超特急、神戸で限界突破!高らかに鳴らした未来へのfanfare「これからも最高の人生を」

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超特急が昨日6月10日に兵庫・ワールド記念ホールにて、アリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 SPRING『Sweetest Battle Field』」のファイナル公演を行った。

「Party Maker」のパフォーマンスの様子。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

「Party Maker」のパフォーマンスの様子。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

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2都市4公演、あわせて約5万人の8号車(超特急ファンの呼称)を動員したこのツアーは、超特急が6人の新体制になってから初めて実施された大規模公演。5号車・ユーキが総合演出としてもライブ作りに携わり、会場にはメインのセンターステージとそこから花道でつながるエンドステージからなる360°開放型の舞台セットが設置された。また、6人は5月26、27日に行われた東京公演とこの兵庫公演で、まったく異なるセットリストを用意。曲の色も衣装もがらりと雰囲気を変え、アグレッシブにファンを楽しませる意思を約2時間30分のショーで提示した。

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

東京公演では「超ネバギバDANCE」が歌われた1曲目、兵庫公演の幕開けを飾ったのは「Kiss Me Baby」だった。2013年発表の5thシングルのタイトルトラックであるこの曲はメンバーの艶っぽい仕草に8号車の歓声とコールが入り混じるクールなダンスナンバーで、これまでに彼らのライブのさまざまなシーンを印象的に彩ってきた人気曲。冒頭、横1列に並んだ6人が鋭い目つきで唇、目、頬と順に手を当てファンを挑発すると、8号車は彼らの動きに合わせてリズミカルにメンバーの名前を叫ぶ。新たなフォーメーションでユーキとユースケがしのぎを削るペアダンスのシーンにはひと際大きな注目が集まり、気合い十分にこのパートを踊ったユースケはステージセンターに飛び出して両手で投げキッスを飛ばした。大きなインパクトが残る中、ユーキが「最終日、みんな声出していくぞ!」と叫ぶと「Togetherしようぜ BREAK OFF(無礼講)」と歌うパーティチューン「BREAK OFF」へなだれ込む。6人は正方形のステージ上で次々と正面を変えるダンスフォーメーションを展開。全方位のオーディエンスに力強くアピールして、盛り上がりに拍車をかけていった。

3曲目の「Burn!」ではトロッコに乗り込み、さっそく客席通路へと飛び出したメンバー。エンドステージに戻った曲終わりにユースケが「まだまだ盛り上がっていきま……」と呼びかけると、彼の頭を押しのけるようにして前に出たリョウガが「お楽しみはこれからだ!」と自身のセンター曲「Believe×Believe」へとつなげるというコミカルなシーンが8号車の笑顔を誘う。また「Believe×Believe」のラスト、ステージ中央でソロを踊るリョウガが次々に指を差していくとフロアに伏す5人のメンバーの姿がスポットライトに浮かび上がり、彼らは地面を叩いてリズムを刻む振りが特徴的な「SURVIVOR」へ。息をつかせないスムーズな曲つなぎの中でドロップされた新曲「SAY NO」では「NAI NAI NAI NAI NAI!」というコールのリフレインになりふり構わず全身を震わせる6人のフルパワーのダンスと煽りに、会場にはカオスのような熱狂が広がっていった。

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

自己紹介の挨拶ののち、リョウガが「俺たちに会いたかったかい? 今日は1人残らず幸せにしようと……全員で最高の幸福を感じていきたいと思います!」と呼びかけるとライブは次のシーンへ。「Yell」から始まったパートでは、タカシの優しくも力強い歌声と細やかに曲のストーリーを描き出す5人のダンサーのパフォーマンスが、刻々と形を変えていく円形ステージの演出と共に届けられていった。順にリフトアップしていく舞台上で5人が渾身のソロを踊りつないだのは「EBiDAY EBiNAI」。超特急の真骨頂とも言える、指先から表情まで全身に思いを詰め込んだ豊かな表現で8号車の目を奪うと、続く「Billion Beats」では切なげな表情を浮かべたタクヤがしなやかに舞う。6人はターンテーブルのように回るステージの上からペンライトの光の海を柔らかい眼差しで見つめ、タクヤは「みんな、今日も会いに来てくれてありがとう。大好きだよ!」と微笑みながら思いを伝えた。

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

タカシが1人で8号車の前に立ちさわやかに歌声を響かせた「HOPE STEP JUMP」を経て、ステージはメドレーコーナーに突入。「STYLE」でスタンドマイクの前に立ったのはカイ、リョウガ、タカシで、リョウガはダイナミックな足技を、カイはセクシーな振る舞いを見せて会場を沸かせる。3人と入れ代わりで登場したタクヤ、ユーキ、ユースケは「Shake body」でエクササイズならぬ“超ササイズ”を披露。ユーキが「みんな、たるんでるんじゃないのー? ペンライト回して!」と言って腕をぐるぐる回すと8号車は彼の動きに続き、ユースケはこの曲の定番コールを「“ガリガリ”って言うところ、ユースケに変えて!」とファンに呼びかけ、この日限りの「ユースケグッバイ!」コールでファンを楽しませた。またメドレー中にはひさびさのパフォーマンスとなった「Seventh Heaven」も盛り込まれ、新鮮な組み合わせや意外な選曲で驚きを誘った6人。「Clap Our Hands!」の手拍子で改めてオーディエンスを1つにすると、会場には今回のツアーでメンバーが初めて取り組んだカラーガードをパフォーマンスに盛り込んだ楽曲「fanfare」のイントロが響き渡った。

カラーガードパフォーマンスの様子。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

カラーガードパフォーマンスの様子。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

曲中、ステージ外から投げ入れられたフラッグを受け取ったメンバーは、凛々しい表情でフラッグを大きくはためかせる。タカシとリョウガ、ユーキとユースケ、カイとタクヤがそれぞれペアになって息の合った連携技をリレーすると、タクヤとユースケはソロでもテクニカルなトスを決めてみせた。最後にユーキがステージ中央でフラッグを高く宙に放つ大技を鮮やかに成功させると会場からは大歓声が上がり、メンバーは晴れやかな顔つきでフラッグを掲げる。6人が呼吸を合わせ、6色に彩られた旗の躍動が美しい“虹”を描き出したステージ上、ユーキは「みんな! 勉強とか仕事とか人間関係、つらいときもある。だけどみんなに明るく前を向いてもらうために、僕たちはfanfareを鳴らし続けます!!」と思い切り叫んだ。

ライブ後半の幕開けを印象的に飾ったのは、ダンサーのTAKAHIROが振り付けを手がけた新曲の「Feel the light」。時折表情をゆがませるほど曲の世界に入り込み、たゆたうような動きで光を追い求める姿を表現する6人の姿を観客は息を飲むように見つめる。そして彼らは「Beasty Spider」「Gravitation」と、東京公演よりもクールなダンスパフォーマンスに特化した楽曲を連投。カラフルな炎がステージを彩った「Gravitation」では“飛行機型”のフォーメーションやユーキのダイナミックなアクロバットに大きな歓声が飛んでいた。

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

超特急(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

ダンサーの振りに合わせて8号車が動きを“シンクロ”させ、タカシも楽し気なボーカルのアレンジを聴かせた「Synchronism」を経てステージは佳境へ。キラーチューンの「バッタマン」で再び会場の勢いを加速させると、ユースケは「おーい! まだまだ盛り上がっちゃうよ!」と呼びかける。曲中、いつもはユースケとタカシが“鼻チュー”をする場面でこの日はユーキ、ユースケ、タカシが鼻を突き合わせ、これを仕向けたユースケは「ひゃはははは!」と大きな笑い声を響かせた。トロッコの上から8号車の声を求めた「PAPAPAPA JUMPERS」までを駆け抜け、リョウガは「もう、怒涛ですよ。皆さん生きてますか!?(笑)」と観客に問いかける。そして、本編最後に届けられたのは彼がセンターに立つ最新シングル曲の「a kind of love」。6人はここで遊び心を爆発させ、リョウガが踊るはずの冒頭のソロパートをユースケに“丸投げ”したり、リョウガ役をやってしまったユースケは続く自身のダンスパートをユーキに任せたりと掟破りながら見事なチームワークを発揮する。しまいには、リョウガが変顔をする見せ場をタカシが担当し、彼の顔を見たカイが踊りながら「ヤバい!(笑)」と爆笑。6人が夢中になってその瞬間を楽しむ姿に8号車にも笑顔の輪が広がり、温かなムードの中で本編は締めくくられた。

「Party Maker」の曲前、“やる気ないマン”と化す(左から)カイ、リョウガ、タクヤ。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

「Party Maker」の曲前、“やる気ないマン”と化す(左から)カイ、リョウガ、タクヤ。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

8号車の大きな「超特急!」コールを受け「Starlight」で幕を開けたアンコールでは、充実感を漂わせるリョウガが「僕たちのほうが楽しんでいる自身がありますが、皆さん、僕たちより楽しんでますか?」といたずらっぽく観客に語りかけた。ここでメンバーは順に8号車へメッセージを送り、カイは「4日間という限られた日数でも皆さんに会えて幸せでした。もっともっと大きくなって、皆さんをいろんなところに連れて行ける超特急になりたいと思います」と誓う。タクヤは「無事、6人と8号車でツアーを終えることができてすごくよかった。とりあえずひと安心です」と安どの心境を明かし、この日迎えたデビュー6周年について触れたユーキは「皆さんの力、パワーがあって、応援があってこそのことです」と感謝。ユースケが「自分的には、もうちょっとパフォーマンス力を上げていきたいと思ったアリーナツアーでした!」とさらなる向上心を言葉ににじませると、大きなツアー公演を初めて1人で歌い切ったタカシは「8号車の皆さんがいてくれるから、僕らが輝いていられるんだと思えたアリーナツアーでした」と笑顔を浮かべ「どうかこれからも僕らに付いてきてくれたら」と頼もしく8号車に呼びかけた。

「Party Maker」で8号車を煽るユーキ。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)

「Party Maker」で8号車を煽るユーキ。(撮影:米山三郎、深野輝美、山下陽子)[拡大]

ツアーのラストを飾った「Party Maker」の激しいパフォーマンスについて、公演前の囲み取材でユーキは「大きく言い過ぎと思われるかもしれないけど、超特急のライブはこれほど全力で……メンバーには、命を削るくらいに一瞬一瞬を最高のものにしたいという決意があるんです」と語っていた。その言葉通り、1曲1曲にがむしゃらに向き合い、全力でファンを楽しませる姿を2時間30分にわたって見せ続けてきた6人は、ラストナンバーで残る力をすべて放出させるようなエネルギーに満ちあふれたステージを見せる。Tシャツを思い切り引き裂きパイプ椅子の上に立ったタカシは「行くぜ!!」とダンサーを鼓舞し、ユーキは「お前ら騒げー!!」とオーディエンスに向けて絶叫した。興奮と熱狂が冷めやらぬ中、リョウガは「限界超えました!」と断言し、「何かの壁を破ったメンバーもいます!」と笑顔でタカシのほうを向く。そして最後に「これからも超特急と最高のライブを、人生を進んでいってくれたらと思います!」と6人の思いを伝えていた。

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超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 SPRING『Sweetest Battle Field』」2018年6月10日 ワールド記念ホール セットリスト

01. Kiss Me Baby
02. BREAK OFF
03. Burn!
04. Believe×Believe
05. SURVIVOR
06. SAY NO
07. Yell
08. EBiDAY EBiNAI
09. Billion Beats
10. HOPE STEP JUMP
11. My Buddy~STYLE~Shake body~FLASHBACK~Seventh Heaven~Clap Our Hands!
12. fanfare
13. DANCEナンバー
14. Feel the light
15. Beasty Spider
16. Gravitation
17. Synchronism
18. バッタマン
19. 超えてアバンチュール
20. PAPAPAPA JUMPERS
21. a kind of love
<アンコール>
22. Starlight
23. 走れ!!!!超特急
24. Party Maker

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タント・ド・シホ @vertetquatre

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