「サマステ」で初ライブ、原因は自分にある。が“今世紀最大”に六本木を熱くした夜夏

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原因は自分にある。が東京・六本木ヒルズアリーナで開催中のライブイベント「SUMMER STATION 音楽LIVE」に出演。昨日8月1日にライブを行った。

原因は自分にある。(撮影:米山三郎)

原因は自分にある。(撮影:米山三郎)

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原因は自分にある。のライブの様子。(撮影:米山三郎)

原因は自分にある。のライブの様子。(撮影:米山三郎)[拡大]

定刻を迎え、ステージに姿を見せたのは夏仕様の真っ白な衣装に身を包んだメンバーの6人。さわやかな色気をまとった彼らがオープニングナンバー「Foxy Grape」のリズムに合わせて1人ずつ正面を向くたびに、集まった観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)からは大きな歓声が上がる。エッジーなギターサウンドが印象的なメタル調のこの楽曲は、楽しく夏を過ごす人々への嫉妬や負け惜しみの感情を歌う、げんじぶ流の異色なサマーチューン。ワイングラスをクッと傾けるアイコニックな振りに合わせ、力強い眼差しをライブカメラや観測者へと向ける6人の表情には、初めての「サマステ」のステージに臨む強い気迫がにじむ。

長野凌大(撮影:米山三郎)

長野凌大(撮影:米山三郎)[拡大]

流れるように2曲目の「余白のための瘡蓋狂想曲」へと展開すると、長野凌大はイントロで「サマステライブ、今日は素敵な思い出作っていきましょう。皆さんよろしく!」と思い切り叫んだ。この楽曲のオリジナルパフォーマンスが披露されるのはこの日が初めてとあり、観測者の歓喜の声がヒルズアリーナに響いたのも束の間、6人は“げんじぶ史上最速”のテンポを誇るこの難曲を軽やかなステップと鮮やかなマイクリレーで乗りこなす。お互いを触発し高め合うような、気迫に満ちた掛け合いを見せる6人の高いテンションはオーディエンスの興奮を誘い、ヒルズアリーナはライブの幕開け早々から高い熱気に包まれた。

ハグをする大倉空人と小泉光咲。(撮影:米山三郎)

ハグをする大倉空人と小泉光咲。(撮影:米山三郎)[拡大]

6月にリリースされたシングル「Foxy Grape」からの2曲で最新形のげんじぶの姿をしっかりと示したところで、6人は自己紹介。日中ひさびさに強い雨が降ったこの日の天気に触れた武藤潤は「今日に限って雨が降って、涼しく感じてしまう!」と満面の笑みで語ったが、メンバーからは「その割に汗かいてる!」とツッコまれ、会場に和やかな空気をもたらした。また、凌大が「僕ら、めちゃくちゃ気合い入れてきました。皆さん、一発声出す準備できてますか? 六本木の夜に声響かせましょう!」と観測者に呼びかけると、観測者が手にするペンライトの輝きに小泉光咲は「夜に屋外でライブするの、本当にひさしぶりだよね。ペンライトマジできれいだわ」としみじみつぶやく。するとその様子を見た大倉空人は、光咲がライブ前の円陣で「僕たちが6本の木になりましょう!」という独特すぎる気合い入れの声かけをしていたことを観測者の前で暴露。1人照れ笑いを浮かべる光咲を中心に、ヒルズアリーナには大きな笑い声が響き渡った。

桜木雅哉(撮影:米山三郎)

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原因は自分にある。(撮影:米山三郎)

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「観測者のみんなとコール&レスポンスをしたい!」と言う桜木雅哉がリードする「サマステ!」「最高!」のコール&レスポンスから始まったセクションでは、“観測者参加型”のパフォーマンスで会場の熱を一気に引き上げていったげんじぶの6人。冒頭から「ららら……」のシンガロングでオーディエンスを巻き込んでいくアッパーチューン「原因は君にもある。」では、サビパートの歌唱を担う潤が指ハートを連打しながら高らかに歌声を響かせ、げんじぶの“盛り上げ隊長”・空人も「サマステ盛り上がるぞー!」と観測者を鼓舞。雅哉は「君だ! 君だ! 絶対君だ!」と歌うパートを「サマステ最高ー!」と言い換えて大きな笑顔を浮かべた。さらに、アウトロでハンズアップの波がアリーナに揺れた場面では、「俺たちが6本の木になりましょうー!」と光咲の気合い入れを踏襲し、6人と観測者の笑いをさらうという空人の鮮やかなアドリブも。続く「GOD 釈迦にHIP-HOP」は、メンバーによる公式のコール動画もアップされた、盛り上がり必至の“ライブ曲”。一聴しただけでは理解し難い複雑なフレーズの連続で構成された歌詞はげんじぶメンバーの“隠れ自己紹介”となっており、ポップに楽しいメタファーで“自己紹介”を行っていく6人のパフォーマンスに合わせ、観測者も息ぴったりのコールを入れて楽曲のパワーを最大限に引き上げてみせる。勢いのまま、ハイテンションな青春ロック「放課後ギュッと」になだれ込むと、サビ終わりで細やかなリズムを打つ観測者のペンライトの動きがにぎやかに楽曲を彩る。全力で観測者を巻き込みながら熱狂の空間を作り上げたメンバーは、曲を終えるなり「あっつー!」と声を上げ、清々しい笑顔に汗を光らせていた。

左から武藤潤、吉澤要人、長野凌大。(撮影:米山三郎)

左から武藤潤、吉澤要人、長野凌大。(撮影:米山三郎)[拡大]

2度目のMCでは、開催中のツアーに「EBiDAN THE LIVE」、そして11月に控える初のアリーナ公演「原因は自分にある。ARENA LIVE 2023 因果律の逆転」と、精力的に走り続けるげんじぶの今後の予定がメンバーの口から語られ、凌大は「立っているステージと自分たちを照らし合わせながら活動していると、(スピードが)速く、あっという間に感じます。夢を1つひとつ叶えながら活動できていることで成長を感じられるけど、少し不安な気持ちになるときもあって。そんなときに皆さんの笑顔を見ると、安心すると同時に自分たちが楽しめていることを確認できるんです。アリーナ公演、絶対に成功させる自信があります」と、自分たちが抱えるありのままの思いを観測者にまっすぐ伝えた。

武藤潤(撮影:米山三郎)

武藤潤(撮影:米山三郎)[拡大]

「また今日の六本木から1歩1歩進んでいけたらと思います。次は、あなたとここから歩んでいきたいという気持ちを込めた歌を歌いたいと思います」。凌大のメッセージと共にオーディエンスへと届けられたのは、愛しい人への思いを歌うバラードナンバーの「Run away」。横1列に大きく広がった6人は、主人公の繊細な心の揺らぎを豊かな感情表現で浮かび上がらせながら、丁寧に歌声をつないでいく。涼やかなピアノの旋律が導いた「以呂波 feat. fox capture plan」では、6人の雅やかで大きな舞踏によって真っ白な衣装の裾がたっぷりとはためく様が観衆の目を奪う。彼らが描いた幽玄な世界観は澄み渡るようにヒルズアリーナに広がり、連日の酷暑が少し和らいだ夏の夜風と混ざり合って心地よいムードを運んでいた。

大倉空人と桜木雅哉。(撮影:米山三郎)

大倉空人と桜木雅哉。(撮影:米山三郎)[拡大]

パワフルなEDM「ギミギミラブ」で場内のムードが切り替わると、空人は「皆さん、今世紀最大の“炭酸水”をお願いします!」と観測者に求めた。4年間のライブ活動のほとんどを声援禁止の中で行ってきたげんじぶにとって、コロナ禍に入る前、唯一の“定番コール”だったのが、「ギミギミラブ」に登場する「炭酸水!」。空人の要求に応えるべく、観測者が声を振り絞って大きな「炭酸水!」の声を響かせると、今度は光咲が「“今世紀最大の”クラップをお願いします!(笑)」と続いてさらなる盛り上がりを作り出した。6人と観測者の大きな一体感に、雅哉は曲を終えるなり「素敵でしたね! これを基準にして、さらにレベル上げたいなと思いましたね。(杢代)和人が戻ってきたときのために!」と笑顔。そして「こんなにあっという間なんですね、サマステライブ……」と名残惜しそうにつぶやいた吉澤要人は「外の空気、風を感じながらライブして。なんと言うか、ここは開けた場所だけど僕らだけの空間になっている感じ……この状況がすごくいいなと思いましたし、野外ライブならではなのかなって思いました。たくさん声を出してくれてありがとうございます!」と、改めて観測者への感謝の思いを口にした。

吉澤要人(撮影:米山三郎)

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そんな要人のタイトルコールによる「嗜好に関する世論調査」でライブはラストスパートへ。2手に分かれたメンバーは観覧エリアを半分に分けての「2択! 2択! 2択!」というコール合戦で観測者を盛り上げる。ファンの熱い声を受け取った要人は、ラスサビ前のブレイクで1人振り返ると「サマステ最高だな」とクールに言い放ってさらなる歓声を誘った。そして、この日のステージを締めくくったのは「ネバーエンドロール」。ステージ下手側のファンの元へと駆け寄った雅哉、凌大、要人は指ハートをめいっぱいに観測者へと贈り、上手側に駆け寄った空人、光咲、潤は互いに肩を組みながら観測者と笑顔を交わす。歌詞で歌われるのは別れの悲しみや名残惜しさだが、メロディやパフォーマンスは底抜けに明るく晴れやか。相反する感情を刺激して観測者の心に深い余韻を残し、6人はぎゅっと身を寄せ合って笑顔で曲を締めくくる。最後の挨拶で、潤は「来年は7人で立てるように、これからも僕たちがんばります!」と、和人を含めての“完全体”で「サマステ」のステージの戻ってくることを誓う。メンバーは最後まで観測者に手を振りながらステージをあとにし、空人は「みんなちゃんと水分取るんだよ! 家に帰るまでがライブだからね!」と観測者に呼びかけていた。

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原因は自分にある。「SUMMER STATION 音楽LIVE」2023年8月1日 六本木ヒルズアリーナ セットリスト

01. Foxy Grape
02. 余白のための瘡蓋狂想曲
03. 原因は君にもある。
04. GOD 釈迦にHIP-HOP
05. 放課後ギュッと
06. Run away
07. 以呂波 feat. fox capture plan
08. ギミギミラブ
09. 嗜好に関する世論調査
10. ネバーエンドロール

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ナツメ @nuts_me_g

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