「此岸御詠歌」がSEとして流れる中、和嶋慎治(G, Vo)、鈴木研一(B, Vo)、ナカジマノブ(Dr, Vo)の3人が悠々とステージへ歩み出ると、一瞬の静寂ののち、不気味な「鉄格子黙示録」でライブが開幕。続けて彼らは近年あまりセットリストに組み込まれていなかった「晒し首」を披露し、オーディエンスを一層興奮させた。
その後も、ミステリアスな「時間からの影」や、和嶋の操るテルミンが浮遊感をもたらした「夜間飛行」、ひょうひょうとした語り口で物語が紡がれた「品川心中」、人間椅子ならではのグルーヴが炸裂した「どだればち」、物悲しいハーモニカの音色が印象的な「野垂れ死に」、神秘的な演奏による「ダンウィッチの怪」など、ファンの心をくすぐるような選曲でライブは進行。三島由紀夫原作テレビドラマ「命売ります」の主題歌として昨年書き下ろされ、バンドの新たな代表曲となった「命売ります」では、「バラババンバ バラババンバ」というコーラスを観客が喜々として合唱していた。
ナカジマがパワフルにドラムを叩きながら歌う「悪夢の添乗員」を合図に終盤戦に突入。「地獄の球宴」などを経てライブ本編はお馴染みの「針の山」でフィナーレを迎え、会場中から惜しみない拍手と歓声がステージに向けて贈られた。
さらに彼らはアンコールでもレアなナンバー「辻斬り小唄無宿編」をパフォーマンス。「地獄のヘビーライダー」では鈴木がバイクのハンドル部分を改造した“地獄のハンドル”を操り、ナカジマがこの日のために用意した巨大フラッグを振って観客を煽った。
さらに3人はダブルアンコールを受けて三度ステージに登場し、ラストに銅鑼を連打しつつ「なまはげ」を熱演。要所要所で定番曲をはさみつつ、レア曲をたっぷり組み込んだ、濃密なセットリストによるワンマンライブの幕を下ろした。なお和嶋はこの日、「来年に向けて、30周年記念のオリジナルアルバムを作ります。かつて聴いたことのない恐ろしいアルバムにしようと思っています!」と宣言しているので、彼らの今後の展開に注目しておこう。
人間椅子「恩讐の彼方~人間椅子2018年晩夏のワンマンツアー」2018年9月7日 TSUTAYA O-EAST セットリスト
01. 鉄格子黙示録
02. 晒し首
03. 時間からの影
04. 夜間飛行
05. 品川心中
06. どだればち
07. 野垂れ死に
08. ダンウィッチの怪
09. 命売ります
10. 心の火事
11. 黒猫
12. 悪夢の添乗員
13. 地獄の球宴
14. 雪女
15. 針の山
<アンコール>
16. 辻斬り小唄無宿編
17. 地獄のヘビーライダー
<ダブルアンコール>
18. なまはげ
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