サザン「勝手にシンドバッド」でカウントダウン、紅白生中継サプライズも

サザンオールスターズが昨日12月31日から本日1月1日にかけて「サザンオールスターズ 年越しライブ2014『ひつじだよ！全員集合！』」の最終公演を神奈川・横浜アリーナで実施した。

彼らにとって9年ぶりのカウントダウンライブとなるこの日のステージは、4日間にわたる横浜アリーナライブの最終公演として開催。新旧のヒット曲やレアなアルバム曲、さらに最新シングル「東京VICTORY」まで計34曲のバラエティに富んだセットリストが披露され、集まった約1万5000人のファンは華やかな年越しのステージを楽しんだ。

開演時刻の21:30になるとバンドメンバーが登場し、濃厚な「Big Star Blues（ビッグスターの悲劇）」の演奏でライブの幕を開ける。そのまま「フリフリ'65」「希望の轍」と畳みかけると、会場は序盤から大きな高揚感に包まれた。

桑田佳祐（Vo, G）による短いMCを挟んでライブは「懐かしの選曲コーナー」と題したパートへ。彼らは「気分しだいで責めないで」「匂艶THE NIGHT CLUB」「メロディ（Melody）」と1970～80年代のシングルヒット曲を連発したのち、ファンから厚い支持を集めるアルバム収録曲も多数演奏していく。「死体置場でロマンスを」では野沢“毛ガニ”秀行（Per）のパーカッションソロに続いて「野沢毛ガニ 今年ついに 還暦になっちまった」という替え歌が披露され、「鎌倉物語」ではメインボーカルを担当する原由子（Key, Vo）がしっとりとした歌声を響かせた。

桑田は「センター！ アリーナ！ スタンド！ 立ち見！ バックステージ！」と全方位を取り巻く観客に呼びかけつつ、「WOWOW！ ライブビューイング！」と映像で見守る観客への気配りも忘れない。そして「バラしちゃいますけど（このライブ本編の）最後に『勝手にシンドバッド』をやって年越し迎えます」と明かすと、場内からは大きな歓声が上がった。

続く「ちょっとだけ、新しい目の選曲のコーナー」と題したパートでは「BLUE HEAVEN」「SAUDADE～真冬の蜃気楼」といった90年代後期のナンバーも演奏。MCで桑田は今年紫綬褒章を受章した際のエピソードに触れつつ、「ラブユー東京」のメロディで「♪紫綬 紫綬 みんなの褒章」と歌う替え歌「ラブユー褒章」を披露して場を和ませた。

横浜を舞台にした楽曲「涙のアベニュー」「思い出のスター・ダスト」「シャ・ラ・ラ」「LOVE AFFAIR～秘密のデート～」を歌い上げたあと、桑田は「ここで紅白に入るのか」とコメントする。そのまま桑田はチョビヒゲをつけて中継開始を待ち、31年ぶりの「NHK紅白歌合戦」で「ピースとハイライト」「東京VICTORY」の2曲を披露。平和と再生を願う力強いメッセージを全国のお茶の間に届けた。

ここからライブは終盤戦へ突入。レーザー光線が飛び交い、女性ダンサー陣が入り乱れる中、バンドは「爆笑アイランド」「怪物君の空」などダンサブルなロックチューンを連発し、アリーナにダンスフロアさながらの興奮を伝えていく。「BOHBO No.5」「ボディ・スペシャルII（BODY SPECIAL）」で熱気が最高潮に達すると、そのままノンストップで「勝手にシンドバッド」がスタート。曲が終わると同時に1万5000人の観客は一斉にカウントダウンを行い、2015年の幕開けを祝った。

ライブ本編が終わりステージ上に角松が置かれる中、アンコールは「天国オン・ザ・ビーチ」からスタート。桑田は先ほどの紅白生中継について触れ、「テレビは出るたび緊張しておりましたが（今日は）みんながいてくれるからなんと心強いか。やりとげることができました」と集まった観客に感謝の気持ちを伝えた。さらに3月31日にニューアルバムをリリースすること、4月から全国ツアーを行うことを発表し、「みんなに助けてもらって生かされてるってしみじみ感じます」と話して、最後に「Oh! クラウディア」を熱唱。桑田は「愛してるよ！」「死ぬな！」と叫び、9年ぶりの年越しライブは大きな拍手と歓声の中で終了した。

サザンオールスターズはニューアルバム（タイトル未定）を3月31日にリリースし、4月から5大ドーム公演を含む全国10都市21公演の全国ツアーを開催する。