「hide Birthday Party」はhideの誕生日である12月13日前後に例年行われているイベント。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年に続き今年も無観客の有料配信ライブとして実施された。hideの57回目の誕生日を祝う今年のライブにはhide、
トップバッターのSPEED OF LIGHTSは、hideの目に止まったことからhide主宰レーベル・LEMONedに在籍していたバンド・shameのフロントマン・CUTT(Vo, G)率いるバンド。彼らはhideの“犬”をテーマにした楽曲「LASSIE」のカバーでライブをスタートさせ、「宇宙犬ラッシーの冒険」というオリジナルストーリーの映像演出とともにライブを展開した。映像で宇宙犬ラッシーは宇宙へと旅に出かけ、自身の楽曲「Fusen Asteroid」でもはるか銀河の遠くへと飛び続けた。hideのインスト曲「Cafe Le Psyence」では映像がRPGゲームのテイストに変わり、ラッシーがたどり着いた星のバーで日本酒、バーボン、ビール、アブサン、焼酎、どぶろく、テキーラと酒に溺れた。そんな描写のあと、SPEED OF LIGHTSはhideによる酒がテーマの楽曲「D.O.D.(DRINK OR DIE)」をカバー。CUTTは「『宇宙犬ラッシーの冒険』いかがでしたか。hideさんはきっと喜んでくれたんじゃないかなと思っています」と語った。そして誕生日を迎えるhideのみならず、すべての人や物事への“誕生”をテーマに、命を受け継いでいくという思いをつづった「Birth Everywhere」をパフォーマンスした。
続くheidi.は、hide亡きあとにhideの事務所であるヘッドワックスオーガナイゼーションの目に止まり、今年結成15周年を迎えたヴィジュアル系バンド。彼らはまずヘビーなロックサウンドが炸裂する「一瞥」を投下し、義彦(Vo)が「hideさん誕生日おめでとうございます!」と声を上げた。続いてナオ(G)のギターリフで始まる「泡沫」、叙情的な思いを歌う人気曲「グライド」と、哀愁を帯びつつもキャッチーなメロディが映える楽曲を演奏。「勝手ながら、来年は生で皆さんの前でライブをできたらうれしい。そしてヒロシさん(松本裕士氏 / hide実弟、ヘッドワックスオーガナイゼーション社長)に、2022年も選んでもらえるようにがんばっていきたいと思います。応援のほどよろしくお願いします」という義彦の言葉のあと、バンドはhide with Spread Beaverの名曲「ピンク スパイダー」のカバーをhideとhideファンに捧げた。
ZEPPET STOREは、1994年発表の1stアルバム「Swing,Slide,Sandpit」を偶然耳にしたhideが衝撃を受けたということからhideとの交流が始まったロックバンド。“リズムトラッカー”という肩書きで参加したメンバーのYA/NAは昨年12月に局所性ジストニアの診断を受けたためドラマーを引退した。しかしメンバーから「ドラマーを辞めても音楽を辞めなければバンドにいなよ」と声をかけられたため、現在もバンドに在籍している。ZEPPET STOREは今回、メンバー全員着座のネオアコースティックスタイルで登場し、hide「FLAME」のカバーを1曲目に演奏。「FLAME」はhideがZEPPET STOREにインスパイアされて作った楽曲で、似たコード進行の姉妹曲と呼べる曲にシングル曲「MISERY」がある。ZEPPETはそんなhideとゆかりのある楽曲に続いて、全編英語詞のオリジナル曲「FLAKE」を披露。木村世治(Vo, G)は配信のオーディエンスに向けて「今日は最後まで自由に楽しんでいってください」と呼びかけ、1997年発表の3rdシングル曲「SUPERSTITION」などを歌唱。そしてhideの「GOOD BYE」をシューゲイザーテイストのアレンジで届け、出番を終えた。木村は「hideさんありがとう」と、hideとの出会いに短く感謝の言葉を述べた。
次なる出演者はI.N.A.、PATA、JOE。3人は、hideの没後20年というタイミングで奇跡的に発見された「Hurry Go Round」のアナザーボーカルトラックとともに、アコースティックギターセッションを展開した。演奏をバックに流れる映像は在りし日のhideをはじめ、I.N.A.、PATA、JOEらがステージや楽屋などで同じ時間を過ごしていた思い出の映像が流された。
5組目のdefspiralは前身バンドのTRANSTIC NERVEがhideに見出されデビュー。hideとの直接の対面は果たせなかったが、the Underneathに改名してアメリカなどでも活動した。defspiral名義では2010年から活動しているが、今年5月にMASAKI(Dr)が脱退。この日のライブではサポートドラマーにJOEを迎え、ライブを展開した。彼らは妖艶なロックチューン「MASQUERADE」でライブの口火を切り、TAKA(Vo)がセクシーな表情で力強い歌声を響かせる。続いてdefspiralは「子 ギャル」「DICE」というhideの楽曲をカバー。「子 ギャル」はhide with Spread Beaverのアルバム「Ja, Zoo」に収録される予定だったが、アルバム制作途中にhideが他界したため、hideの歌声が入ることはなかった。しかしhideの生誕50周年の節目にあたる2014年、デモ音源をもとにVOCALOIDの技術と、hideと二人三脚で楽曲制作に携わっていたI.N.A.のプロデュースワークを融合して音源化された。この曲のレコーディングにMASATOがギター、JOEがドラムで参加したというつながりもあり、hideへの多大なるリスペクトを感じさせるカバー演奏が視聴者に届けられた。彼らはさらに本家に肉薄する迫力を持った「DICE」カバーに続き、「AURORA」などを投下。ダークでアグレッシブなバンドサウンドを響かせた。
defspiralのライブ後、TAKAが全出演者をステージに呼び込む。メンバーはそれぞれ笑顔で登場し、hideの「TELL ME」をセッション。PATAは黒いGibsonのレスポールで演奏に参加し、ギターソロでdefspiralのMASATOとのツインリードを奏でた。そして最後にはCUTT、木村、TAKA、義彦が並んで、「Singin' my song for me. Singin' your song for you.」という印象的なフレーズを合唱してセッションを終えた。終演後にhideのフィルムライブがスタート。hide with Spread Beaverの3部作とも言えるシングル曲「ROCKET DIVE」「ピンク スパイダー」「ever free」の特別編集映像が配信された。なお配信ライブの終わりには、延期されていたhideメモリアルプロジェクトが2022年に向け、再び狼煙を上げることがアナウンスされ、「hideさん、空からみんなを見守っていてください」という言葉で締めくくられた。この配信ライブのアーカイブ映像は、本日12月12日(日)18:00から12月19日(日)23:59までFanStreamで視聴できる。
なお2022年夏には、hideの実弟、松本裕士氏による著書「兄弟 追憶のhide」が映画化されることが決定している。
「hide Birthday Party 2021」2021年12月11日(土)セットリスト
SPEED OF LIGHTS
01. SE~LASSIE(
02. Fusen Asteroid
03. Cafe Le Psyence(hideカバー)
04. D.O.D(DRINK OR DIE)(hideカバー)
05. Somewhere Close But Far Away
06. ever free(
07. Birth Everywhere
heidi.
01. 一瞥
02. 泡沫
03. グライド
04. ピンク スパイダー(hideカバー)
ZEPPET STORE
01. FLAME(hideカバー)
02. FLAKE
03. SUPERSTITION
04. In The Slumber
05. GOOD BYE(hideカバー)
I.N.A. & PATA + JOE
01. HURRY GO ROUND(hide Vocal Take 2 ~Special ver~)
defspiral + JOE
01. MASQUERADE
02. 子 ギャル(hideカバー)
03. DICE(hideカバー)
04. AURORA
05. GALAXY
ALL CAST SESSION
01. TELL ME / hide with Spread Beaver
hide(フィルムライブ)
01. ROCKET DIVE
02. ピンク スパイダー
03. ever free
INA☆hide with Spread Beaver @area014
きのうはhideバースディイベントに参戦してきました(今回は酒を飲まず真面目に演奏しましたw)。
hideさん、誕生日おめでとう!!
https://t.co/qC2XPSwEyF