上空からフロアを見下ろすAwichに向けて、ファンは隠し持っていたピンクの花を一斉に掲げる。武道館でも同様のサプライズを受けたAwichは「またやってる!」と満面の笑みを浮かべ、会場はこの日一番の大合唱に包まれた。

なおABEMAでは本公演の映像を配信中。会場に足を運べなかったファンは配信をチェックしよう。

セットリスト

「Awich Queendom -THE UNION- at K-Arena Yokohama」2023年11月5日 Kアリーナ横浜

01. OKINAWA OPENING SHOW with 琉球舞踏団
02. THE UNION with 琉球舞踏団
03. Guerrilla
04. ALI BABA with MFS
05. イケメンタル with NENE
06. Bad Bitch 美学 Remix with NENE, LANA, MaRI, YURIYAN RETRIEVER
07. 口に出して
08. 口に出して 2
09. Shut Down with CYBER RUI
10. Call On Me with Yomi Jah
11. 琉球愛歌 Remix Awich
12. NINGEN State Of Mind II REMIX with RITTO
13. RASEN in OKINAWA with 唾奇, OZworld, CHICO CARLITO
14. LONGINESS REMIX with SugLawd Familiar, CHICO CARLITO
15. TSUBASA with Yomi Jah
16. Wait For Me
17. Revenge
18. Burn Down with GADORO
19. Twinkle Stars feat. STUTS, BIM
20. かくれんぼ
21. Remember - THE FIRST TAKE ver.- by SPECIAL GUESTS
22. Remember with KEIJU
23. Link Up with KEIJU, ¥ellow Bucks
24. 洗脳 with DOGMA, 鎮座DOPENESS
25. やっちまいな with ANARCHY
26. WHORU? with ANARCHY
27. SUPER GILA GILA with JP THE WAVY, YZERR
28. Queendom
29. Love Me Up

Awich Birthday Premium Live 2023

2023年12月16日(土)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール

THE UNION TOUR2024

2024年4月27日(土)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
2024年4月28日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
2024年5月2日(木)北海道 Zepp Sapporo
2024年5月9日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
2024年5月11日(土)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2024年5月17日(金)愛知県 Zepp Nagoya
2024年5月23日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)

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田中大輔DT@LINE MUSIC @daisuketa18

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