大塚はこれまで音楽活動以外に「ネコが見つけた赤い風船」「ネコがスキになったキライなネコ」といった2冊の絵本を発表してきたが、小説の執筆に挑むのは今回が初。小説家デビューについては、大塚のマルチな才能に着目した「小説現代」からのオファーにより実現した。大塚は「本を読むのが得意ではない私によくぞご依頼をくださった」と執筆依頼を受けた当時の心境を振り返りつつ、「でも学生時代読書感想文は得意だったんです。小説は全く書いたことがなかったので、書きやすい題材を考えた時に、恋愛ものか、普段から好んで見ているホラーかで悩みました。ただ、私はラブソングのイメージが強いので、ホラーを書くことで読者の方から『なぜ?』と違和感を持ってもらえると思ったんです」とホラーを題材に選んだ理由について語っている。
「開けちゃいけないんだよ」は、“祖母の家で起きる奇妙な出来事の数々”を描いた作品。大塚は今作について、「実際に家の地下室にぐるぐる巻にした物体があるのですが、そこから想像を膨らませて、自分が見たいホラー映画のストーリーを書いた感覚。一度書き始めたら衝動的に一気にできました」とコメントしている。なお「小説現代」9月号には、大塚の特別インタビューも掲載される。
担当編集者 コメント
シンガーソングライターとしてデビュー間もない頃から、大塚さんが描く歌詞の世界観にとりわけ魅力を感じていました。2010年に初めての絵本を出版されて以来、マルチに活躍される大塚さんが今「物語」を書いたら、どのようなものが生まれるのか、非常に興味がありました。恋愛小説を想像する人もいるかもしれませんが、完成した小説はホラー短編「開けちゃいけないんだよ」。おぞましさを感じさせる筆致で、文中の「音」の描写が一層恐怖をそそります。暑い夏にぴったり、ゾっとする小説をご堪能ください。
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「小説現代 2020年9月号」
2020年8月21日発売 / 講談社
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大塚愛が小説家デビュー、「小説現代」にホラー短編「開けちゃいけないんだよ」寄稿 https://t.co/b1XhQ9J5UY