春ねむりが涙流しながら熱唱「私は魔法が使えない側の人間だから」

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春ねむり後藤まりことの共作シングル「はろー@にゅーわーるど / とりこぼされた街から愛をこめて」を9月20日にリリースしたことを受けて、9月21日に東京・下北沢SHELTERで自主企画イベント「ねむりりぱ! vol.3」を開催。MASS OF THE FERMENTING DREGS羊文学をゲストに迎えてライブを行った。

春ねむり(撮影:朝岡英輔)

春ねむり(撮影:朝岡英輔)

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宮本菜津子(MASS OF THE FERMENTING DREGS)(撮影:朝岡英輔)

宮本菜津子(MASS OF THE FERMENTING DREGS)(撮影:朝岡英輔)[拡大]

一番手のMASS OF THE FERMENTING DREGSは、混沌とした爆音を観客に叩きつけるように、激しいステージアクションでライブを展開。今年3月に7inchアナログでリリースされた再始動後初の楽曲「スローモーションリプレイ」や未発表の新曲を含む、エモーショナルなナンバーを次々に繰り出した。宮本菜津子(B, Vo)は、春ねむりの新作に参加した後藤まりこに会場で会ったことに触れ、「まりこちゃんはすごい古くからの仲間だから、今日ひさびさに会えてブチ上がってます」とうれしそうに語る。そして終盤には「ハイライト」「ベアーズ」と初期曲を連発してライブを終えた。

羊文学(撮影:朝岡英輔)

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続いて登場した羊文学は、10月4日リリースのデビュー作「トンネルを抜けたら」の収録曲を中心に、未発表の新曲も披露。シンプルかつ個性的なバンドサウンドに乗せて、塩塚モエカ(Vo, G)がアンニュイながら力強い歌声でメランコリックな世界観を作り出す。春ねむりは塩塚の大学の先輩で同じサークルに在籍していたが、春は塩塚と入れ違いでサークルを辞めていたとのことで、塩塚は「『ヤバい奴がいた』っていう情報だけ聞いてたからそう思ってたんだけど、ねむりさんが前にやってたバンドと対バンして初めて会ったら、ヤバいんだけどヤバくない人でした」と春との初対面の思い出を振り返った。

春のライブが始まると、スイッチが切り替わったかのように一気に彼女のテンションが上昇。感情をあふれさせながら叫び声に近いラップを披露し、会場をヒリヒリとした緊張感で満たした。彼女は曲が終わるたびに「あなたたち1人ひとりに今日は歌を捧げます! よろしくお願いします!」「音楽が、からっぽの私の魂に何かを満たしてくれたみたいに、私は音楽になってあなたたち1人ひとりを愛したいと思います!」などと観客に向けてシャウト。2曲目が終わる頃には、彼女は感極まって涙を流していた。

春ねむり(撮影:朝岡英輔)

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「高校生の頃に曲を聴いていた後藤まりこさんと曲が作れて、生きててよかった」と感慨深げに語ったのち、彼女は後藤との共作シングルから「はろー@にゅーわーるど」を、フロアに花びらを撒きながら歌唱した。「ロックンロールは死なない」では観客に一緒に歌うことを促すも、春はその声が小さいと一喝。「マジが足りないと思うんですよ! 音楽好きなんですよね? 本気で魂をぶつけに来たんですよね?」と叫んで、何度もストップをかけては歌い直し、最後は会場中で腕を振り上げて大合唱になった。

春ねむり(撮影:朝岡英輔)

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その後、彼女は「音楽が魔法かどうかはわからないけど、音楽をやる人と聴く人が生み出すものが魔法より強い力を発揮することもあると思う」と語り、集まってくれた大勢のオーディエンスに涙を流しながら感謝。「今まで魔法を使える人にすごく救われてきたんですけど、私は魔法が使えない側の人間だから、みんなに『魔法が使えなくても大丈夫だよ』って言ってあげたくて作った曲です」と曲紹介して、本編最後の曲「さよならぼくのシンデレラ」で「魔法が使えなくてもいいよ ここから地球を始めよう」と歌った。

春ねむり(撮影:朝岡英輔)

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アンコールを受けて再びステージに戻った春は、喉が潰れそうな声で絶叫しながら「kick in the world」をパフォーマンス。彼女がその後「最初に作った一番暗い曲をやって終わろうと思ったけど、後藤さんの聴きたい曲を最後にやって終わっていいですか?」と語ると、PAブースから後藤の「3曲目もっかいやろか?」という声が響き、この日2度目の「はろー@にゅーわーるど」が披露されることになった。さらに後藤の提案で、サビの「スキスキスキスキ……」というフレーズの後に観客が「オレモー」というコールを入れることに。切実さを伴った1度目のパフォーマンスとはひと味違った、楽しげな雰囲気の中でライブは終了した。

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春ねむりpresents「ねむりりぱ! vol.3」2017年9月21日 下北沢SHELTER セットリスト

MASS OF THE FERMENTING DREGS

01. かくいうもの
02. She is inside, He is outside
03. サイダーと君
04. スローモーションリプレイ
05. 新曲(※タイトル未定)
06. Sugar
07. ハイライト
08. ベアーズ

羊文学

01. サイレン
02. 夏のよう
03. Step
04. 新曲(※タイトル未定)
05. 雨
06. 踊らない
07. 若者たち

春ねむり

01. アンサー・ワルツ・ロマンス
02. いのちになって
03. はろー@にゅーわーるど
04. アンダーグラウンド
05. とりこぼされた街から愛をこめて
06. TOKYO CALLINGG
07. ロックンロールは死なない
08. ロストプラネット
09. さよならぼくのシンデレラ
<アンコール>
10. kick in the world
11. はろー@にゅーわーるど

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radical a.k.a aniota @aniota

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