氣志團対10-FEET「万博大作戦日本シリーズ」最後は一緒に踊って大団円

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氣志團主催の“対戦型”ライブイベント「THE GREAT ROCK'N'ROLL SEKIGAHARA 2017」が、4月15日と16日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催された。この記事では2日目に行われた「万博大作戦日本シリーズ」の模様をレポートする。

氣志團と10-FEET。(撮影:青木カズロー)

氣志團と10-FEET。(撮影:青木カズロー)

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共に1997年に結成され、自らの地元でフェスを開催している氣志團と10-FEET。今回のイベントは「氣志團万博」を主催する氣志團率いる「氣・リーグ」と、「京都大作戦」を主催する10-FEET率いる「10・リーグ」による野球を模した対決形式で、2ステージを舞台に交互に展開された。

ヤバイTシャツ屋さん(撮影:釘野孝宏)

ヤバイTシャツ屋さん(撮影:釘野孝宏)[拡大]

トップバッターを務めたヤバイTシャツ屋さんは、ヘビーチューン「ヤバみ」などでアクセル全開のライブを展開する。こやまたくや(G, Vo)はももいろクローバーZの挨拶コールを叫び、しばたありぼぼ(B, Vo)は道重さゆみの生誕記念Tシャツを着ていたが「あーりんだよー」と佐々木彩夏のモノマネを披露。また10-FEETの煽りを拝借し、客を座らせてからジャンプさせ会場を盛り上げた。こやまが「『行けるかー!』って煽り、どこ行くんやろ?」と話し、しばたが「ピリオドの向こうちゃう?」と返すといった出演陣への愛を感じさせるトークを交えつつ、3人はラストの「あつまれ!パーティーピーポー」まで駆け抜けた。

ももいろクローバーZ(撮影:青木カズロー)

ももいろクローバーZ(撮影:青木カズロー)[拡大]

ももいろクローバーZのステージは、口ひげを付けた高城れにが刀に見立てた長いサイリウムをステージ中央のハリボテの岩に刺すというシーンから始まった。5人は「武陵桃源なかよし物語」などを歌い踊り、MCでヤバTを打倒すると宣言したあとに氣志團の「SECRET LOVE STORY」をカバー。「走れ!」では大サビの前に曲が止まって小芝居を打つ。ここでは有安杏果が冒頭に登場したサイリウムについて「これは織田信長様が残してくれた絶対に勝つことができるサイリウムだよ」「ちょっとおバカで清らかでボーイッシュな胸の持ち主しか抜けない」と説明。5人それぞれがそのサイリウムに手をかけて4人が断念するも、最後に百田夏菜子が「みんな力を分けてくれー!」と叫んでサイリウムを抜き、笑顔でラストの大サビを歌った。

ROTTENGRAFFTY(撮影:釘野孝宏)

ROTTENGRAFFTY(撮影:釘野孝宏)[拡大]

ROTTENGRAFFTYは「STAY REAL」でライブの口火を切り、彼らの地元・京都について歌った「響く都」といったナンバーでフロアを熱く盛り上げていく。5曲目に叙情的な歌詞の新曲を披露したあと、「This world」ではNOBUYA(Vo)が「全力でかかってこいよ!」と叫び、ステージを降りて観客の上で熱唱。「金色グラフティー」ではオーディエンスがクラウドサーフをしたり、サークルモッシュを作ったりする光景が広がった。全力の演奏をし続けたバンドに拍手が贈られる中、汗だくのN∀OKI(Vo)は「ライブハウスで会いましょう!」とオーディエンスとの再会を誓ってステージをあとにした。

キュウソネコカミと氣志團。(撮影:青木カズロー)

キュウソネコカミと氣志團。(撮影:青木カズロー)[拡大]

続くキュウソネコカミは挨拶代わりに「ビビった」「ファントムヴァイブレーション」を連投したのち、氣・リーグに反旗を翻すように「ヤンキーこわい」を連呼する「DQNなりたい、40代で死にたい」を投下する。同曲の演奏中にヤマサキセイヤ(Vo, G)は観客に支えられながらフロアを“10フィート”を歩き、10-FEETの「RIVER」をワンフレーズを絶唱。かと思えば氣志團を巻き込んで「ビビった」のサウンドに乗せて「One Night Carnival」の歌詞を歌い上げるなど、この日限りのパフォーマンスを連発して会場を盛り上げていた。

東京スカパラダイスオーケストラと10-FEETのコラボセッションの様子。(撮影:釘野孝宏)

東京スカパラダイスオーケストラと10-FEETのコラボセッションの様子。(撮影:釘野孝宏)[拡大]

BOYS AND MEN(撮影:青木カズロー)

BOYS AND MEN(撮影:青木カズロー)[拡大]

氣志團の所属事務所の先輩でありながら、10・リーグ側についた東京スカパラダイスオーケストラ。彼らは、10-FEETと一緒に「hammer ska」「閃光」をコラボしたり、TAKUMA(Vo)と谷中敦(Baritone Sax)がツインボーカルで魅せる「Samurai Dreamers <サビレルナ和ヨ>」を披露したりと見どころ満載のステージを展開していく。最後は観客同士の肩を組ませ、ハッピーな空気を残してステージをあとにした。

綾小路翔(Vo)の「50年に一度の逸材」という紹介で現れたBOYS AND MENは、キレのあるダンスと威勢のいい歌声でオーディエンスを魅了する。和風のアレンジが印象的な氣志團提供の「GO!! 世侍塾 GO!!」や「ヤングマン~B.M.C.A~」では振り付けもレクチャーし会場を巻き込み踊りまくる。さらに「なごやめしのうた」「まえのめりMinority」ではコール&レスポンスも行い、約30分にわたってにぎやかで華やかなパフォーマンスを届けた。

「TRUE LOVE」を歌うKOUICHI(Dr, Cho / 10-FEET)と藤井フミヤ。(撮影:釘野孝宏)

「TRUE LOVE」を歌うKOUICHI(Dr, Cho / 10-FEET)と藤井フミヤ。(撮影:釘野孝宏)[拡大]

ニューロティカ(撮影:青木カズロー)

ニューロティカ(撮影:青木カズロー)[拡大]

メンバーがファンであることに加え、10-FEETのKOUICHI(Dr, Cho)がライブで「TRUE LOVE」を歌っていることが縁でイベントに誘われたという藤井フミヤ。彼は「夜明けのブレス」を皮切りに、大人の色気と貫禄を感じさせる歌声で観客を酔わせていった。さらに彼は「今日、ここに呼んでいただいた理由がありまして……」とKOUICHIをステージに呼び込む。スーツで決めたKOUICHIは緊張の面持ちで、フミヤ本人と「TRUE LOVE」を熱唱。2人の織り成すハーモニーにオーディエンスは惜しみない拍手を送った。

次に氣・リーグのステージには、出演をキャンセルしたRIP SLYMEのピンチヒッターとしてニューロティカが登場。冒頭の映像では綾小路に「2万5000人を前にしても新宿LOFTと同じことをするバンド」と紹介され、「絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!」では綾小路と早乙女光(Dance & Scream)がステージまで応援に駆け付けた。その後もATSUSHI(Vo)がライブ中にスイカの扮装をしたり、「チョイスで会おうぜ」の途中にRIP SLYMEの「楽園ベイベー」を挿入したりと、エネルギッシュかつユーモラスなパフォーマンスでフロアを沸かせた。

湘南乃風(撮影:釘野孝宏)

湘南乃風(撮影:釘野孝宏)[拡大]

10・リーグのステージで湘南乃風が「SHOW TIME」でライブ開始の狼煙を上げると、フロアは湘南乃風やほかの出演陣のタオルを振り回す観客でいっぱいに。彼らは「純恋歌」「曖歌」といったラブソングをたおやかに歌い、「バブル」では女性ダンサーと共に楽しげなダンスを見せる。若旦那が「最後、タオルを掲げろ! 全力でぶつかってこい!」と叫び、「睡蓮花」ではVAMPSの登場を待つ氣・リーグ側にいる観客も巻き込み、会場全体に熱狂を生み出した。

VAMPS(撮影:青木カズロー)

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初日で氣志團と対峙し、この日は味方として出演したVAMPS。HYDE(Vo, G)が金髪オールバックにスカジャンという出で立ちで激情的な歌声を響かせ、K.A.Z(G)は寡黙にギターソロを奏でたり、激しいアクションと共にギターリフを刻んだりと緩急のあるパフォーマンスで観客を圧倒していく。MCでHYDEは「氣志團を応援しに来ました。昨日の敵は今日の友って本当にそれだな」とコメント。キラーチューン「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」でフィニッシュを決め、フロアが興奮した空気に包まれる中、HYDEは投げキッスを飛ばして去り際までファンを喜ばせていた。

N∀OKI(Vo / ROTTENGRAFFTY)とTAKUMA(Vo, G / 10-FEET)(撮影:釘野孝宏)

N∀OKI(Vo / ROTTENGRAFFTY)とTAKUMA(Vo, G / 10-FEET)(撮影:釘野孝宏)[拡大]

8時間におよぶ対決を経て、いよいよ「万博大作戦日本シリーズ」も両チームの大将の出番に。怒号のような歓声に迎えられた10-FEETは、ROTTENGRAFFTYのボーカル2人を迎えて「その向こうへ」を披露し会場に熱狂の渦を作り出す。対決でありながらも相手へのリスペクトは忘れずTAKUMA(Vo, G)が「One Night Carnival」のワンフレーズを思わせるフレーズを弾いたり、「氣志團ありがとう! これからも“アポストロフィー”の向こうへ行こう!」と叫んだり、氣志團を意識したパフォーマンスを披露。また3人は「RIVER」では大きなシンガロングを巻き起こし、「CHERRY BLOSSOM」では観客にタオルを舞わせ、壮観な景色を生み出して氣志團のステージにつなげた。

氣志團(撮影:青木カズロー)

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「One Night Carnival」をパフォーマンスする氣志團と10-FEET。(撮影:青木カズロー)

「One Night Carnival」をパフォーマンスする氣志團と10-FEET。(撮影:青木カズロー)[拡大]

対する氣志團は、綾小路翔(Vo)のドラムソロからのメドレーという流れで観客を楽しませる。MCで綾小路は音楽をきっかけに知り合いが増えたこと、10-FEETと仲良くなりたくてイベントを企画したことをまくしたてるようにトーク。さらに今年も「氣志團万博」を地元で開催することを高らかに宣言した。最後は「One Night Carnival」で大団円と誰もが思ったそのとき、曲の途中で綾小路は観客に向かって「ホントはこの曲に飽きてるんだろ?」ボヤき始める。そして「氣志團は今生まれ変わる!」というアナウンスを経て、Suchmos「STAY TUNE」ふうのアレンジで「One Night Carnival」を熱演してみせた。さらに“恋ダンス”のアレンジを盛り込んだパフォーマンスを始めると、10-FEETのメンバーが学ランを着用してステージに。氣志團も10-FEETも笑顔で踊り、最後は一列に並び深々とお辞儀をして対決に幕を下ろした。

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「THE GREAT ROCK'N'ROLL SEKIGAHARA 2017 ~万博大作戦日本シリーズ~」2017年4月16日 幕張メッセ国際展示場9~11ホール セットリスト

ヤバイTシャツ屋さん

01. Tank-top of the world
02. 無線LANばり便利
03. ヤバみ
04. ネコ飼いたい
05. ウェイウェイ大学生
06. メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
07. 喜志駅周辺なんもない
08. あつまれ!パーティーピーポー

ももいろクローバーZ

01. CONTRADICTION
02. 武陵桃源なかよし物語
03. DECORATION
04. SECRET LOVE STORY
05. 走れ!

ROTTENGRAFFTY

01. STAY REAL
02. So...Start
03. 響く都
04. D.A.N.C.E
05. 新曲
06. This world
07. 金色グラフティー

キュウソネコカミ

01. ビビった
02. ファントムヴァイブレーション
03. 邪邪邪 VS ジャスティス
04. DQNなりたい、40代で死にたい
05. ビビった(ワンナイトカーニバル Ver.)
06. ハッピーポンコツ

東京スカパラダイスオーケストラ

01. Paradise Has No Border -short-
02. DOWN BEAT STOMP
03. hammer ska
04. 閃光
05. Samurai Dreamers <サビレルナ和ヨ>
06. Routine Melodies
07. All Good Ska is One

BOYS AND MEN

01. バリバリ☆ヤンキーロード
02. ヤンファイソーレ
03. GO!! 世侍塾 GO!!
04. ヤングマン~B.M.C.A.~
05. なごやめしのうた
06. まえのめりMinority
07. YAMATO☆Dancing

藤井フミヤ

01. 夜明けのブレス
02. この空の真下で
03. わらの犬
04. GIRIGIRIナイト
05. 愛しいゴースト
06. TRUE LOVE

ニューロティカ

01. シェリーは祭りが大好き
02. 嘘になっちまうぜ
03. 絶対絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!
04. 飾らないままに
05. 五十の夜
06. ア・イ・キ・タ
07. 夏・スイカ・27才
08. チョイスで会おうぜ

湘南乃風

01. SHOW TIME
02. Joker
03. Born to be WILD
04. 黄金魂
05. 純恋歌
06. 曖歌
07. バブル
08. 睡蓮花

VAMPS

01. INSIDE OF ME
02. LIPS
03. DEVIL SIDE
04. CALLING
05. IN THIS HELL
06. UNDERWORLD
07. AHEAD
08. SEX BLOOD ROCK N' ROLL

10-FEET

01. VIBES BY VIBES
02. その向こうへ
03. Freedom
04. 1sec.
05. アンテナラスト
06. ヒトリセカイ
07. RIVER
08. CHERRY BLOSSOM

氣志團

01. SHOW Drum Solo ~ 愛してナイト! ~ 恋人 ~ 湾岸夜想曲~ルシファーズ・ハンマー'94~ ~ 喧嘩上等 ~ 愛羅武勇 ~
02. スタンディング・ニッポン
03. ゴッド・スピード・ユー!
04. One Night Carnival

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※記事初出字、セットリストの一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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