Curly Giraffe×Caravanがクアトロ生セッション実現
2009年5月15日 19:42 1
2007年以来、実に約2年ぶりの開催となった「Super Session」。前回に引き続きゲストには
定刻に暗転するとさざめくような拍手が起こり、ゲストのCaravanが登場。「今日は面白いと思いますよ」とこれから起きる出来事を予見するような言葉を口にした後、「Well-Come」でじっくりと会場をあたため、その世界観へオーディエンスを誘っていく。続いての「Glory days」「Strange Garden」では、オーディエンスの美しいハンドクラップが響き早くも会場との一体感が生み出された。
この日のCaravanは弾き語りスタイルだったため、ステージにはサンプラーなどの機材類も。ギターの音色をその場で取り込みながらパフォーマンスを行うなど、昨年開催の「Lonesome Soul Survivor TOUR」を彷彿とさせるライブとなった。3曲目を演奏し終えた後、堀江博久(Key)をステージに迎え入れると「今日は2人Caravanです」とはにかむように挨拶。堀江の弾くファニーなピアニカに乗せ「Trippin life」を歌い始め、サビでは堀江もコーラスに加わり、楽曲の多幸感あふれる雰囲気を倍増させていった。
2人は何度も顔を見合わせながら演奏を続けるが、曲の終盤でサンプラーにトラブルが発生。なんとか手拍子と合唱に助けられながら切り抜けると、「コンピュータは言うこと聞いてくれないねぇ。打ち合わせが足りないのかな?」と苦笑いを浮かべた。
なんとなく始まったMCでは、温泉&お風呂仲間であるという2人がステージ上で温泉トークを展開。まったりした雰囲気に、堀江は「これCaravanのライブだよね?」と呟き会場を笑わせる。堀江とのセッション後は、ギター1本と歌だけの「Re-birthday」を歌い上げ、ラストはファンとのコール&レスポンスが肝の「FLOKS」を披露。普段より少しアグレッシブなアレンジで展開し、あたたかな歓声と拍手に見送られステージを降りた。
ステージ転換を経て、この日のメインアクトCurly Giraffeがステージに姿を現すと、歓声や指笛が方々からあがる。Curly Giraffeは流暢な発音で「Hello, this is Curly Giraffe」と挨拶すると、ニューアルバムの1曲目「Forbidden Fruits」でライブの幕を開けた。2曲目の「Chaos」ではミラーボールがフロアを照らし、細い身体から放たれる甘いロウトーンの歌声がオーディエンスをドリーミーな気分にさせていく。
なお、最近のCurly Giraffeのライブは白根賢一(Dr)、藤田顕(G)、堀江の4人編成が定番となりつつあるが、この日は奥野真哉を加えてのキーボード2人体制。「Super Session」ならではの特別編成だが、男5人がステージにひしめき合っている様子はほほえましくもあった。
「96708」「Run Run Run」などのアップテンポナンバーを経て、とりわけセクシーな歌声が響く「Mood」を歌い終えると、1回目のMCコーナーへ。Curly Giraffeはマイクの前でおもむろに「昨日夜中寝てたらコウモリが出たんですよ」と話し始めるが、オチのないトークに会場からは失笑混じりの笑いが沸いた。その後は、「Fountain Of Youth」をはじめスローテンポのメランコリックな楽曲が続き、「Sunshine Baby」ではインプロさながらのセッションを展開。ステージ上ではメンバーが音を介してのコミュニケーションを繰り返し、Curly Giraffeのプレイヤーとしての表情が露になる瞬間もあった。
終盤に差し掛かった頃、「せっかくの『Super Session』なので、セッションしようかな」とゲストのCaravanを再びステージに呼び入れる。Caravanは冒頭のコウモリ話を受け「ウチもコウモリ拾ったことあるよ」「窓にバーンとぶつかってきてびっくりした」と語ると、Curly Giraffeは「ウチは中だもん。超ビビったよ!」と返した。
Caravanのチューニングも終わったところで、いよいよセッションがスタート。1曲目として披露されたのは「The Flying Dutchman」。2人は時折向かい合いながら笑顔を浮かべ、ステージに立っていることの喜びを体現するように音を重ねた。演奏し終えると、Curly Giraffeは満足げな笑顔で「ヤバイねぇ。家に帰ったらいろんな人に(Curly Giraffeのライブは)ヤバイって言っといて」とアピールした。
本編のラストを飾ったのは「You Just Swept Me Off My Feet」。ここでも「Sunshine Baby」の時のようなインプロが盛り込まれ、ステージ上の6人は交感を楽しむように演奏を繰り広げる。スタジオでのセッションをステージ上に持ってきたような高揚感は、オーディエンスにも伝染。誰もがその音を聴き逃すまいと固唾を飲んで見守っていた。
6人がステージを去った後も、もちろん会場の熱気は冷めず。アンコールを求める拍手とコールに呼ばれメンバーが次々とステージに戻ってくる中、Curly Giraffeはビールを片手にゆるい雰囲気を醸し出す。再びマイクの前に立つと、「感無量です」と親指を立てオーディエンスに感動を伝えた。アンコール1曲目の「Stand」に続き、ギターの柔らかなイントロから始まる「Spilt Milk」ではリラックスした空気が会場を満たす。楽曲の終盤ではライブの終わりを惜しむように何度も何度もラストフレーズを繰り返す様子をみせた。
Curly GiraffeとCaravanの生セッションをはじめ、イベントやフェスでは味わえない新旧を網羅したセットリストなど濃密な内容となったこの日。終演後、その贅沢な時間の余韻を楽しむように、誰もが満面の笑みを浮かべていたのが印象的だった。
「Super Session Vol.2」セットリスト
■Caravan
01. Well-Come (instrumental)
02. Glory days
03. Strange Garden
04. Trippin life
05. ハミングバード
06. Re-birthday
07. FLOKS
■Curly Giraffe
01. Forbidden Fruits
02. Chaos
03. 96708
04. Run Run Run
05. Mood
06. Fountain Of Youth
07. Sunshine Baby
08. ROCKETMAN
09. Tricky Adult
10. My Dear Friend
11. Hana
12. The Flying Dutchman (w/Caravan)
13. Water On (w/Caravan)
14. You just swept me off my feet (w/Caravan)
15. Stand
16. Spilt Milk
リンク
- Caravan official site
- curlygiraffe.com
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音楽ナタリー @natalie_mu
Curly Giraffe×Caravanがクアトロ生セッション実現 http://natalie.mu/news/show/id/16513