GARNiDELiAのMARiA、意外なカバーや未発表の新曲を披露した充実のソロライブ

GARNiDELiAのMARiAが6月5日に東京・チームスマイル・豊洲PITにてソロライブ「MARiA Live 2021『うたものがたり』」を開催した。

5月に多彩なアーティストを作家陣に迎えたソロアルバム「うたものがたり」をリリースしたMARiA。この日の公演には草野華余子やTAKUYA（ex. JUDY AND MARY）がゲストとしてライブに参加したほか、今作のサウンドプロデューサーを務めた本間昭光、アレンジャーとして制作に携わった清水信之といった面々がサポートメンバーとしてMARiAのライブを支えた。

定刻を迎え、ステージを覆う幕が少し開くと、スポットライトに照らされてステージ中央に座るMARiAの姿が現れる。彼女はピアノの演奏をバックにしっとりと「憐哀感情」を歌い始め、自身のソロライブをスタートさせた。その後も彼女は「マチルダ」「ガラスの鐘」とソロアルバムの収録曲を切なくも力強く歌い上げ、オーディエンスの心を鷲づかみにしていく。4曲目に披露された「手探る夢 繋ぐ糸」はソロアルバムに未収録の新曲。ジャジーなピアノにMARiAがスキャットを重ね、生バンドのスイングする演奏でライブを見守るオーディエンスを揺らした。

4曲歌い終えるとステージ上にバーカウンターが用意されると、この日初めてのMCに入る。ライブハウスでライブを開催するのが1年5カ月ぶりであることを振り返った彼女は「歌い始めて18年くらい、今まで以上に歌にフォーカスを当てて作ったソロアルバムのライブ、私のいろんな歌を余すことなく、隅々まで味わって帰ってください」とオーディエンスに呼びかけた。さらにゲストとしてソロアルバムの制作に携わった草野華余子をバーカウンターに呼び出すと、2人がGARNiDELiAのデビュー前に知り合って交流を深め、MARiAに向けて「いつか曲書かせてね？」と話していたことなどが明かされた。「そうしたら、とんでもなく難しい曲が来ちゃって（笑）。愛の挑戦状だと思って受け取りました」とMARiAがコメントしたところで、2人はステージでコラボを展開。草野の楽曲「おわりものがたり」と、草野がMARiAに提供した「おろかものがたり」の2曲で2人は交互に力強い歌声を響かせた。

次にステージに登場したのはソロアルバムの制作にも携わったTAKUYA。ステージ後方から登場した彼が耳馴染みのあるギターフレーズを弾き始めると、JUDY AND MARYの名曲「そばかす」をMARiAが歌唱した。さらに2人はJUDY AND MARY「Over Drive」をパフォーマンス。GARNiDELiAのライブでは観られない選曲にオーディエンスは驚きながらも豪華なコラボを楽しんでいた。

2組とのコラボを終え、ステージ転換のあとにMARiAがアルバムのアートワークの衣装に着替えると、「あー、今日もまた」でライブを再開。ライブ終盤には「今日のために持ってきた新曲です」という言葉からソロアルバムに収録されていない「Heart Breaker」が披露された。オーディエンスは初見の曲にも関わらず手拍子を鳴らし、会場内は温かな一体感に包まれていく。ひさびさのライブを堪能したMARiAは「やっぱり私の生きる場所はここだなって、みんなに歌を届けることがめちゃくちゃ好きだなって、噛み締めながら歌っていました」と語る。さらに「どんなに苦しいことも悲しいことにも、必ず終わりがやってきます。そして新しい季節も必ずやってきます。そんな新しい季節に向かって、これからもみんなで一緒に歩んでいきましょう！」というメッセージをオーディエンスに贈った彼女は、じん提供の「ハルガレ」を歌い上げてライブ本編を締めくくった。

アンコールでは、MARiAがアルバム制作のプロデューサーを務めた本間とレコーディングやライブの感想を語り合うトークを展開。彼女は「せっかくソロで走り出したのでここで止まらせることなく、どんどんMARiAとしての作品もリリースしていけたらと思います！」と話し、今後もソロとしての活動に意欲的であることを明かした。「ここに立つまでに1年以上経っているけど、また帰ってくることができて本当に幸せです」と最後に挨拶をしたMARiAは、最後に「コンコース」をパフォーマンス。GARNiDELiAのライブではあまり見せない表情とフレーズでこの曲を届けた彼女は、深い余韻を残しながらソロライブの幕を下ろした。

なおこの日のライブでは8月にMARiAの写真集が発売されることが発表された。写真集の詳細に関しては、今後GARNiDELiAのオフィシャルサイトなどでアナウンスされる。