リアクション ザ ブッタ、聖夜に“季節外れの虹”をかけたツアーファイナル

リアクション ザ ブッタが12月25日に東京・UNITにて全国ツアー「リアクション ザ ブッタ Tour 2022 ～New Digital Mini Album『Scarlight』Release Tour」の最終公演を開催した。

本ツアーはリアクション ザ ブッタが11月にリリースしたミニアルバム「Scarlight」を携えて行ったもの。11月より対バン相手を迎えて展開されていたが、ツアーファイナルとなる東京公演のみワンマンライブとして開催された。

クリスマスの夜に集まったオーディエンスに向けて佐々木直人（B, Vo）は「Are you ready? 東京！」と呼びかけ、「Scarlight」の収録曲「Ready?」でライブの口火を切る。2曲目に披露されたのは、2017年にリリースされた楽曲でありながら今年TikTokを中心にSNSで話題を呼んだ「ドラマのあとで」。佐々木は語りかけるように情感豊かにこの曲を歌い上げ、オーディエンスの心をつかんでいく。

「『Scarlight』リリースツアーファイナル、代官山UNITへようこそ！ 最後まで楽しんでいきましょう！」と短く挨拶した佐々木。これまでのツアー各公演が対バンライブだったこともあり、彼らはひさびさのワンマンをしっかりと堪能すべく、トークもそこそこにすぐさま「所心表明」でライブを再開する。佐々木の跳ねるようなベースが曲をリードする「Fantastic Chaos」、木田健太郎（G, Cho）のサイケなギターサウンドで観客を酔わせる「Yadorigi」といった、ライブの定番曲で順調にライブを進めていくリアクション ザ ブッタ。ライブ中盤では「新曲を持って来ました！ 楽しもうぜ！」と告げ、未発表の新曲「Free Me Up」をいち早くファンに届けるなど、新旧バラエティに富んだセットリストでライブを展開していった。

ライブ終盤、佐々木は「最後に言いたいことがあって」と切り出し、「誰しもが“傷”を作ってしまって、うまくいかないな、何でなんだろうって思うときもある。でも、少しでも光があれば前に進めると思って、その小さい光に気付いてもらうきっかけになったらと書いた曲です。俺たちはステージで照らし続けます」と自身の思いを口にし、最新ミニアルバムの表題曲「Scarlight」を演奏し始める。大野宏二朗（Dr）の力強いドラムに合わせて佐々木、木田はそれぞれ楽器を鳴らし、イントロから曲のクライマックスかのような感慨を生み出していく。合計14曲を披露したところでライブ本編を終え、3人は笑顔でステージをあとにした。

鳴り止まない拍手に応えるように再びステージに姿を現したブッタはコロナ禍の中でリリースした切ないロックナンバー「Coffee Cup」でライブを再開。佐々木は「アンコールありがとうございます！ ワンマン楽しかったですか？ 2023年もいろんなライブハウス、会場で会いましょう！」とファンに呼びかける。「最後、この代官山にでっけぇ虹をかけて終わりにします！」と宣言した彼らは、この日最後の楽曲として「虹を呼ぶ」を演奏。佐々木が「虹を呼べ」と歌うとステージが7色の照明に彩られ、会場内は季節外れの虹がかかったかのような幻想的な景色が広がった。