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バニラビーンズ、愛する人たちに囲まれた「感謝祭」で笑顔のラストステージ

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バニラビーンズのラストステージに華を添えた野宮真貴(左から2番目)と小西康陽(右から2番目)。

バニラビーンズのラストステージに華を添えた野宮真貴(左から2番目)と小西康陽(右から2番目)。

解散するバニラビーンズを送り出すべく企画されたT-Palette Records主催ライブイベント「T-Palette Records Presents バニラビーンズに感謝祭~Final Innocence~」が、10月7日に東京・新宿ReNYで行われた。

イベント前日の10月6日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで最後のワンマンライブ「バニラビーンズ ラストライブ -adieu-」を行ったバニビ。「バニラビーンズに感謝祭」はバニビがかつて所属したT-Palette Recordsの代表であるタワーレコード代表取締役の嶺脇育夫氏が「バニビらしく、湿っぽくない有終の美を」という思いからラストライブの翌日に企画したものだった。しかし前日のワンマンは嶺脇社長の予想に反し、終始笑顔の絶えないステージに。「バニラビーンズに感謝祭」もまた、バニビを愛するゲストアーティストと観客が多数集い、明るいムードのまま終演を迎えた。

“オープニングアクト”としてゲスト出演したのは、Negiccolyrical schoolアップアップガールズ(仮)kolme東京女子流、掟ポルシェ(ロマンポルシェ。/ ド・ロドロシテル)、そして元ピチカート・ファイヴの小西康陽野宮真貴。またバニビ結成時からゆかりの深いプロインタビュアー吉田豪も掟と共に中盤のトークで参加した。バニビは前半と後半で2ステージを行ったほか、ゲストのパフォーマンスにもコラボレーションで参加。さらに開場時にはイベントスタッフに扮して「ジャンプ禁止」などの注意事項が書かれたカードを来場者に手渡すなど、出ずっぱりで最後のイベントを楽しんでいた。

イベントのトップバッターを務めたのは、2011年6月のT-Palette Records立ち上げ時、バニビと共に第1弾アーティストとしてレーベルに所属したNegicco。3人は同日に地元新潟のイベント出演が事前に決まっていたが、盟友バニビのためにと、ライブ直後に会場を飛び出し新潟に戻る強行スケジュールで参加した。グループ結成15周年の思いを込めたナンバー「15」でライブをスタートさせたNegiccoは、T-Palette Records第1弾シングル「あなたとPop With You!」など計7曲を披露。「圧倒的なスタイル」では間奏でバニビを呼び込み、5人で肩を組んでおなじみのラインダンスを楽しんだ。次のlyrical schoolはバニビからのリクエストを受け、「brand new day」や「PARADE」などT-Palette Records時代のレパートリーを中心としたセットリストを用意。さらにバニビの楽曲「チョコミントフレーバータイム」にSUEKKO LIONS(c)書き下ろしのリリックを乗せたラップバージョンをバニビの2人に捧げた。3番手のアップアップガールズ(仮)は熱気あふれるパフォーマンスで「ジャンパー!」「愛愛ファイヤー!!」など5曲を熱唱。バニビは「アッパーカット!」冒頭の準備運動と「アッパーレー」で合流するも、アプガの激しいダンスに付いていけず、自分たちの出番前にも関わらずヘトヘトに。アプガとリリスクもNegicco同様ハードスケジュールを押しての出演で、出番のあとはバニビとの別れを惜しみつつすぐに次の現場へと移動した。

この日1本目のバニビのライブは、2009年発売の3rdシングル「サカサカサーカス」からスタート。レナが「今まで主役ってあまりやらせてもらってなくて、いつもアウェイ感があったんですけど……ホームだと思っていいんですよね?」ともじもじしながら問いかけると、観客は大声援でそれに応える。2人はさらにデビュー曲「U▽Me」や代表曲となった2ndシングル「ニコラ」、カジヒデキが作詞した「マスカット・スロープ・ラブ」とシングル曲を続けて歌い、前日のワンマンでは歌われなかった「ジュエルメモリーズ」も披露した。前半ブロック最後の曲は、前日のワンマン終了後にSNSなどで高評価の声が多く集まったT-Palette Records第1弾アルバム「バニラビーンズ II」収録曲「エルスカディ」。レナとリサは「今頃気付くなよー!」「7年も前から歌ってるのに!」と遅すぎる高評価を残念がりながらも「曲に賞味期限はないしさ」「CDショップでバニビのCDを探してください。……解散したら棚から撤去されるの? そのときは再結成しようよー」「みんながちょこちょこ買ってくれれば入荷するので」と笑いにつなげた。その後のトークコーナーでは、吉田と掟がテーマを用意せずメンバー2人と自由なトークを展開。「アイドルの解散が相次ぐ中、グループを継続させるためには?」という難しい問いに、レナは「本人たちはみんなステージに立ちたいと思ってやってるから、運営の人たちが続けていこうと思うモチベーションが大事かなと思います。私たちにはファンの人の声は届くけど、事務所の人は『この子たちやっていけるのかな』と不安かもしれないので。ライブの動員はやっぱり大事」と回答した。

トークコーナーのあとは掟が1人ステージに残り、DJタイムへ。掟はDJブースに陣取ると、バニビがT-Palette Records第1弾シングルとして2011年に発表した問題作、Led Zeppelin「天国への階段」をスピン。なかなか盛り上がりに達しないアーシーなアレンジの「天国への階段」でフロアを戸惑わせるも、ついには掟本人も我慢できず、途中で再生を止めスマイレージ(現アンジュルム)「夢見る15歳」などアッパーチューンに切り替えた。するとバニラビーンズも合流し、かつてさまざまなイベントを盛り上げてきた“掟ビーンズ”としてパフォーマンス。サインボールをラケットで打ち込んだりと、ステージ上を所狭しと駆け回り、最後はイモ欽トリオのカバー「ハイスクールララバイ」を3人横並びで歌唱した。

DJタイムを挟んでの後半戦は、callme改めkolmeのライブからスタート。バニビのレナはcallme活動初期からその音楽に注目しており、kolmeの3人はそんなレナの言葉に励まされていたという。この日のライブではレナのお気に入り曲「Confession」を含む5曲をパフォーマンスした。続いて登場した東京女子流は、お互いの作品でコラボするなど深い交友関係にあり、デビュー当時は小中学生だった女子流の4人はバニビを姉のように慕っていた。ライブではコラボナンバー「眩暈 feat. バニラビーンズ」のほか、レナのリクエスト「LIFE SIZE」、リサお気に入りのバラード「サヨナラ、ありがとう。」など5曲が歌われた。2組はパフォーマンス後にバニビとのトークを行い、それぞれバニビとの思い出を振り返った。kolmeは新たなグループ名が“3”の意味を持つフィンランド語であることを説明し、バニビのコンセプトイメージである北欧を受け継ぐことを宣言。女子流の新井ひとみと庄司芽生は思い出話に感極まり、子供のように泣きじゃくった。

「バニラビーンズに感謝祭」最後の“オープニングアクト”は、元ピチカート・ファイヴの小西康陽と野宮真貴だ。小西がDJでフロアを盛り上げたあと、ステージには野宮とバニビの2人がそろって登場し、バニビがレパートリーとしていたピチカートのカバー「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」を本家と一緒にパフォーマンス。同じくピチカートの「私のすべて」や「スウィート・ソウル・レビュー」がオリジナルメンバーとバニビというスペシャルなコラボで次々歌われると、フロアは大きくどよめいた。また小西が大のお気に入りだというバニビのナンバー「ニコラ」は野宮が主旋律のみならずコーラスパートまで歌い、バニビ本人も思わずびっくり。そして最後は小西本人がバニビのためにリミックスした「東京は夜の七時」を4人で披露。ステージを去る小西と野宮を見送ったレナとリサは「夢を見ているような……」「幻だったんじゃないでしょうか」としばし呆然としていた。そして2人はここから本当のラストステージへ。

1曲目の「Night on the Earth」は近年のバニビのライブではあまり披露される機会がなく、前日のワンマンでもセットリストには加えられていなかった。レナは「たくさんいい曲あるんです。『隠れた名曲』ってよく言いますけど。でも音楽は、CDはまだまだ残り続けますので、今日聴いていいなと思ったらぜひタワーレコードに行ってCDを買ってください!」と最後の舞台を整えてくれたタワーレコードに感謝のコメント。2人はいつものライブと変わらぬテンションのユルいトークを交えながら「きっといい場所(フチ)」「チョコミントフレーバータイム」「ノンセクション」「プリーズミーダーリン」「ワタシ…不幸グセ」「有頂天ガール」とT-Palette Records時代のシングル曲を次々歌っていく。観客も笑顔で2人のパフォーマンスを楽しんでいたが、夏の淡い情景を歌った人気曲「Summer vacation」では場内がセンチメンタルなムードに。最後の1曲を残したところで、リサは「最後にたくさんのみんなとお祭り騒ぎで一緒に時間を過ごせたことが本当にうれしいです。みんなが思うようなアイドルではなかったかもしれないけれど、いつもいろんな人に愛されていると感じていました。それが私たちが11年間歩んで来れた強みです。これからは新しい世界に自分たちの足で歩んでいきます。人生長いよね、きっと。こんなに素敵な人たちに出会えたこと、自分にはもったいないと思うぐらいです。本当にありがとうございました」と涙ながらに感謝の言葉を伝えた。いかなる場面でも終始笑顔だったレナも、「いろんな方の協力があったけど、なんと言ってもバニラビーンズは2人いないと、今日ここまで進んで来れなかったと思います」とリサに視線を向け、思わず目に涙を浮かべてしまう。「みんなにはイベントとかでたくさんありがとうと伝えられたので、隣にいる、2人しかいないメンバー……もう明日からバニラビーンズじゃないんだって。私たちベタベタ仲いいほうじゃなかったけど、いつもリサの天真爛漫なところに引っ張ってもらっていたんだなって気がしていて。バニラビーンズにキラキラした華を添えてくれたのが相方リサだと思います。今までありがとう」とレナからリサへ感謝の言葉が伝えられ、場内は温かい拍手が贈られた。

バニビが最後の1曲に選んだのは、9月にT-Palette Recordsからリリースされたラストシングル「going my way」。明るく軽快なサウンドにお別れのメッセージを乗せたこの曲で、11年と4日の歴史に幕を下ろした。「以上、バニラビーンズでした。アデュー」と最後の挨拶を終えた2人の元へ、嶺脇社長、所属事務所ミラクルバスの代表・中道秀夫氏、バニビの生みの親である“ちょいワル社長”ことフラワーレーベル代表・戸練直木氏が駆け寄り、花束を贈呈。ちょいワル社長は「解散するの止めようかなと思うぐらい、いいアーティストができたのかなと思っています。今後の人生いろいろあると思いますけど、温かく見守っていただければなと思っております」とこれまでバニビを応援してくれたファンへ感謝を述べ、「解散という選択をしてしまって本当にすみませんでした」と名残惜しそうに話した。中盤のトークコーナーで「ちょいワル社長の主義でアンコールは基本やらない」と発言していたバニビだったが、やはり観客のアンコールを求める拍手と歓声は鳴り止まず、もう1度ステージへ。「曲は用意してなかったですけど……みんなが愛してくれた2ndシングルを。人生にアンコールはないからね?」と、2人はこの日3度目の「ニコラ」を歌い、満面の笑顔でステージを終えた。

T-Palette Records Presents バニラビーンズに感謝祭~Final Innocence~
2018年10月7日(日)新宿ReNY セットリスト

Negicco

01. 15
02. あなたとPop With You!
03. ノスタルジア
04. グッデイ・ユア・ライフ(下り ver.)
05. she's gone
06. 圧倒的なスタイル
07. さよならMusic

lyrical school

01. brand new day
02. Hey! Adamski!
03. DANCE WITH YOU
04. PARADE
05. FRESH!!!
06. 秒で終わる夏
07. チョコミントフレーバータイム

アップアップガールズ(仮)

01. アッパーカット!
02. ジャンパー!
03. 愛愛ファイヤー!!
04. アッパーレー
05. 私達

バニラビーンズ

01. サカサカサーカス
02. U▽Me(※▽はハートマーク)
03. ニコラ
04. マスカット・スロープ・ラブ
05. ジュエルメモリーズ
06. エルスカディ

kolme

01. step by step
02. Way I am
03. Confession
04. One time
05. Hello No Buddy

東京女子流

01. 鼓動の秘密
02. 眩暈 feat. バニラビーンズ
03. LIFE SIZE
04. おんなじキモチ
05. サヨナラ、ありがとう。

DJ小西康陽&野宮真貴&バニラビーンズ SPECIAL SHOW TIME

01. イッツ・ア・ビューティフル・デイ
02. 私のすべて
03. ニコラ
04. スウィート・ソウル・レビュー
05. 東京は夜の七時 -小西康陽 remix-

バニラビーンズ

01. Night on the Earth
02. きっといい場所(フチ)
03. チョコミントフレーバータイム
04. ノンセクション
05. プリーズミーダーリン
06. ワタシ…不幸グセ
07. 有頂天ガール
08. Summer vacation
09. going my way
<アンコール>
10. ニコラ

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