宇多田ヒカル12年ぶり国内ツアーで「今までで一番ライブを楽しんでます」

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宇多田ヒカルによる全国ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」がデビュー20周年記念日である昨日12月9日の千葉・幕張メッセ公演をもって終幕した。この記事では12月5日に開催された埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演2日目の様子をレポートする。

宇多田ヒカル。12月5日に開催された埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演2日目の様子。

宇多田ヒカル。12月5日に開催された埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演2日目の様子。

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宇多田ヒカル

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「Laughter in the Dark Tour」は宇多田にとって約12年ぶりの国内ツアー。彼女がライブを行うこと自体、2010年12月に神奈川・横浜アリーナで開催された活動休止前最後のライブ「WILD LIFE」以来8年ぶりということで、ひさびさのライブを待ちわびた多くのファンが各会場に詰めかけた。

12月5日のライブは「あなた」でスタート。ステージに姿を現した宇多田が歌声を発した瞬間、その圧倒的な存在感により会場の空気が一変した。続いて「道」が始まると彼女は観衆に向かって手を叩き、それに誘われてオーディエンスは手拍子を打つ。さらに彼女は「みんな、思いっきり歌おう!」と観客に呼びかけて「traveling」を歌い、曲の終盤にはさらなる一体感を求めるように「もっと一緒に歌って!」と言いつつ客席にマイクを向けた。

最初のMCで宇多田が「はじめましての人はいますか?」と問いかけるとたくさんの観客が手を上げ、彼女は「ほとんどじゃん」とビックリ。「あんまりライブやらないからね」と納得して笑っていた。

「SAKURAドロップス」でキーボードソロを披露する宇多田ヒカル。

「SAKURAドロップス」でキーボードソロを披露する宇多田ヒカル。[拡大]

「SAKURAドロップス」では曲の終わりに宇多田がアナログシンセサイザー・Prophet-6でキーボードソロを披露。「ともだち」では「Forevermore」のミュージックビデオの振り付けを担当した高瀬譜希子がステージに現れ、歌詞の心情を体の動きで表現するように、歌う宇多田の周囲でダンスを繰り広げた。

左から宇多田ヒカル、高瀬譜希子。

左から宇多田ヒカル、高瀬譜希子。[拡大]

その後バンドメンバーは一旦退場し、高瀬が引き続きステージに残って2人で「Too Proud」をパフォーマンス。ラップパートでは宇多田が自ら日本語のリリックでトラップ調のラップを披露して会場を沸かせた。

「Too Proud」が終わると会場は暗転し、突然ステージのLEDビジョンに宇多田と又吉直樹の対談番組が流れ始めた。2人はなごやかな雰囲気でトークを展開し、宇多田は今回のツアー「Laughter in the Dark Tour」のテーマである「絶望とユーモア」について説明。又吉も、自分がお笑い芸人になったきっかけである子供の頃の出来事について宇多田に明かした。

ショートムービー上映中のステージ。

ショートムービー上映中のステージ。[拡大]

そして又吉が「お笑いというのは、退屈な日常を破壊してくれるもの」と持論を展開した瞬間、宇多田は手にしていたドリンクの瓶(飴細工で作られたもの)を又吉の頭に振り下ろした。突然の展開に又吉も、映像を観ていたオーディエンスも呆然とする中、宇多田はキョトンとした表情で「こういうことですよね? 笑いって」とひと言。怒った又吉はトイレに閉じこもり、ここから物語は怒涛の展開に突き進んでいった。対談だと思って観ていた観客は予想外の内容に驚きつつ、作り込まれたショートムービーでの、先の読めない2人のコントのようなやり取りに爆笑していた。

センターステージで歌う宇多田ヒカル。

センターステージで歌う宇多田ヒカル。[拡大]

ショートムービーの上映が終わると、衣装チェンジした宇多田がセンターステージに登場。彼女は伸びやかな歌声をアリーナいっぱいに響かせながら「誓い」「真夏の通り雨」「花束を君に」をしっとりと歌唱。メインステージに戻った彼女は「私が活動休止を発表したときに『もう観れないのかな』って思った人もいっぱいいたと思う。私はいつかまた音楽を始めるつもりだったけど、そのあとにいろいろあって一時期は人前に出るのが無理になったり、チカチカするライトが苦手になっちゃって撮影でもフラッシュを使わないようにお願いしてたりしてて、『仕事開始したはいいけど、ライブできるのかな?』って心配になった時期もあったんです。今回のツアーも、始まるまで大丈夫なのかと思ってたけど、やり始めてみたら今までで一番ライブを楽しんでます」と言い、その感謝の気持ちを込めるように「First Love」と「初恋」を来場者に届けた。

宇多田ヒカル

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本編最後に「Play A Love Song」を歌った宇多田がステージを後にすると、観客はスマートフォンのフラッシュを点灯させながらアンコールの声を上げ、客席はさながら星空のような風景に。アンコールに応えて再び登場した宇多田はメランコリックな雰囲気で「俺の彼女」を歌い、グルーヴィなバンド演奏に乗せて「Automatic」をパフォーマンスした。彼女は惜しみない拍手を浴びながら感慨深げに満員の観客を見渡し、「体がいい感じに温まってるのでもっとやりたい気持ちもあるけど、次で最後です。残ってるエネルギーを全部出したいので、一緒に楽しくいきましょう」とつぶやき、「Goodbye Happiness」を歌唱。曲のアウトロで彼女はステージの両端に移動し、目をうるませながら観客に深々と頭を下げてライブを終えた。

なお今回のツアーは、BSスカパー!にて1月27日(日)21:00よりオンエアされることが決定。さらに3月10日(日)20:00からはMUSIC ON! TVでツアードキュメンタリーも加えた完全版が放送される。

12月9日に千葉・幕張メッセで開催されたツアーファイナルの様子。(撮影:岸田哲平)

12月9日に千葉・幕張メッセで開催されたツアーファイナルの様子。(撮影:岸田哲平)[拡大]

さらに、宇多田ヒカルのPlayStation VR向けコンテンツの配信日など詳細が発表された。正式タイトルは「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 - "光" & "誓い" - VR」。同タイトルでは、昨日終了したばかりのツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」から「光」と「誓い」のライブライブパフォーマンスをPS VR向けに配信する。有料会員サービスPlayStation Plusの加入者には「光」のVR映像の先行配信が12月25日にスタート。「誓い」は2019年に「光」とともに一般向けに無料配信が行われる。

宇多田ヒカル「Face My Fears」ジャケット

宇多田ヒカル「Face My Fears」ジャケット[拡大]

このほか、1月18日にシングルとして発売される宇多田ヒカルとスクリレックスのコラボ曲「Face My Fears」のジャケットデザインも公開された。これは同曲がオープニングテーマとして使用されるゲームソフト「KINGDOM HEARTS III」のディレクター・野村哲也が描きおろしたもの。併せて本日より、シングルに収録される「誓い」「Don't Think Twice」の配信が始まっており、3月6日にはシングル「Face My Fears」のアナログ盤の発売も決定している。

Face My Fears

宇多田ヒカル「Face My Fears」
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宇多田ヒカル「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」2018年12月5日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. あなた
02. 道
03. traveling
04. COLORS
05. Prisoner Of Love
06. Kiss & Cry
07. SAKURAドロップス
08. 光
09. ともだち
10. Too Proud
11. 誓い
12. 真夏の通り雨
13. 花束を君に
14. Forevermore
15. First Love
16. 初恋
17. Play A Love Song
<アンコール>
18. 俺の彼女
19. Automatic
20. Goodbye Happiness

BSスカパー!「宇多田ヒカル『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018』」

2019年1月27日(日)21:00~

MUSIC ON! TV「M-ON! LIVE 宇多田ヒカル『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018』」

2019年3月10日(日)20:00~

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宇多田ヒカルSTAFF @hikki_staff

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