Suchmos、オーディエンスと幸せな時間を共有した満員の横アリワンマン

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Suchmosが11月24、25日に神奈川・横浜アリーナにて単独公演「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」を開催。この記事では昨日行われた2日目の公演の模様をレポートする。

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Kayo Sekiguchi)

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Kayo Sekiguchi)

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YONCE(Vo)(Photo by Shun Komiyama)

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バンドにとって初めての横浜アリーナ単独ライブとなった2日間の公演のチケットは完売。満員のオーディエンスが待ち焦がれる中でライブが始まると、おなじみのSEと共にメンバーのシルエットが順番にステージに浮かび上がった。YONCE(Vo)が軽やかな足取りで現れたところで、TAIHEI(Key)の奏でる清涼感のあるシンセサイザーの音色響きわたる。そしてYONCEが「横浜、おはよう! Hi!」と挨拶をしたことを合図に、オープニングナンバーの「A.G.I.T.」がスタート。巨大なLEDスクリーンにメンバー1人ひとりの姿が大映しになり、オーディエンスのテンションを高めていく。TAIHEIが弾くジャジーなアウトロに続いた「YMM」では自然とハンドクラップが起き、次第にアリーナ全体が一体感で包まれた。

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Shun Komiyama)

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Shun Komiyama)[拡大]

アップテンポな曲を冒頭に据えて性急に盛り上げていくのではなく、余裕を見せながら自分たちのペースを作っていった彼ら。OK(Dr)が軽やかにリズムを刻んだ「Alright」、HSU(B)が弾くメロディアスなリフに乗せてYONCEが挑発するようにセクシーに歌い上げた「DUMBO」を経て、最初のMCへ。熱狂する観客に向かってYONCEは「深呼吸してみ?」と、自らも深呼吸しながらリラックスするように呼びかける。さらに彼は「ここに立てる幸せを噛み締めながらプレイしたいと思います」と宣言し、「落ち着いたところで隣の席の女の子はかわいいですか?」という言葉を合図に「Get Lady」を歌い出す。TAIHEIが弾くピアノが艶のある曲を彩りを添えロマンチックな空間を作り上げたところから一転、「Fallin'」ではTAIKING(G)が歪んだ音色でサイケデリックな世界に観客を誘う。リバーブがかかったYONCEの歌声が広がると同時に、巨大なスクリーンには宇宙空間を思わせる映像が投影されオーディエンスを魅了した。

YONCEが「Still burning now!」と煽り「BURN」が始まると、チルアウト気味だった場内は熱気を帯び出す。曲のタイトル通り観客のテンションに“火”を点けた6人は、アイコンタクトを取りながらセッションを繰り広げた。十分に空気が温まったところで、KCEE(DJ)のスクラッチから「STAY TUNE」へ。YONCEはステージの中央から伸びる花道に立ち、会場を見渡しながら伸びやかな声で熱唱。アウトロに入ると、スクリーンには笑顔を浮かべる6人の姿が映り、メンバーが観客同様にライブを堪能していることをうかがわせた。

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Shun Komiyama)

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キラーチューンを投下したのち、YONCEは開口一番に「人、めっちゃいんね」とフランクな調子でひと言放つ。続けて「こんな最高の雰囲気、なかなかないでしょ?」と満足げに語り、集まってくれた観客に感謝の思いを伝えた。ライブの折り返しに届けられたのは、複雑かつ組曲的な展開の新曲。観客は固唾を飲むようにしながら6人が奏でるアンサンブルに聴き入った。その後、OKがスネアを叩く音が響き、それを合図に「Pacific」がゆったりと始まった。

「Pacific」で幕を開けた後半戦は、楽器隊のメンバーによるジャムセッションをたっぷり盛り込んだり、楽曲のテンポを変えたアレンジを施したりすることで、過去のナンバーを新しい形で聴かせる内容に。思い思いの形でライブを楽しむ観客を前に、YONCEは「いい感じだねえ、めちゃくちゃ。こっちもいい感じなのわかるでしょ?」「自分たちで作った曲でも、こんな風に形を変えて、みんなの前でパフォーマンスできるんだって。自分たちにとっても常に新鮮な驚きに満ちてるから」とほほえむ。さらに制作が順調であることをアピールするように、「自分が自信を持ってることに毎日食らえるなんて、なんて幸せなんだろうって。ステージ立ってる瞬間も思うし、歌詞を書いてる瞬間も思うし、あなたたたちともそういう幸せな瞬間を作っていけたらと思います」と口にした。

重く太いグルーヴが印象的な「SNOOZE」を経て、KCEEが本編のクライマックスを盛り上げるようにダンストラックをドロップ。十分にオーディエンスのテンションを引き上げたところで、ダンサブルな「808」「GAGA」がプレイされ会場全体が揺れる。YONCEは「Dance your dance」と叫び、自らも心地好さそうに体を揺らし、さらに客席エリアに降り観客とハイタッチをするなど、ファンとの触れ合いを自由に楽しんでいた。鼓動のようなビートが、力強いバンドサウンドと曲に込められたメッセージを支える「VOLT-AGE」で本編は終了。するとスタッフが写真および動画撮影を許可するボードを掲げて現れ、観客はアンコールを求めながらスマートフォンをステージに向けた。

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Shun Komiyama)

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(Photo by Shun Komiyama)[拡大]

ガッツポーズを掲げるTAIHEIを先頭にメンバーがステージに戻ってくると無数のシャッター音が会場に響く。観客の視線を浴びながらYONCEは、バンドを代表して2019年9月8日に神奈川・横浜スタジアムでの単独公演が決定したことを報告。さらに春にニューアルバムをリリースする旨も明かし、「むちゃくちゃヤバい曲ができているので楽しみにしててください」と胸を張った。そしてYONCEが口にした「大好きな曲をやって終わろうと思います。この幸せな時間を共有できて幸せでした」という言葉から、TAIHEIが美しく滑らかな旋律を鳴らす。YONCEはメロディにあわせてオフマイクで歌声を重ね「Life Easy」につなげた。6人は丁寧で力強いアンサンブルと壮大なサウンドで広い会場を飲み込み、深い余韻を残して2日間のライブに幕を下ろした。

現在、Apple MusicおよびSpotifyでは、2日間のライブのセットリストをもとにしたプレイリストを公開中。

この記事の画像(全21件)

Suchmos「Suchmos THE LIVE YOKOHAMA」2018年11月25日 横浜アリーナ セットリスト

01. A.G.I.T.
02. YMM
03. Alright
04. DUMBO
05. Get Lady
06. Fallin'
07. BURN
08. STAY TUNE
09. 新曲
10. Pacific
11. FUNNY GOLD
12. MINT
13. YOU'VE GOT THE WORLD
14. SNOOZE
15. 808
16. GAGA
17. VOLT-AGE
<アンコール>
18. Life Easy

Suchmos THE LIVE

2019年9月8日(日)神奈川県 横浜スタジアム

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宍戸留美🎤9/10.10/1下北沢ニュー風知空知 @RumiShishido

【ライブレポート】Suchmos、オーディエンスと幸せな時間を共有した満員の横アリワンマン(写真21枚) - 音楽ナタリー https://t.co/EbzX8ftGLA

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