BEGINが全国ツアーを完走、14年ぶりの日比谷野音で体現したノスタルジア

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BEGINの全国ツアー「第26回 BEGINコンサートツアー2023」の最終公演が4月30日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で開催された。

「第26回 BEGINコンサートツアー2023」最終公演の様子(撮影:浜野カズシ)

「第26回 BEGINコンサートツアー2023」最終公演の様子(撮影:浜野カズシ)

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「第26回 BEGINコンサートツアー2023」は2月にスタートした全国ツアーで、追加公演含む20公演が行われた。最終公演でBEGINは、約14年ぶりに日比谷野音のステージにてパフォーマンスを繰り広げた。

比嘉栄昇(Vo, G)(撮影:浜野カズシ)

比嘉栄昇(Vo, G)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

お昼頃から降っていた雨が開演前に止み、曇天ながらも程よい気温に恵まれたこの日の野音。開演時刻を迎えるとサポートメンバーとともに比嘉栄昇(Vo, G)、島袋優(G)、上地等(Key)がステージに姿を現す。比嘉は「ノスタルジア」という、このツアーのテーマについて語りつつ、Carpenters「Yesterday Once More」のカバーで軽快にライブをスタートさせる。続けてベン・E・キング「Stand By Me」、ボブ・ディラン「Blowin'in The Wind」と洋楽のカバーを独特の節回しで披露。会場はBEGINならではの陽気さと懐かしさが入り混じった空気にたちまち包まれ、観客は手拍子で彼らの演奏に彩りを添えた。その後BEGINは「この空間はいつまでも大事にしていきたいと思います」と14年ぶりに立つ日比谷野音への思いを言葉にしつつデビュー曲「恋しくて」を披露。しっとりした演奏で、徐々にかげりゆく野音に涼やかな風を呼び込んだ。

島袋優(G)(撮影:浜野カズシ)

島袋優(G)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

その後彼らは「ノスタルジア」というコンセプトを体現するように、「もう話したくない」「時代遅れのバースディプレゼント」と郷愁を誘うようなローテンポのナンバーを立て続けに演奏。比嘉は上京時のエピソードを語り、「東京のことを何曲か続けて歌わせていただきます」と「防波堤で見た景色」、マイ・ペース「東京」のカバーを披露した。さらにBEGINはバイオリンの切ない調べから始まる「Goodby days」、比嘉の実直な歌声や島袋の雄弁なギターフレーズが胸を撃つ「誓い」といったナンバーを演奏。またライブ中盤にて、比嘉の実子であり、サポートギターとしてライブに参加する比嘉舜太朗が自身のバンド・HoRookiesの楽曲「結の唄」を歌唱すると、観客は温かく見守るような眼差しを送りながら、その優しい歌声にじっと聴き入った。

上地等(Key)(撮影:浜野カズシ)

上地等(Key)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

まったりしたテンポの楽曲が多数届けられクールダウンした会場を見渡しながら、比嘉は「空気を少しずつ晴らしていきたいと思います」とひと言。「Little Blue Fish」で後半戦を軽やかにスタートさせた。疾走感あふれる「Live in Town」ではアウトロでアグレッシブな演奏が繰り広げられ、徐々に下がっていく気温と反比例するように、会場の熱気はどんどん高まっていく。レゲエ風味のサウンドが観客を心地いい揺れに誘う「ハイサイ California」では、オーディエンスが高く掲げた両手を左右に振り、客席が一体感に包まれた。その後比嘉が「踊りたい人は勝手に踊ってください」と語りかけながら「苗」を披露すると、観客は一斉に立ち上がり全身で演奏を堪能。さらに「笑顔のまんま」「ボトル二本とチョコレート」では力強いハンドクラップが響き渡り、会場にチアフルなムードが満ちていく。そして最後にBEGINは「黄昏」「流星の12弦ギター」を演奏。すっかり暗くなった野音に朗らかな空気をもたらし、ステージをあとにした。

「第26回 BEGINコンサートツアー2023」最終公演の様子(撮影:浜野カズシ)

「第26回 BEGINコンサートツアー2023」最終公演の様子(撮影:浜野カズシ)[拡大]

アンコールの拍手がしばし続き、BEGINは再びステージに登場。アンコールでは10曲を30分にわたり披露する“マルシャ・ショーラメドレー”が行われた。「マルシャ・ショーラ」とは、サンバの起源と言われるブラジルの伝統音楽「マルシャ」と、沖縄の方言で「~しましょう」という意味の「ショーラ」を掛け合わせた言葉で、BEGINのライブでは長時間にわたりノンストップでメドレーをパフォーマンスするのが定番となっている。このメドレーで彼らは、上地がボーカルを務めた「帰郷」、島袋が優しい歌声を届けた「海の声」、代表曲の1つ「涙そうそう」などを披露し、会場を異様な熱気と興奮に包み込んだ。そして最後に彼らは自身のキャリアを象徴するような楽曲「島人ぬ宝」を堂々と演奏。比嘉に先導されるような形で大合唱が巻き起こり、大団円でツアーの幕が下ろされた。

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「第26回 BEGINコンサートツアー2023」2023年4月30日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音) セットリスト

01. Yesterday Once More(原曲:Carpenters)
02. Stand By Me(原曲:ベン・E・キング)
03. Blowin'in The Wind(原曲:ボブ・ディラン)
04. 恋しくて
05. もう話したくない
06. 時代遅れのバースディプレゼント
07. 防波堤で見た景色
08. 東京(原曲:マイ・ペース)
09. Goodby days
10. 灯り
11. 誓い
12. Little Blue Fish
13. Live in a Town
14. ハイサイ California
15. 苗
16. 笑顔のまんま
17. ボトル二本とチョコレート
18. 黄昏
19. 流星の12弦ギター
<アンコール>
20. マルシャ・ショーラメドレー(愛が走る、帰郷、海の声、三線の花、バルーン、国道508号線、オジー自慢のオリオンビール、かりゆしの夜、ソウセイ、涙そうそう)
21. 島人ぬ宝

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