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SEKAI NO OWARI、巨大な列車と駆け抜けた23万人動員野外ツアー

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「INSOMNIA TRAIN」6月24日公演の様子。(撮影:太田好治)

「INSOMNIA TRAIN」6月24日公演の様子。(撮影:太田好治)

SEKAI NO OWARIの全国野外ツアー「INSOMNIA TRAIN」の北海道・国営滝野すずらん丘陵公園での公演が、6月23日と24日に行われた。

今回のツアーは全国12公演で合計23万人を動員。23日と24日の北海道公演には合計2万人のファンが来場し、SEKAI NO OWARIならではのエンタテインメントを楽しんだ。この記事ではツアーファイナルとなった24日公演の模様をレポートする。

会場の入口ゲートでは今回のライブの舞台となる列車「INSOMNIA TRAIN」の“座長”が観客を出迎えて挨拶し期待を煽る。会場前方には「INSOMNIA TRAIN」を表現する高さ30m、幅80mの巨大なステージが広がり、入場したファンを驚かせた。

最終日の開演時刻を迎え、機関車の上部から蒸気が吹き上がる中で「INSOMNIA TRAIN」のキャストであるメンバーがステージへ現れた。1曲目の「インスタントラジオ」ではオリジナルと異なるハネたリズムのアレンジが繰り広げられ、オーディエンスを喜ばせた。続く「マーメイドラプソディー」ではAメロのボーカルをNakajin(G)が取り、楽曲に新たな彩りを加える。重厚なイントロで幕を開けたのは「Love the warz -rearranged-」。Fukase(Vo)が鬼気迫る表情で歌う声と、Saori(Piano)が奏でるエモーショナルなピアノの音色が会場に力強く響いた。

「INSOMNIA TRAIN」への招待状を手にしたメンバー4人が、飲食店やサーカスが乱立する巨大な列車の中を探検するアニメ映像に続き「サザンカ」が始まった。穏やかなサウンドの序盤から力強く展開していくこの曲にオーディエンスがうっとりと耳を傾けたあと、Nakajinはファイナルを迎えた心境を「12公演、全部できたってことだけですごくうれしいです」と語る。そして2014年に行われた野外ライブ「TOKYO FANTASY」の最終公演を台風のため中止したことに触れ「そのリベンジになったのかな、と思うと感慨深いです」と喜んだ。

そのNakajinの「みんな一緒に歌って下さい!」という言葉に続いて始まったのは「Hey Ho」。アコーディオンを抱えたSaoriも花道に進み出て、拳を上げる観客に笑顔を向けた。会場に夕暮れが迫る中で披露された「ANTI-HERO」ではFukaseがロッキングチェアに腰掛けながら歌い、楽曲の不穏な雰囲気をさらに盛り上げた。メッセージ性の強い歌詞と壮大な展開が印象的な「深い森」が終わると、DJ LOVE(DJ)は「北海道の人にしかわからないコール&レスポンスをやります!」と宣言。オーディエンスに「の! ぼ! り! べ! つ! と言えばー?」と叫ぶと観客からは「く! ま! ぼ! く! じょう!」と息のあった声が起こり、ローカルCMをネタにしたやり取りで場内の一体感を高めた。

DJ LOVEの煽りに合わせての手拍子が響き渡った「RPG」が終わると、Nakajinのアコースティックギターが緊張感を誘う「Death Disco」へ。日没を迎えた会場の空気は一変する。「MAGIC」のあとは「皆様、昼のショーはお楽しみいただけましたでしょうか? ここからは夜のショーが始まります」という座長のナレーションが流れた。そして「炎と森のカーニバル」のイントロとともにステージ上のネオンが一斉に灯り、機関車からは大きな炎が上がった。後半の幕開けを告げる華々しい演出に、客席からはすさまじいどよめきが起こった。

ここでFukaseは「新しいやつです」と新曲披露を宣言し、オーディエンスを大喜びさせた。ネオンが激しく明滅する中で演奏された新曲「Re:set」はヘビーなデジタルサウンドと気だるげなボーカルが交錯する、SEKAI NO OWARIの新たな魅力を感じさせるナンバー。Fukaseの5弦ベースの弾き語りでダークに始まり華やかに展開していった「白昼の夢」に続いては「Monsoon Night」。ピンク色に妖しく染められたステージにはたいまつを手にしたダンサーが登場し、激しいダンスで会場を盛り上げた。

キャストたちを酷使する「INSOMNIA TRAIN」からの脱出を試みるFukaseの姿を映し出したアニメが終わると、アリーナ下手側のテントから突然Fukaseが登場し、場内には大きなどよめきが起こった。手枷をはめたFukaseは客席通路を練り歩きながら新曲「ラフレシア」を熱唱。途中には華麗なダンスを披露してオーディエンスをさらに驚かせた。しかしFukaseは追ってきたダンサーたちに囚われて車に押し込められ、そのままステージ裏へと連れ去られる。衝撃の展開に、Fukaseが去ったあとも客席はざわついたままだった。

騒々しさを鎮めるように始まったのは「スターゲイザー」。流れるようなライティングと力強いサウンドがオーディエンスを圧倒した。「スターライトパレード」が始まると観客が腕に付けたスターライトリングが一斉に点灯。美しい光景に、髪型をオールバックに改めて現れたFukaseも笑顔を浮かべていた。

本編最後の曲に入る前、Fukaseは「すごくいろんなことがあったツアーでした。新しいことにも挑戦したりね」と、ベースプレイやダンスなどに挑んだこのツアーを振り返る。そして「もともと『自分がライブを楽しむ』ってタイプじゃなくて、お客さんを楽しませて、自分は一番最後に楽しむタイプだった。でもこのツアーを通じて楽しむことの大切さ、肩に力が入ってるときは抜いてもいいってことを知りました。普段は意味が薄くなっちゃうから言わないけど、ここにいる皆さんとスタッフの皆さんに言いたいです。本当にありがとう、楽しかった」と感謝を述べ、オーディエンスから大きな拍手を浴びた。

その後披露された、本編ラストのナンバーは「Dragon Night」。ネオンとスターライトリング、ダンサーたちのたいまつが明るくステージを照らす中、4人は充実した表情でそれぞれの音を鳴らした。

4人がステージから去ったあと、すぐさま始まったアンコールに応えて1曲目に披露されたのは「ピエロ」。Fukase、Nakajin、Saoriは花道を歩きながらオーディエンスに手を振り、アンコールを心から楽しんでいる様子を見せた。続くMCでSaoriは「去年の年末に無事子供が生まれまして……この公演までは、ステージに立ったときに『やってやったぞ!』ていう気持ちがあったんです。でも今回はいろんな人に立たせてもらったという気持ちです。全力でお母さんになった私を応援してくれて、そのおかげでステージに立てています」と、ツアーを支えたスタッフへの思いを明かした。

ここでSaoriは10月に恒例となった動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」活動支援ライブを、そして11月より初のファンクラブ限定ツアーを行うことを発表し、ファンを喜ばせた。ツアー後のお楽しみを明かしたところで、最後に披露されたのは「Fight Music」。曲が終わるとステージ上方から花火が打ち上がり、ライブのエンディングに華を添えた。4人はステージ後方の扉へ向かい、不敵な笑みを浮かべたFukaseがゆっくりとこちらを振り向いたところで扉が大きくきしみながら閉じる。暗くなった場内には座長の「皆様が新しいキャストです。決して逃げられると思いませぬよう」というアナウンスが不気味に響き、不穏な空気のままライブの幕が閉じられた。

退場していくオーディエンスの頭上からは「なぜ逃がすんだ!」「虫1匹も出すんじゃない!」という「INSOMNIA TRAIN」と乗員たちの声が響き、観客は列車から逃亡しているような気持ちのまま会場を後にする。最後にエントランスゲートにたどり着くとゲートは大きく破壊され、“新しいキャスト”たちの逃亡を告げるアラートが鳴り響く演出が。退場までも演出の一部に取り込んだ「INSOMNIA TRAIN」の世界に、観客は最後まで驚きの声を上げていた。

※記事初出時、曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

SEKAI NO OWARI「INSOMNIA TRAIN」2018年6月24日 国営滝野すずらん丘陵公園 セットリスト

01. インスタントラジオ
02. マーメイドラプソディー
03. Love the warz -rearranged-
04. Error
05. サザンカ
06. Hey Ho
07. ANTI-HERO
08. 深い森
09. RPG
10. Death Disco
11. MAGIC
12. 炎と森のカーニバル
13. Re:set
14. 白昼の夢
15. Monsoon Night
16. ラフレシア
17. スターゲイザー
18. スターライトパレード
19. Dragon Night
<アンコール>
20. ピエロ
21. Fight Music

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