中納良恵「窓景」の世界再現したグローブ座公演

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中納良恵のソロアルバム「窓景」リリースに伴う全国ツアー「live tour 窓景」が、3月10、11日の東京・東京グローブ座2DAY公演でファイナルを迎えた。ここでは10日のライブの様子をレポートする。

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)

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約7年ぶりに発表した2ndソロアルバム「窓景」を携え、2月から7都市を回ってきた中納。本ツアーには、アルバムの完成に大きく寄与した菅沼雄太(Dr)をはじめ、武嶋聡(T.Sax, Flute, Clarinet)、YOSSY(Key / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、icchie(Trumpet, Trombone / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、伊賀航(B)といった面々がバンドメンバーとして帯同した。

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)

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ステージの上方にシーリングされた窓枠のオブジェが独特な雰囲気を醸す会場に、中納は1人白いスーツ姿で登場。まずは挨拶代わりに自身の頭や足を叩くとスネアやハットのサンプルが鳴るという“全身ドラム”を披露し観客を驚かせる。そしてそのままループサンプラーで自身の声をループさせながら、「Ding Gong」の演奏へ。ループサンプラーと“全身ドラム”のサウンドを掛け合わせてグルーヴさせるという斬新なパフォーマンスで公演をスタートさせた。続いてステージ下手側に設置されたグランドピアノに陣取ると、「Ding Gong」の途中に合流してきたバンドメンバーとともに「Talk to you」「I'm a piano」という「窓景」収録曲を連投。芳醇な楽器のアンサンブルから音響的なサウンドまで、さまざまなテクスチャーが混在することが大きな特長である「窓景」の世界観を、実際の演奏でファンに提示していった。

「ソロって『どんな感じなのかな?』って構えていらっしゃる人もいるかもわからないですが、私のワガママを発揮していこうかと思いますのでよろしくお願いします(笑)」という最初のMCに続いて届けられたのは、「あくび」「ソレイユ」といった1stアルバム「ソレイユ」のナンバーの数々。バンドはこれらの楽曲を最新のアレンジで披露した。またライブの序盤には、菅沼のマルチプレイヤーぶりが光るパートも。菅沼は「no place to hide」ではピアノとコーラスを、「ソラノキオク」ではギターを、「beautiful island」ではギターとコーラスを担当し、中でも「ソラノキオク」と「beautiful island」は中納と2人きりで深みのあるアンサンブルを構築した。

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)[拡大]

なお本公演の中盤には、中納によるピアノ弾き語りコーナーも用意された。ここで中納は「夢」「しずく」といったメロウなナンバーや、坂本慎太郎が歌詞を提供し話題を集めた「写真の中のあなた」、かまやつひろし「やつらの足音のバラード」のカバーなどを選曲。さらに「異邦人」のカバーや「色彩のブルース」など、EGO-WRAPPIN'ファンにとってなじみ深い楽曲もプレイしていった。特に「色彩のブルース」はフリーフォームなスタイルで届け、エゴのバージョンとは違った楽曲の魅力を打ち出していった。

再びバンドが登場し、「ケムニマイテ」で会場の雰囲気を一変させると、いよいよライブは終盤へ突入していく。バンドの一体感を強く感じさせた「四角のトモダチ」のあと、彼らはTelex「My Time」をカバーを披露。武嶋やicchieがKaoss Padなどで繰り出すパッドサウンドと軽やかな四つ打ちのリズムが、オーディエンスの体を揺らしていく。さらにこの曲では、中納が七色に光るアフロのカツラを着用したり、バンドの面々が光るサングラスをかけたりといった演出がオーディエンスの目を楽しませていた。

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)

3月10日に実施された中納良恵「live tour 窓景」東京グローブ座公演の様子。(撮影:三田村亮)[拡大]

観客を総立ちにした「SCUBA」のあとは、本編ラストナンバーとして「あのね、ほんとうは」がプレイされた。機材の不調によりコーラスのパートが再現されなかったものの、伊賀や菅沼がグラスハープを鳴らしたり、ピンポン球をバウンドさせたりして雰囲気を作り出し、本編最後を幻想的に彩った。その後アンコールで再び登場した中納は「やりたい曲をいっぱいやらせていただいて、すごい幸せでした」と挨拶をすると、「窓景」のリードトラックである「濡れない雨」をプレイ。豊かなバンドのアンサンブルをバックに、叙情的なメロディを会場いっぱいに響かせた。

中納がボーカルを務めるEGO-WRAPPIN'は4月12日に東京・中野サンプラザホール、5月8日に大阪・フェスティバルホールでワンマンライブを実施。いずれの公演もチケットの発売がスタートしている。

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中納良恵「live tour 窓景」
2015年3月10日 東京グローブ座 セットリスト

01. Ding Gong
02. Talk to you
03. I'm a piano
04. あくび
05. ソレイユ
06. 大きな木の下
07. no place to hide
08. ソラノキオク
09. beautiful island
10. 夢(弾き語り)
11. しずく(弾き語り)
12. 写真の中のあなた(弾き語り)
13. やつらの足音のバラード(弾き語り)
14. 異邦人(弾き語り)
15. 色彩のブルース(弾き語り)
16. ケムニマイテ
17. 四角のトモダチ
18. My Time
19. SCUBA
20. あのね、ほんとうは
<アンコール>
21. 濡れない雨

EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX「HALL LOTTA LOVE ~ホールに溢れる愛を~」

2015年4月12日(日)東京都 中野サンプラザホール
2015年5月8日(金)大阪府 フェスティバルホール

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