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「FM802 RADIO CRAZY」60組以上が集結した大阪の“ロック大忘年会”

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「FM802 RADIO CRAZY 2017」Z-STAGEの様子。(写真提供:FM802)

「FM802 RADIO CRAZY 2017」Z-STAGEの様子。(写真提供:FM802)

2017年12月28、29日に大阪・インテックス大阪でロックフェスティバル「FM802 RADIO CRAZY 2017」が開催された。

FM802による“大阪のロック大忘年会”として毎年の年末恒例となっている本イベント。同ラジオ局とゆかりのある気鋭バンドから、B'zらレジェンド級のロックアーティストまで幅広いラインナップが、2日間にわたって60組以上出演した。

1日目

R-STAGEのトップバッター、ヤバイTシャツ屋さんは「おはようございます! ヤバイTシャツ屋さんが始まるよ!」とこやまたくや(G, Vo)が宣言してから、「Tank-top of the world」や「無線LANばり便利」を演奏。MCでは「俺たちホンマは、ベガス観たい!」と観客を巻き込んでコール&レスポンスを展開し、同じ時間にL-STAGEの一番手を務めたFear, and Loathing in Las Vegasのライブを観たかったことなど自由なトークを炸裂させた。また会場内の屋外エリアに設置されたこたつサテライトスタジオなどでは、FM802番組の公開収録が実施され、Mrs. GREEN APPLEや、MONOEYESの細美武士(Vo, G)といったイベント参加アーティストが登場した。L-STAGEの2組目であるSUPER BEAVERは「美しい日」「青い春」を披露しつつ、演奏中やMCで渋谷龍太(Vo)が思いの丈を熱く語りながら、「こんな早い時間からありがとう! ここに集まってくれたみんなを同志だと思います」とコメントし、彼らなりの“戦い方”や、素直な思いを示した「正攻法」を熱唱した。

「FM802 RADIO CRAZY」で最大のキャパシティを誇るZ-STAGEの一番手はB'z。前説で大抜卓人(FM802 DJ)が「“伝説”を見る準備はできてますか!」と煽ると、大歓声に包まれる中、松本孝弘(G)、稲葉浩志(Vo)がバンドメンバーと共に登場した。彼らは「声明」、「CHAMP」のあと、ライブを一旦中断し、再びステージに戻った際に稲葉が喉の調子が悪いことを謝罪。「このまま帰るのは寂しすぎるので、こんな声だけど歌わせてもらっていいですか? みんなも一緒に歌ってください!」と呼びかけ、キラーチューン「ultra soul」を投下した。会場いっぱいに集まったオーディエンスは、稲葉を支えるかのように大合唱を巻き起こし、松本の力強いギタープレイにも歓声を響かせていた。そして最後の「BANZAI」では、稲葉が体から振り絞るようにシャウト。去り際にリベンジを誓うと、観客から温かい拍手が送られた。

終始ハッピーなステージを展開したgo!go!vanillas、入場規制がかかったポルカドットスティングレイと、各ステージで熱いライブが展開される中、Z-STAGEのエレファントカシマシはまず「ファイティングマン」を披露。宮本浩次(Vo, G)は「みんないい顔してるぞ! いらっしゃい!」と気さくに呼びかけ、「心に突き刺さるバラードを聴いてください」と述べてからデビュー曲「デーデ」、宮本が27歳のときに作ったという「悲しみの果て」、「2018年もどーんといこうぜ」という言葉を投げかけてから、「第68回NHK紅白歌合戦」で披露した「今宵の月のように」と、人気曲を惜しみなくプレイした。TOTALFATは「PARTY PARTY」などで歌えや踊れやとお祭り騒ぎのステージを繰り広げた。また「夏のトカゲ」ではイントロや間奏でKuboty(G, Cho)が「ミュージックステーション」のオープニングテーマである松本孝弘の「#1090 ~Thousand Dreams~」のフレーズを奏でるなど、B'zへのリスペクトをにじませていた。

リハーサルでコール&レスポンスをするなど、場内の一体感を高めてから本番に臨んだのはMrs. GREEN APPLE。12月25日にリミックスバージョンを配信リリースしたばかりの「WanteD! WanteD!」に始まり、EDMサウンドの「WHOO WHOO WHOO」でフロアを揺らし、バラード「鯨の唄」をエモーショナルに届けるなど、高揚感に満ちたステージで観客を魅了した。SHISHAMOは、宮崎朝子(G, Vo)が「2017年は紅白に出場します。アイドルとか歌って踊れるキラキラした人たちがたくさんいる中で、私たちみたいなロックバンドが出られてうれしいです」と話してから「ほら、笑ってる」や、「君と夏フェス」などを歌い上げた。10-FEETはエッジーかつヘビーな「super stomper」の演奏を始めると共に真っ赤なライトがステージを照らすと、ステージにはMAN WITH A MISSIONのTokyo Tanaka(Vo)の姿が。演奏後、サプライズコラボに「一足早いお年玉やったな!」とTAKUMA(Vo, G)が話して、Tokyo Tanakaを見送ったあと、「小さなケガならしても大丈夫だ!」とアッパーチューン「goes on」へとつなげ、会場の熱気を一層高めていた。

SCANDALは「会わないつもりの、元気でね」のあと、MCで2017年はFM802の紹介で「大阪マラソン」にHARUNA(Vo, G)とMAMI(G, Vo)が出場して完走した際のエピソードに触れ、人生の中でいい経験になったことを明かした。back numberは、「SISTER」「003」などで会場の熱気を引き上げるも、フロア前方がすし詰め状態になっていることを心配した清水依与吏(Vo, G)は、観客に無理をしないよう呼びかけてから「今日は楽しんでもらえるようなセットリストを考えてきた」とコメント。さらに1年の感謝を述べてから、「悲しい歌なんてどうでしょう?」と話して「ハッピーエンド」や「瞬き」とバラードを歌唱した。L-STAGEでは東京スカパラダイスオーケストラの出番になり、「Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>」「閃光」の2曲でスーツをまとった10-FEETのTAKUMAをゲストに迎えた。ライブ後半、スカパラは斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)をステージに迎え、コラボシングル曲「白と黒のモントゥーノ」のほか、ユニゾンの楽曲「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」のカバーを含むセットリストを展開した。

9mm Parabellum Bulletは、この日がサポートギタリスト2名を迎えた5人編成での最後のステージに。今回のサポートは武田将幸(G / HERE)と為川裕也(G / folca)が務め、9mmはストレイテナーのカバー「Melodic Storm」や、最新作「BABEL」の収録曲「バベルの子どもたち」、ライブ鉄板曲「Punishment」などで盤石のパフォーマンスを見せた。[Alexandros]は「ワタリドリ」や、川上洋平(Vo, G)がハンドマイクで高速フロウを畳みかけた「Kaiju」のあと、「Dracula la」の途中で演奏を中断。川上が前方で苦しそうにしている観客を見つけたため、彼らは観客の救護および安全を確認した。その後、メンバー間で「どこからやる?」とスタジオでの会話のようなやりとりをしてから、シンガロングパートから同曲の演奏を再開し、オーディエンスを喜ばせた。MONOEYESは、序盤からストイックなライブを展開。「My Instant Song」で合唱が起こり、スコット・マーフィー(B, Cho)が手がけた「Roxette」では、細美とスコットのエネルギッシュなツインボーカルで一段と大きな盛り上がりを見せた。

MAN WITH A MISSIONは「FLY AGAIN」でライブの口火を切り、アクセル全開のステージを序盤から展開。彼らはB'z、エレカシのあとに同じステージに立てたことに対して、「コレモ一重ニクレイジーナラジオ局、FM802ノオカゲ」と感謝の気持ちを口にした。2013年にシングルリリースされた10-FEETのTAKUMAとのコラボ曲「database」では、TAKUMAがゲスト参加し、オオカミたちに混ざって野太いシャウトを響かせた。ストレイテナーはゆっくりと定位置に着き、ホリエアツシが挨拶をしてから、「ROCKSTEADY」を披露。途中から細美武士がサプライズで参加し、メンバーと細美は時折アイコンタクトを交わしながら、笑顔でパフォーマンスを続けた。さらにホリエが「今日9mmが歌ってくれた『melodic storm』、もう1回やってもいいですか?」と、本家による「melodic storm」を披露した際には、途中から9mmの菅原卓郎が登場。細美に続き、菅原とのサプライズでのコラボが飛び出し、ハッピーな空間が広がった。フレデリックはキャッチーな「オドループ」で観客の心をつかみ、「オンリーワンダー」などダンサブルなナンバーでフロアを踊らせる。また「TOGENKYO」ではオーディエンスの上を飛行船が周回する演出があり、彼らのステージに華を添えた。

Z-STAGEで初日公演の大トリを務めたのは、THE ORAL CIGARETTES。山中拓也(Vo, G)はMCで「関西帰ってきたぞー! 端から端までよう見えてます。俺ら今日は朝から入りまして、このステージはB'z先輩から観てました。数々の先輩を超えて今、ここに立ちました。歴史を作ってくれた先輩をリスペクトしながら、俺らは新しい時代を作っていきたいと思ってます。最後まで力貸してください!」と呼びかけたあと、さらにFM802に向けて「俺らにとっては恩人みたいな人です。江坂MUSEでやってたときからFM802の人は観てくれていました。関西代表として、この大事なイベントを締めくくりたいです」と感謝と期待に応えたいという気持ちを露わにした。その後、山中の弾き語りで始まる新曲「Rei」を届けたあと、オーラルは自身のライブでおなじみの「キラーチューン祭り」のコーナーへ。ここでは「5150」「狂乱 Hey Kids!!」で爆発的な盛り上がりを生み出し、「BLACK MEMORY」でシンガロングを巻き起こした。アンコールを「起死回生STORY」で締めくくり、熱狂の余韻を残してステージをあとにした。

2日目

各ステージでは午前中にLAMP IN TERRENPOLYSICSDADARAYBLUE ENCOUNTがライブをスタートさせた。LAMP IN TERRENは4人が向かい合って「緑閃光」を演奏し始め、力強く伸びやかな歌声を響かせた松本大(Vo, G)は、MCで「僕らがこのステージに立つのはまだ早いと思いますが、期待に応えられるようにがんばります」と謙虚に発言。「目の前のあなたに届くよう、朝からバラードですが新曲を」と、配信リリースされたばかりの「花と詩人」を届けた。BLUE ENCOUNTは「準備できてるか! 寝ぼけてないかー!」と田邊駿一(Vo, G)が開口一番で煽り、「KICKASS」「NEVER ENDING STORY」といったアグレッシブなロックチューンで場内のテンションを引き上げた。

正午過ぎ、拍手に迎え入れられた雨のパレードは、「new place」などで場内をドリーミーなサウンドで包み込んだ。THE BAWDIESのライブでは、2018年が戌年ということで、ROY(Vo, B)がMARCY(Dr)に子犬バージョンのシャウトをさせてから、自身はすごみのあるシャウトを披露。またFM802でDJを務める落合健太郎、鬼頭由芽を迎えたラジオ番組ふうの寸劇から「HOT DOG」へとつなげてオーディエンスを楽しませた。LIVE HOUSE ANTENAステージに長蛇の列を作ったのはCHAI。パンパンに埋まったフロアに向けて、甘いハーモニーがキャッチーに響く「Sound & Stomach」などをパフォーマンスした。さらに彼女たちは最新アルバム「PINK」のジャケットを持って「自己紹介」を歌ったり、映画「ミッション・インポッシブル」にハマっていることを話したりと、自由奔放なステージを展開した。Z-STAGEではMy Hair is Badが熱のこもったライブを展開しており、椎木知仁(Vo, G)はライブアンセム「フロムナウオン」で現在の心境を叫んだ。「いつか結婚しても」でエモーショナルにライブを締めくくるかと思いきや、「2017年最後だ!」と高速ショートチューン「クリサンセマム」をラストにプレイ。never young beachは「fam fam」「SURELY」などいなたくも軽やかな楽曲群でオーディエンスの心と体を揺さぶった。

KANA-BOONは、高速ギターロックチューン「フルドライブ」から次々に楽曲を畳みかけ、My Hair is Badの話題を含む短いMCで笑いを取りつつ、「一番星」や「シルエット」といった人気曲を届けた。OKAMOTO'Sは「ROCKY」でオカモトショウ(Vo)が「拳を上げろー!」と扇動するなど、勇ましいステージングで観客を魅了。SEなしで定位置に着いたNICO Touches the Wallsは、光村龍哉(Vo, G)が「よっしゃ、やっちまいましょうか!」と呼びかけ、骨太なロックチューン「mujina」などを演奏しながら汗をほとばしらせた。彼らは「大阪で悔いなく遊び尽くせるように、名曲の数々を用意してきた」という光村の言葉通り、インディーズ時代からある「image training」、最新曲「Funny Side Up!」、リベンジをテーマにした「天地ガエシ」など新旧織り交ぜた楽曲の数々を届けた。

クリープハイプは、尾崎世界観(Vo, G)が「挨拶がわりにセックスの歌を歌います」と「HE IS MINE」を1曲目に演奏。曲中には「音源は(ラジオで)オンエアできないでしょう。ブルーハーツは『写真には写らない美しさがある』って歌ってましたけど、ラジオでは流せない美しさがあると思います」と話し、「今度会ったら」のフレーズに続けて、観客は「セックスしよう!」と叫んだ。さらに「大好きな関西弁の歌を歌います」と説明した「イノチミジカシコイセヨオトメ」といったナンバーのあと、「音楽を残して帰りたい」と「傷つける」でしっとり締めくくった。

2年ぶりの「FM802 RADIO CRAZY」出演となるゲスの極み乙女。は、「ドレスを脱げ」で「ラーララーラララーララー」の大合唱を巻き起こし、ちゃんMARI(Key)がキーボードの上に体を乗せ、ほな・いこか(Dr)がロングヘアを振り乱す。「シアワセ林檎」では川谷絵音(Vo, G)とほな・いこかがステージの真ん中で向かい合って歌った。夕方にはKEYTALKNulbarich阿部真央が各ステージで大勢のオーディエンスを集め、一部で入場規制がかかるほどの盛況ぶりに。さらに屋外のこたつサテライトスタジオでのトークにクリープハイプが登場するなど、各所で大きくにぎわった。R-STAGEでは、公私共に交流のあるハナレグミフジファブリックからなるハナレフジが登場。彼らはフレンドリーなMCを挟みつつ、オリジナル曲のみならず、小沢健二「今夜はブギー・バック」、SUPER BUTTER DOG「FUNKYウーロン茶」などのカバーセッションも行った。

17時過ぎのZ-STAGEでは、スピッツのライブがスタート。彼らはまずヒット曲「空も飛べるはず」を届けてから「みそか」「野生のポルカ」とパンキッシュなナンバーをアグレッシブにパフォーマンスした。草野マサムネ(Vo, G)はバンドが2017年で結成30周年であることに触れてから「今日は最年長かな? ご長寿バンドを観た皆さんは、スピッツを聴いて長生きしてください」と話した。またこの日、スピッツはポルノグラフィティの「アポロ」を披露。草野は「新曲で『アポロ』でした。今年一番盛り上がったはずです」と冗談を飛ばして観客の笑いを誘った。サンボマスターはMCのみならず、曲中にも「アホ年末! アホ年末!」と連呼しながら熱いライブを繰り広げ、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では山口隆(Vo, G)が「お前ら、悔いを残すなよ!」と訴え、観客と一緒に大合唱。Suchmosは「RADIO CRAZY! Turn on the radio」と話してから「Stay Tune」でオーディエンスを踊らせ、ラストにはYONCE(Vo)がギターを抱え、新曲を届けた。

04 Limited Sazabysは開演と同時にテンション高くステージに駆け込み、GEN(Vo, B)が「04 Limited Sazabys、始めまーす!」と高らかに宣言し、「swim」を投下。さらに「knife」「mahoroba」などを届けて終始、観客の興奮を誘った。フラワーカンパニーズはおなじみのNight Hawks「Chicken Grabber」をオープニングSEに登場し、代表曲「深夜高速」から最後まで熱量に満ちたステージを展開。Z-STAGEのトリであるASIAN KUNG-FU GENERATIONは、「リライト」を含む人気曲のオンパレードで場内を大いに盛り上げ、アンコールの「君という花」ではKANA-BOONの谷口鮪(Vo, G)がゲスト参加した。L-STAGE最後のアクトにして、本イベントの大トリを務めたキュウソネコカミは、本番さながらのリハーサルで満員の観客を盛り上げ、ライブ本編をエネルギッシュに駆け抜けた。アンコールではFM802のDJ陣がステージに並び、本イベントのテーマ曲としてキュウソがレコーディングし、FM802のみでオンエアされた楽曲「クレイジーマンのテーマ」を披露。多数のアーティストが熱演を繰り広げた大阪の“ロック大忘年会”をハッピーなムードの中で締めくくった。

なお1月8日(月・祝)19:00からはFM802で、本イベントのライブ音源を一挙に放送する特別番組「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY -RADIO de LIVE CRAZY-」が3部構成でオンエアされる。ラジオ聴取アプリ「radiko」では、クリアな音質で番組をチェックできるほか、有料会員であれば関西エリア以外のユーザーも番組を聴くことができる。

FM802「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY -RADIO de LIVE CRAZY-」

2018年1月8日(月・祝)19:00~
[第1部]19:00~
DJ:竹内琢也 / 鬼頭由芽

[第2部]21:00~
DJ:落合健太郎 / 土井コマキ

[第3部]24:00~
DJ:浅井博章 / 加藤真樹子

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