定刻を迎え、SEが鳴り響く中ステージに現れたのは田中和将(Vo, G)、亀井亨(Dr)、西川弘剛(G)の3人。田中がエレキギターの弾き語りで「こぼれる」を歌い始めると、亀井は丁寧にコーラスを重ね、西川はノイジーなサウンドを交えて楽曲を彩る。3人による緊張感のあるセッションがひと段落すると、金戸覚(B)と高野勲(Key)が合流。5人は「Alright」「FLY」といったアッパーチューンを立て続けに披露し、フロアのテンションを一気に引き上げた。高揚するオーディエンスに向け、田中はツアー中に元号をまたいだことに触れつつ「令和になったからと言って、特別な演出もなく、ひたすら心を込めて演奏するだけ」とひと言。その後彼らは「雪解け」や「Asteroids」など最新アルバム「ALL THE LIGHT」の収録曲に「リトル・ガール・トリートメント」「スカイライン」といった懐かしのナンバーを織り交ぜて演奏し、新旧のファンを喜ばせた。
ライブ中盤、ステージ中央に照明が集中すると、光に照らされた田中はアカペラで「Bohemian Rhapsody」をはじめとした洋楽のカバーを即興で披露し、「ALL THE LIGHT」の幕開けを飾る「開花」へとつなぐ。楽器の音が一切入らないこの曲を、田中は1人で歌い上げてフロアの喝采をさらった。「夏の逆襲」からは再び5人での演奏に切り替わり、完成度の高いパフォーマンスでフロアの熱気をじわじわと高めていく。盤石なアンサンブルが奏でられた「God only knows」が終わると同時に堰を切ったように歓声が上がり、ステージ上に惜しみない拍手が贈られた。
最後はバンドの代表曲の1つ「光について」と最新アルバムの収録曲「すべてのありふれた光」を立て続けにパフォーマンス。「すべてのありふれた光」の曲中にある「ここで待ってるよ」という最後の一節を、田中はオーディエンスに呼びかけるかのように両手を大きく広げて歌い、ライブの幕を閉じた。
アンコールに応えて登場したメンバーの手にはいつも通り缶ビールが握られており、彼らは酒を仰ぎながら「Reverb」「少年」といった懐かしのナンバーをプレイ。高野のピアノが高らかに鳴り響く「smalltown,superhero」の演奏が終わると、田中は「ありがとさん」とフランクにオーディエンスに感謝の気持ちを伝えた。「次は中野サンプラザで会おうぜ」と9月に開催するツアーを短く告知した彼らは、バンド20周年記念ソング「Arma」を丁寧に演奏し、全国ツアー「GRAPEVINE tour2019」をフィナーレに導いた。
GRAPEVINE「GRAPEVINE tour2019」2019年6月28日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
01. こぼれる
02. Alright
03. FLY
04. Reason
05. 雪解け
06. Asteroids
07. リトル・ガール・トリートメント
08. Big tree song
09. スカイライン
10. ミチバシリ
11. 弁天
12. 開花
13. 夏の逆襲
14. Era
15. Good bye my world
16. I must be high
17. 棘に毒
18. God only knows
19. 光について
20. すべてのありふれた光
<アンコール>
21. Reverb
22. 少年
23. smalltown,superhero
24. Arma
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こういう人達だから、好きなんだよね。
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