己の限界を超えて62曲を熱演!きゃりーぱみゅぱみゅ日本武道館で声を枯らして完全燃焼

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きゃりーぱみゅぱみゅが10月19日に東京・日本武道館にてワンマンライブ「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」を開催した。

左からチュパカブラ、イエティ、きゃりーぱみゅぱみゅ、フラットウッズモンスター。(Photo by AKI ISHII)

左からチュパカブラ、イエティ、きゃりーぱみゅぱみゅ、フラットウッズモンスター。(Photo by AKI ISHII)

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このライブはメジャーデビュー10周年を記念して今年1月にスタートしたキャリア最長のツアー「きゃりーぱみゅぱみゅ10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 CANDY WAVE」の最終公演。彼女が日本武道館で単独ライブを行うのは約6年ぶりとなった。

UFOから降りてくるように少しずつ降下するきゃりーぱみゅぱみゅ。(Photo by AKI ISHII)

UFOから降りてくるように少しずつ降下するきゃりーぱみゅぱみゅ。(Photo by AKI ISHII)[拡大]

「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」の様子。(Photo by AKI ISHII)

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開演後、舞台に垂らされた幕にオープニングムービーとして、世界中で目撃されているUMA(未確認生物)について紹介する、絵本のようなタッチのアニメーションが上映された。そして幕が開き、1曲目「インベーダーインベーダー」が始まると、ステージ上に設置された優に7mはありそうなスモークに包まれたタワーの上に、ピンクの衣装を着たきゃりーが登場。天井にはミラーボールを足にしたUFOが吊るされており、ツアービジュアルの「UFOから降りてくる女の子」のイラストを再現するように、タワーは少しずつ縮み、きゃりーはゆっくりとステージに降り立った。巨大なキノコやタコの足に囲まれた古代遺跡のようなセットを背にして、彼女は「PONPONPON」など2011年発売のデビューミニアルバム「もしもし原宿」収録曲を次々にパフォーマンス。そんな彼女をセットの裏から、イエティ、モスマン、フラットウッズモンスター、チュパカブラという4体のUMAたちが見つめていた。

モスマン(左)と仲良さげに歌うきゃりーぱみゅぱみゅ(右)。(Photo by AKI ISHII)

モスマン(左)と仲良さげに歌うきゃりーぱみゅぱみゅ(右)。(Photo by AKI ISHII)[拡大]

短めのメドレーもはさみつつ、DJミックスのようにノンストップで曲を切り替えながらたくさんの曲を歌い踊るきゃりー。最初のMCで彼女は、公演タイトルの「105」についてこれまで自分がリリースしてきた楽曲の曲数だと説明し、「今日はそのほとんどをやります! 私の人生をたっぷり楽しんでください!」と宣言して観客を驚かせた。その後もきゃりーは怒涛の勢いでポップチューンを連発。いつものダンサーに加えてUMAたちもパフォーマンスに参加し、楽しそうな踊りでステージを華やかに彩った。なお、4体のUMAはそれぞれまったく異なるジャンルのダンサーが演じており、イエティはヒップホップダンスを得意とするSHO→TA、モスマンはヴォーギングのRandy、フラットウッズモンスターはバレエダンサーのOkapi、チュパカブラはハウスを主軸に活動するbrownと、各ジャンルの一流ダンサーが役を務めていた。

きゃりーぱみゅぱみゅ(Photo by AKI ISHII)

きゃりーぱみゅぱみゅ(Photo by AKI ISHII)[拡大]

休む暇なくどんどん曲が始まるため、それを歌い踊るきゃりーはだんだんと長距離走選手のような雰囲気をまとい始める。この公演では、ビジョンに「撮影OK」と表示されている間は観客は写真や動画を撮ることができるため、そんなきゃりーの姿を記録しようと、オーディエンスはペンライトを振りつつスマホで彼女の姿を追っていた。

「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」の様子。(Photo by AKI ISHII)

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2度目のMCできゃりーは、この公演のテーマをUMAにした理由を語り始めた。今年4月にアメリカ最大級の野外音楽フェスティバル「Coachella Valley Music and Arts Festival」に2週にわたって出演した彼女は、1週目は予定通りのライブをすることができたが、2週目はダンサーの体調不良のため急遽1人だけでライブを行うことに。これまで1人でステージに立つことは1度もなかった彼女だが、絶対に無理だと思っていたそれをコーチェラのステージで無事に実現させた。自らの可能性を感じて「自分自身が未確認生物だ」と確信した彼女は、「なんとなく不可能だと思ってることは皆さんもたくさんあると思うけど、やってみると意外とできることもある。私は今日、信じられないくらい曲をやって、自分自身を超える」とこの日に懸ける意気込みを明かした。

GASHクルーの3人を迎えての「どどんぱ」のパフォーマンス。(Photo by AKI ISHII)

GASHクルーの3人を迎えての「どどんぱ」のパフォーマンス。(Photo by AKI ISHII)[拡大]

衣装チェンジ中にはUMAたちによるソロパフォーマンスも展開。「完全形態」でフラットウッズモンスター、「きみのみかた」でイエティ、「スローモ」でモスマン、「じゃんぴんなっぷ」でチュパカブラが卓越したダンスを披露し会場を盛り上げた。また「どどんぱ」では8月に行われたAdobeのダンスビデオ投稿キャンペーン「Adobe DANCE VIDEO FES」にて最優秀グループに選ばれた3人組・GASHクルーも登場。盛りだくさんのライブはやはり過酷なようで、「ふりそでーしょん」を歌い終えたきゃりーは「人生で一番喉が乾いた。マラソン大会も超すわ」と言って息を切らし、10年前に発表された「ふりそでーしょん」の激しい振付を、30歳を目前にした今もまだ踊っていると思わなかったと笑った。

「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」の様子。(Photo by AKI ISHII)

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その後は「jelly」「do do pi do」「恋ノ花」「world fabrication」、そしてライブでのみ披露され音源化されていない「RGB」という、サウンドプロデューサー中田ヤスタカのユニットであるCAPSULEのカバーメドレーも歌唱。11年間のすべてを惜しみなく出したライブは、「最&高」で一旦終了となった。

「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」の様子。(Photo by AKI ISHII)

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「声がガッサガサになりました」と笑いながら、アンコールで再びステージに上がったきゃりー。彼女は「ファッションが好きになった高校生のときは、街を歩いてたらクスクス笑われて、『頭にでかいリボン付けてる変な子がいる』みたいな存在だったんです。それが自分だし普通のことだと思ってたんですけど、きゃりーぱみゅぱみゅとして11年間もアーティスト活動をさせてもらえるなんて本当に思ってなくて」とデビュー当時を振り返り、涙で声をつまらせながら「支えてくれているスタッフの皆さん、今日集まってくれた皆さんのおかげで、今の私が武道館のステージに立てています」と感謝の言葉を口にした。

きゃりーぱみゅぱみゅ(Photo by AKI ISHII)

きゃりーぱみゅぱみゅ(Photo by AKI ISHII)[拡大]

そしてきゃりーは「今後の目標なんですけど、これから先も自分がやりたいことを表現していきたいと思っています。 世の中の“なし”を“あり”に変えられる存在になれるように、これから先の10年もがんばっていきたいと思います」と決意を新たにした。限界を超えることを目指してやってきたこの日のライブにについて、彼女は「自分には不可能かなと思っていることも、意外とやってみたらできることってあると思うんです。それを今日、私はダンスで体現しました。声もこんなにカラカラになるほど歌えて幸せです。明日は起き上がれないし声も出ないと思うので、休養します(笑)」と、満足そうに笑っていた。

アンコールでは10月5日に配信リリースした新曲「一心同体」をライブ初披露。その前に彼女は、今回の10周年ツアー「CANDY WAVE」の沖縄公演で、普段は海に行かないのに珍しく海に入ったところ、岩場に足をぶつけて8針縫ったという話をした。「きれいに縫ってくれて、あんまり目立たなくなってきてるけど、最初に傷ができたときは『一生残る傷ができたのかな』とネガティブなことを一瞬思ったんです。でもこの傷も自分自身だから愛していきたいなと思って」と語るきゃりー。この思いを踏まえて「一心同体」のミュージックビデオは“傷くん”と歌う内容になったと明かした。

「ちゃんちゃかちゃんちゃん」パフォーマンスの様子。(Photo by AKI ISHII)

「ちゃんちゃかちゃんちゃん」パフォーマンスの様子。(Photo by AKI ISHII)[拡大]

そして最後に彼女は、10周年ツアーで毎回ラストを飾ってきた「ちゃんちゃかちゃんちゃん」を歌唱。会場中からの手拍子を浴び、銀色の紙吹雪が舞う中で、来場者に向けて「『さよなら』じゃなく『またね』」と歌でメッセージを贈った。きゃりーはここまでに全62曲をパフォーマンスし、自らの限界に挑戦したこのライブを見事に完走した。

なお、きゃりーは11月19日、20日に東京・東京ガーデンシアターで開催されるイベント「True Colors Festival THE CONCERT 2022」でケイティ・ペリーと共演。12月20日に大阪・なんばHatch、12月21日と22日に東京・EX THEATER ROPPONGIで「きゃりーぱみゅぱみゅ Special Live 2022 ~Back To Coachella~」と題したワンマンライブを行うことを発表した。「きゃりーぱみゅぱみゅ Special Live 2022 ~Back To Coachella~」は4月に出演したコーチェラの再現ライブで、東京公演2日目はその2週目、つまりきゃりーがダンサー抜きで1人で挑んだステージが再現される。

「きゃりーぱみゅぱみゅ 10th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2022 -TOUR FINAL- UMA 105」2022年10月19日 日本武道館 セットリスト

01. インベーダーインベーダー
02. PONPONPON
03. きゃりーのマーチ
04. チェリーボンボン
05. ピンポンがなんない
06. ちょうどいいの
07. でもでもまだまだ
08. きゃりーANAN
09. パーフェクトおねいさん
10. メイビーベイビー
11. Ring a Bell
12. すんごいオーラ
13. こいこいこい
14. ファミリーパーティー
15. MY ROOM
16. Scanty Skimpy
17. シリアスひとみ
18. ゆめのはじまりんりん
19. つけまつける
20. み
21. のりことのりお
22. Unite Unite
23. もったいないとらんど
24. キミに100パーセント
25. Point of view
26. きらきらキラー
27. もんだいガール
28. Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~
29. 完全形態
30. きみのみかた
31. スローモ
32. じゃんぴんなっぷ
33. DE.BA.YA.SHI. 2021
34. キャンディーレーサー
35. どどんぱ
36. ファッションモンスター
37. みんなのうた
38. スキすぎてキレそう
39. 100%のじぶんに
40. ぎりぎりセーフ
41. おねだり44℃
42. CANDY CANDY
43. ふりそでーしょん
44. jelly
45. do do pi do
46. 恋ノ花
47. world fabrication
48. RGB
49. 原宿いやほい
50. かまいたち
51. ガムガムガール
52. 5iVE YEARS MONSTER
53. キズナミ
54. 演歌ナトリウム
55. 音ノ国
56. トーキョーハイウェイ
57. きみがいいねくれたら
58. 良すた
59. にんじゃりばんばん
60. 最&高
<アンコール>
61. 一心同体
62. ちゃんちゃかちゃんちゃん

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True Colors Festival THE CONCERT 2022

2022年11月19日(土)東京都 東京ガーデンシアター
2022年11月20日(日)東京都 東京ガーデンシアター

きゃりーぱみゅぱみゅ Special Live 2022 ~Back To Coachella~

2022年12月20日(火)大阪府 なんばHatch
2022年12月21日(水)東京都 EX THEATER ROPPONGI
2022年12月22日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI

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※記事初出時、写真キャプションに誤字がありました。お詫びして訂正します。

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ふくりゅう@音楽コンシェルジュ @fukuryu_76

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