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超特急、360°開放型の“戦場”で見せ続けた6人の形「魂削るほど楽しいのがライブ!」

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超特急(撮影:米山三郎、冨田望、西村廣起、山下陽子)

超特急(撮影:米山三郎、冨田望、西村廣起、山下陽子)

超特急が昨日5月27日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにてツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 SPRING『Sweetest Battle Field』」の東京公演を行った。

同会場と兵庫・ワールド記念ホールで全4公演が行われる今回のツアーは、超特急が6人の新体制になってから初めて行われる大規模公演。東京会場には2日間で約3万人の8号車(超特急ファンの呼称)が集まった。公演前に行われた囲み取材では、カイが「僕ら春にアリーナツアーをやるのは初めてですし、たくさんの方の期待を背負って無事に成功させることができればいいなと思います」と意気込みを語る。また今回の公演のステージセットは全方位の客席を開放したセンターステージ仕様で、これについてタクヤは「今までにない一体感が生まれると思いますし、僕たちにとっても気が抜けないステージになります」と説明。タカシは「360°開放のステージでどれだけ8号車を楽しませられるか考え抜いたステージになっているので、一瞬一瞬を大切にしていきたい」と自身の思いを明かした。

開演時刻を迎え6人のリスタートを告げるような新しいSEが響くと、センターステージに置かれた筒状のLEDビジョンにオープニングVTRが映し出される。ライブの幕開けを飾ったのは上を目指す強い意志を歌う「超ネバギバDANCE」。せり上がったビジョンの中から姿を見せた6人は8号車の熱狂の中力強い眼差しで前を見据えた。広い会場にタカシの「次の壁も破りたい!」という声が響くとユーキはキレのあるバック転で観客の目を惹きつける。タクヤが「ご乗車ください!」とこの曲の決めゼリフを叫べば、ビジョンにはユースケ得意のヘン顔が大写しに。初っ端からそれぞれの全力で曲のメッセージを伝える彼らの姿に、8号車もカラフルなペンライトで声援を送る。リョウガの「東京、いくぜ!」という声からなだれ込んだ2曲目は「超えてアバンチュール」で、6人はこの曲で四方に向けて次々とフォーメーションを展開。センターステージならではの全方位型パフォーマンスでオーディエンスを巻き込み、会場の熱を一気に上昇させた。続く「OVER DRIVE」ではユーキが「俺たちと“甘い1日”過ごすんだろ? みんなで声出して行こうぜ!」と呼びかける。メンバーは1人ずつトロッコに乗り込んでアリーナ後方まで進み、観客のすぐ近くで声を求めて大きなコールを誘っていた。

4曲目の「Pretty Girl」はセンターステージ後方に設けられたエンドステージから届けられ、大サビで小指を絡ませ歌うタカシとユーキの姿に8号車は割れんばかりの歓声を上げる。ユースケは何度も両手で大きなハートを作って客席へそれを飛ばし、軽快なステップを踏んでいた。そのユースケが一変して“鬼の形相”でメンバーをリードしたのは新曲の「SAY NO」。タカシの唸るようなボーカルが炸裂するこのパワーソングをライブ前の会見で見所として挙げていた彼は、サビで自身が考案したという、身体を波打つように激しく揺らすシュールな高速ダンスを披露。さらに2番パートでは“軍曹”と化してダンサー4人に腕立て伏せを課す、ブートキャンプのようなパフォーマンスで観客を沸かせた。

自己紹介と短いMCののちにスタートしたパートでは楽曲の世界観を際立たせる照明効果や細かなステージ演出もオーディエンスの目を楽しませた。天井から提げられたビジョンに流れ星が降り注ぐと「Starlight」が始まり、メンバーは順にリフトアップしていくステージの上で一瞬の表情にも思いを込めた細やかな表現で楽曲のストーリーを描き出す。続いて流れ出したのは「Billion Beats」のイントロ。ライブ演出を担当したユーキは囲み取材でこの曲について「今になって改めて聴くと、さらにいい曲だと思えて。今回はいつもと違った形で観てもらえたらなと思います」と語っていた。ドーナツ型のステージがリフトアップすると、そのステージは楽曲の中でタカシを頂点に据えた円形の階段状に変化する。遊び心のあるフェイクを入れながら朗々と曲を歌い上げるタカシの声に合わせ、階段の1段1段に立つ5人のダンサーは柔らかな笑みを浮かべながら鼓動を打つ振りでリズムを刻む。タカシが姿を消すと、ステージはフラットの状態に。カイ、リョウガ、ユーキ、ユースケの4人と向き合いながら情感豊かなソロダンスを踊ったタクヤは「これからもたくさんの最高の時間を作りましょう。大好きです!」と8号車に思いを伝え、リョウガは「これからも最高の鼓動を共有していきましょう」と語りかけた。

カジュアルなシャツの重ね着スタイルに着替えたメンバーが再登場すると、ライブも折り返し。「My Buddy」を皮切りに始まったメドレーではカイ、リョウガ、タカシによる「DJ Dominator」、タクヤ、ユーキ、ユースケによる「Turn Up」と、2組に分かれたメンバーが競うように互いのスキルをぶつけ合う。タクヤのアクロバティックなパフォーマンスに会場が沸くと、ユーキとユースケはワイルドかつセクシーな身振りで8号車を挑発した。8号車の大きなコールが響き渡った「HOPE STEP JUMP」まで6曲を駆け抜けると人気曲の「fanfare」へ。ここできらびやかなジャケットを羽織った6人は6色に彩られたフラッグを手に、カラーガードのパフォーマンスを披露した。

このカラーガード演出は、メンバーが今回のツアーのために初挑戦したもの。息を合わせて大きなフラッグを鮮やかに操るこのパフォーマンスを「試行錯誤しながら練習を重ねた」とカイは語り、リョウガは「僕の腕では持ち上げることすら大変で、練習の度に筋肉痛になっていました」とガリガリ担当らしくその難しさを語っていた。ステージ上、キレのある動きでリズミカルにフラッグを振る6人は個人技のスピンやペアに分かれてのトスなど次々と技を決めていく。未来へ向けた高鳴る思いを歌う応援歌であるこの曲のメッセージを鮮やかなフラッグのはためきで一層力強いものにした6人の姿に、彼らを囲む観客からは大きな歓声が送られた。

このツアーで初披露となったTAKAHIRO振り付けの「Feel the light」で静かで幻想的な世界観を描き出すと、続く「We Can Do It!」では一転、タカシの激情的なボーカルに乗せて艶めかしい絡みを見せた6人。「Synchronism」ではミラーボールの無数の光の粒が会場を照らす中、それぞれが穏やかな表情を浮かべながら8号車が作り上げる光の海を見つめた。すると、ここでステージセンターに躍り出たユースケが「そろそろみんなの声が聞きたいと思ってました! どうか一緒に遊びましょう!」と叫び声を上げる。キラーチューン「バッタマン」が投下されると6人は次々に「大好きー!」と雄叫びを上げ、いつもはユースケとタカシが“鼻チュー”でファンを沸かせるシーンはカイとユーキが担ってみせる。このサプライズに8号車は熱狂し、ユースケはその熱狂に乗って「ぽんカイ(カイ・ユーキペアの愛称)! ぽんカイ!」とうれしそうにステージを駆け巡っていた。

ユーキが「まだまだ声出し足りないんじゃないのー!?」と8号車を焚き付けると、カイは「タオルぶん回す準備できてるかい!?」とタオルを手にする。「浮つきWAVES」で再びトロッコに乗ったメンバーは思い切りタオルを振って盛り上がりに拍車をかけ、タカシは「もっと弾けろ8号車!」と曲を歌い替えてヒートアップした。メインステージに6人が戻り、最後に届けられたのは最新シングル曲の「a kind of love」。6人はコミカルな表情を浮かべながらさわやかにこの曲を歌い踊って本編を締めくくる。センターのリョウガが「本当に最高でした。皆さん楽しかったですか?」と問いかけると、彼らに向けて会場中から大きな歓声が降り注いでいた。

8号車が「超特急!」とアンコールを求めると怪しげな電子音が鳴り響き、この音に観客は即座に反応する。ここで披露されたのは「a kind of love」のカップリング曲「PARTY MAKER」で、タイダイ柄のTシャツに身を包んだメンバーは静かにポジションに就いた。このツアーで初披露のこの曲はTAKAHIROが振り付けを手掛け、メンバーが口をそろえて「今までで1番ハード」と言うほどエネルギッシュなナンバー。タイダイTシャツを引き裂き、その下に着た自身の顔がプリントされているツアーTシャツをあらわにした6人はパイプ椅子を使ったダイナミックな跳躍や鬼気迫る高速ダンスでオーディエンスを圧倒する。すると間髪入れずに「Burn!」へと突入し、カイは「一緒に声出して、まだまだいけるよ!」と熱狂に拍車をかける。タカシが歌う大サビは6人全員と8号車の合唱に変わり、彼らは肩を組み笑顔を弾けさせながら大きな一体感を楽しんでいた。

長いMCやブレイクタイムを設けず、約2時間30分におよぶライブをほぼノンストップで駆け抜けた超特急。全方位に向けたパフォーマンスやステージ演出で8号車を楽しませながら、ひたすらに歌とダンスで“6人の表現の形”を提示し続けるという挑戦をしたこの公演について、ユーキはライブ前に「ツアータイトルは『Sweetest Battle Field』だけど、個人的には甘さを感じないくらいエキサイティングな内容だと思っています」と語っていた。「Burn!」のあとのMCで、リョウガは「曲数の多さや怒涛のように曲が続く感じは初めての経験で、本当に『キツい』の3文字なんだけど、キツいのに楽しいのがライブというものでございます。みんなもそうでしょう? 身を削るほど、魂を削るほど楽しいのがライブなんです」と思いを語る。カイは「なんか、めちゃくちゃ楽しくて。ずっと声出して笑ってた!」と充実感を漂わせた。一方、ユースケはカラーガードパフォーマンスで自身の納得が行く演技ができなかったことを「僕は今日、準備が足りなかったと思ってる!」と切り出したが、「カラーガード、いやあ、あれ……楽しかった! 実力は出し切った!」と悔しさを飲み込んで笑顔を見せた。最後までパワフルなボーカルを聴かせたタカシは「今出せる全力をぶつけられたと思っています。超特急はもっと先の先まで、突っ走っていきたいと思います!」と晴れやかに宣言する。この日の最後を飾ったのは「走れ!!!!超特急」。「楽しかったかーい?」というリョウガの呼びかけに会場から元気な声が返ってくると、リョウガは「幸せにあふれた8号車の顔、見に行きましょう!」とメンバーに声をかけ、6人は8号車と笑顔を交わすべくエンドステージからセンターステージへと延びる道へ駆け出していった。

超特急「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018 SPRING『Sweetest Battle Field』」2018年5月27日 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ セットリスト

01. 超ネバギバDANCE
02. 超えてアバンチュール
03. OVER DRIVE
04. Pretty Girl
05. No.1
06. SAY NO
07. One Life
08. Starlight
09. Billion Beats
10. Clap Our Hands!
11. My Buddy~DJ Dominator~Turn Up~Yell~Rush Hour~HOPE STEP JUMP
12. fanfare
13. DANCEナンバー
14. Feel the light
15. We Can Do It!
16. Kura☆Kura
17. Synchronism
18. バッタマン
19. BREAK OFF
20. 浮つきWAVES
21. a kind of love
<アンコール>
22. Party Maker
23. Burn!
24. 走れ!!!!超特急

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