「あなたの美しさを歌にすることを誓います！」大森靖子「えちえちDELETE TOUR」完走

大森靖子のワンマンツアー「えちえちDELETE TOUR」のファイナル公演が6月2日に東京・Zepp Tokyoで開催された。

今年でメジャーデビュー7周年を迎えたことに合わせ、4月から6月にかけて本ツアーを実施した大森。ソロでの弾き語りやsugarbeans（Key）をメンバーに迎えた2人体制で各地を周り、ファイナル公演は“大森靖子シンガイアズ”名義のバンド編成でパフォーマンスを繰り広げた。

まず大森がシンセサイザーを操作しつつ「NIGHT ON THE PLANET」を歌い始めると、続々とバンド・シンガイアズの面々もステージに登場。重厚かつドリーミーなサウンドがフロアを包み込んだ「夕方ミラージュ」、ツアータイトルにも引用された「えちえちDELETE」と最新アルバム「Kintsugi」収録曲を次々と届けていった。「ミッドナイト清純異性交遊」からはポップな過去曲が次々とプレイされ、「みっくしゅじゅーちゅ」や「アナログシンコペーション」では大森が軽やかな足取りで踊る場面もあった。

「family name」からは大森とsugarbeansの2人体制へと移行。sugarbeansは今回のツアーでほとんどの公演に参加したこともあり、大森の即興の語りにも的確に伴奏を重ねていき、息の合ったコンビネーションを展開した。続いて大森単独の弾き語りパートでは「TOKYO BLACK HOLE」「少女3号」「東京と今日」「魔法が使えないなら」など複数の楽曲が、複雑に組み合わせたマッシュアップ形式で披露された。ここで大森は初期の楽曲「I love you」「PINK」も挟みつつ、「すべてがどうでもいい夜だけに私は全知全能となる……そのすべてを音楽に込めて」とオーディエンスに力強く語りかけ、即興演奏ならではの緊張感あふれるムードを演出した。

“すべての消えてしまった少女”へのメッセージを込めた「stolen worID」からは再びsugarbeansも加わり、「死神」からはシンガイアズが復帰。あーちゃん（G）の美しいコーラスとカメダタク（Syn）の奏でるピアニカのノスタルジックな音色がフィナーレを彩った「Rude」で本編が終わると、「オリオン座」がBGMとして流れ始めた。シンガイアズが撤退する中、大森はオフマイクで歌いつつ、集まったオーディエンスに向かって手を振って感謝の思いを示した。

「オリオン座」が流れ終わると、観客たちの拍手を待たずにアンコールへと突入した。「S.O.S.F. 余命二年」終了直後には、大森が「二宮、次の曲！」とライブ撮影を長年担当しているカメラマン・二宮ユーキに向かって叫ぶ。すると二宮がかねてよりお気に入りに挙げている楽曲「お茶碗」をリクエストし、同楽曲が披露されるサプライズもあった。そしてライブ定番のナンバー「絶対彼女」では、フロアがピンク色のサイリウムでいっぱいに。最後に大森は「あなたがいる限り、あなたの美しさを歌う曲を作り続ることを誓います！」と宣言し、「えちえちDELETE TOUR」をにぎやかに締めくくった。

現在ZAIKOでは「えちえちDELETE TOUR」ファイナル公演のアーカイブ映像を公開中。チケット購入者は明日6月5日23:59まで映像を視聴できる。また大森は7月に東京、大阪のBillboard Liveにてワンマンライブ「大森靖子えちえちDELETEおかわりライブ」を開催する。