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細野、エゴ、SOIL登場「CIRCLE」2日目は雨のMETAFIVEで大団円

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METAFIVE

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5月14、15日に福岡・海の中道海浜公園 野外劇場でライブイベント「CIRCLE '16」が開催された。ここでは15日公演のレポートを掲載する。

今回初めて2DAYSで執り行われた「CIRCLE」。昨年導入されたCIRCLE STAGEとKOAGARI STAGEの2ステージ制は今年も踏襲され、2日間で合計20組を超えるアーティストたちが入れ替わりでライブパフォーマンスを行った。15日は、「CIRCLE」の出演者公募企画「来たれ!ニューカマー!」を勝ち抜き、オープニングアクトに選ばれたStephen Smithを含め計12組が登場。また前日同様に、カクバリズムの角張渉社長らDJ陣がDJブースでイベントを華々しく盛り上げた。

Stephen Smith(オープニングアクト)

2日目の「CIRCLE」は、イベント史上初めての「来たれ!ニューカマー!」枠での出演者となった福岡の3人組バンドStephen Smithのライブでスタートした。KOAGARI STAGEに立った掛優大(G, Vo)、市原太郎(Dr)、村上泰平(B)の3人は叙情的なギターロックナンバー「偶然生まれた良いサウンド」や効果的なエフェクター使いでドラマチックな音世界を表現した「夜釣」など計5曲を演奏。緊張した表情を見せながらも、しっかりとバンドの持ち味をアピールした。

ペトロールズ / ハンバート ハンバート

CIRCLE STAGEトップバッターのペトロールズは、「not in service」を爆音で奏で本編のスタートを華々しく演出した。ステージ前に陣取った大勢のファンは長岡亮介(Vo, G)のクリアなボーカルと、「一糸乱れぬ」と言っても過言ではない3人のバンドアンサンブルを、「表現」「Talassa」「Fuel」など計7曲にわたって堪能。「雨」の熱演で壮絶なフィナーレを迎えると、客席から黄色い歓声が飛び交った。KOAGARI STAGEエリアに収まりきらないほどの集客となったハンバート ハンバートのステージは、佐藤良成(Vo, G, Violin)のユルいトークで幕開け。2人はオープニングナンバーとして6月8日リリースのデビュー15周年記念盤「FOLK」から、電気グルーヴ「N.O.」のカバーをセレクト。伸びやかに声を合わせて、一気に会場を独自の世界観に塗り変えた。その後も新曲「横顔しか知らない」や代表曲「おなじ話」、吉田拓郎のカバー「結婚しようよ」など「FOLK」の収録曲を多数届けた。

SOIL & "PIMP" SESSIONS / キセル

SOIL & "PIMP" SESSIONSのライブは序盤から、6人編成ならではの分厚いサウンドと、社長(アジテーター)の煽りで観客を熱狂させていく。中盤で「表nothin'裏girl」「POP KORN」を続け各々の演奏力を見せつけたのち、「Spartacus Love Theme」でオーディエンスをクールダウンさせるなど、ライブ巧者らしい振る舞いも出色となった。最後は元晴(Sax)とタブゾンビ(Tp)が伸びやかに音を重ねる「SUMMER GODDESS」を投下。ファンが大勢詰め掛けたステージ前方の暑さをさらなるものにしていた。キセルはlakeの北山ゆう子をサポートドラマーに加えた3人でライブを展開。最初から代表曲「ベガ」を投下し、昼過ぎのKOAGARI STAGEをサイケとポップが混ざった独自の世界観で染め上げた。その後3人は「ピクニック」「わかってんだろう」「ギンヤンマ」など人気曲を惜しげもなく重ね、魅力を存分に表現して出番を終えた。

ハナレグミ / 高田漣

ハナレグミは、真船勝博(B)、菅沼雄太(Dr)、市原“YOSSY”貴子(Key)、市原“icchie”大資(Tp, Flute)、武嶋聡(Sax, Flute)という編成で登場。SUPER BUTTER DOG後期に作り上げた「大安」でライブをスタートさせたのち、「無印良人」「オアシス」など近年の代表曲で伸びやかに歌声を響かせた。最後は「おあいこ」をしっとりと歌い上げ、午後の野外に心地よい時間を作り出した。高田漣は、実父・高田渡の楽曲のみを演奏するというコンセプチュアルなステージを展開。観衆を座らせリラックスさせすると、時折渡との思い出やを語ったり、「ブルース」「ごあいさつ」などをメドレーで披露したりとゆったりとライブを進行させた。「コーヒーブルース」「系図」といった代表曲もしみじみと歌い上げ、最後の「生活の柄」では、キセル、ハンバート ハンバート、そして渡の友人であるマンガ家のうえやまとちをステージに呼び込み、計6人で賑やかに父の名曲を届けた。

EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX / 在日ファンク

「CIRCLE」常連のEGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXXは2ホーン編成で登場。彼らのステージ前には、“踊り行く”とでも言わんばかりに大勢観客が詰めかけていた。バンドは4月に発売したベスト&カバーアルバム「ROUTE 20 HIT THE ROAD」から新曲「human beat」とイアン・デューリーのカバー「inbetweenies」を福岡のファンにお披露目。いずれも中納良恵(Vo)のエフェクトをかけたボーカルとバンドのグルーヴィな演奏がファンの体を揺さぶっていった。最後は「10万年後の君へ」「サイコアナルシス」「GO ACTION」と鉄板ナンバーを畳みかけ、ツアー真っ只中らしい充実のパフォーマンスで熱狂を生み出した。KOAGARI STAGEエリアにびっしりとオーディエンスを集めた在日ファンクは、「イントロ」から次々とファンクチューンを連発。浜野謙太(Vo)のコミカルな動きと厳つさを感じさせるほどのストイックな演奏で「ぬるまゆファンク」「京都」「むくみ(アフロ)」など全7曲を届けた。

細野晴臣 / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック

こちらも常連組である細野晴臣は、高田漣(G)、伊藤大地(Dr)、伊賀航(B)、斎藤圭土(Piano)を引き連れ登場。5月初旬に40年ぶりに神奈川・横浜中華街でライブを行った細野は、この日も中華街公演と同じ「北京ダック」「香港ブルース」から演奏をスタートさせた。ソロ初期の名曲「はらいそ / Paraiso」やディズニー映画「白雪姫」の「Heigh-Ho」のカバーなど、中華街公演を踏襲したセットリストを煌めくようなアンサンブルで届け、終盤は、斎藤のピアノにより躍動感が増したブギナンバーを連発。観客とほかの出演アーティスト唸らせていた。KOAGARI STAGEのラストを飾ったのは向井秀徳アコースティック&エレクトリック。向井はテレキャスターとアコギを使い分けながら、ZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」や、向井アコエレの「SAKANA」、NUMBER GIRLの「ZEGEN VS UNDERCOVER」などを弾き語っていく。さらに映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」劇中曲の「天国」や、映画「ディストラクション・ベイビーズ」主題歌「約束」などもプレイ。終盤にはYUI「CHE.R.RY」や松任谷由美「守ってあげたい」を、向井らしい歌唱スタイルでカバーした。

METAFIVE

初の2DAYSとなった「CIRCLE」の大トリ・METAFIVEの面々がステージに登場する直前、会場は雨に見舞われた。しかしCIRCLE STAGEのステージ前には大勢のオーディエンスが押し寄せ、スーパーバンドのライブに対する期待値の高さをうかがわせていた。小山田圭吾、ゴンドウトモヒコ、砂原良徳TOWA TEILEO今井高橋幸宏が存在感を放ちながら姿を見せたところで、いよいよ2日間にわたって行われたイベントは大トリの時間を迎える。「Albore」のイントロシーケンスが走り出すと、会場のテンションは最高潮に。それからバンドは、幸宏と今井が曲によってメインボーカルを変わりながら、本編計9曲にわたってスタイリッシュなライブパフォーマンスを繰り広げていった。

観客は大雨に打たれる中、曲が終わるたびに絶叫のような歓声をステージに送り、バンドの熱演を加速させていく。CD音源よりもはるかに小山田のギターが存在感を示す「Luv U Tokyo」や、ギターのスタッターエフェクトによる壮絶かつジャンクなサウンドをバックに幸宏が淡々と歌唱する「Turn Turn」などを経て、幸宏のドラム&ボーカルで「Radio Junk」がセルフカバーされると、「CIRCLE '16」はクライマックスへ。観客は体を揺らしながらも、1音も聴き漏らすまいといった様子でステージに視線を向けていた。本編ラストにセレクトされたのは、全メンバーの”らしさ”の応酬といった印象の「Don’t Move」。バンドはアグレッシブかつラウドに同楽曲を届け、一旦ステージをあとにした。アンコールでバンドは、今井作によるアメリカンロックテイストの「Disaster Baby」と、幸宏作によるイエロー・マジック・オーケストラの名曲「Cue」を披露。「Cue」ではYMOともpupaとも違った同曲の魅力を打ち出し、雨の野外に最高のロケーションを作り出していた。

写真提供:CIRCLE

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