ソロデビュー45周年の原由子「桜の美しい季節に鎌倉芸術館で」歌で誘う“2つの古都”を巡る旅、大団円で幕

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原由子(サザンオールスターズ)のライブ「伊右衛門 presents 原 由子 45th Anniversary Live『京都・鎌倉物語 2026』」の最終公演が、4月7日に神奈川・鎌倉芸術館で開催された。

原由子

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桜の美しい季節、鎌倉芸術館で

1981年4月に「I Love Youはひとりごと」でソロ活動を開始し、今年ソロデビュー45周年を迎える原。「京都・鎌倉物語 2026」はこれを記念したアニバーサリーライブで、3月31日、4月1日に京都・ロームシアター京都 メインホール、4月6、7日に神奈川・鎌倉芸術館と、2つの古都を舞台に計4公演が行われた。さらに最終公演は全国の劇場でライブビューイングも実施され、約1万5000席が完売する盛況ぶりだった。本稿では、7日の最終公演の模様をレポートする。

開演時刻の18:30を迎えると、BGMに乗せてバンドメンバーがステージへ。斎藤誠(G)に中シゲヲ(G)、山内薫(B)、片山敦夫(Key)、山本拓夫(Sax)、TIGER(Cho)、金原千恵子(Violin)。サザンオールスターズや桑田佳祐のステージでもおなじみの手練の面々に加え、ドラムを叩くのは松田弘(サザンオールスターズ)だ。彼らの姿に自然と拍手が湧き起こり、期待感が充満した会場に姿を見せた原は、「あじさいのうた」でアニバーサリーライブの幕を開けた。

原とバンドメンバーが音を重ねると、色とりどりの和傘をあじさいの花に見立てて飾った美しいモチーフがステージ奥に現れ、観客の目を奪う。あじさいの花を濡らす雨粒のように軽やかに跳ねるリズムでクラップを誘ったのち、原は芽吹きの季節にぴったりの「春待ちロマン」を2曲目に選曲。スクリーンにも桜吹雪舞う湘南の名所が次々に映し出され、原が響かせる晴れやかな歌声を視覚的に彩った。

原由子

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「桜の美しい季節に鎌倉芸術館で皆さんにお会いできたことがとてもうれしく、感謝申し上げます」。最初のMCでそう告げた原は、ソロデビュー45周年という節目を「この歳でソロライブができるなんて、自分が一番驚いています」と表現した。そして「今日は年齢のことを忘れて、恋の歌をいっぱい歌いたいと思います」と宣言すると、「恋の歌を唄いましょう」「シャボン」とサザンオールスターズの2曲を続け、それぞれの恋模様を歌い描いていく。サックスの音色が艶やかなムードを演出した「シャボン」では、浮遊感たっぷりに歌われる「シャボン シャボン シャボン」のリフレインが、主人公の儚く寄る辺ない思いを鮮やかに浮かび上がらせた。

原の歌声のエバーグリーンな輝き

2度目のMCでは自身がここまで歩んできた人生の軌跡に触れ「2月に古希を迎えた人(サザンオールスターズ桑田佳祐)も『一生青春』と言っていましたが、私もそんな気持ちで」と、60代最後の年を楽しむことを誓った原。年齢を話題に小気味よいトークでファンを沸かせるも、35年前にリリースされた「Anneの街」「少女時代」の演奏では、その清涼感あふれる歌声がエバーグリーンな輝きをたたえていることを証明する。最新アルバム「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」からの1曲「鎌倉 On The Beach」へと展開すると、原とバンドメンバーが奏でる晴れやかなアンサンブルと息の合った美しいハーモニーが、まぶしい夏の海辺の情景を描き出した。

宇崎竜童作曲、関口和之(サザンオールスターズ)作詞による1981年のナンバー「うさぎの唄」では雰囲気が一変。「『まんが日本昔ばなし』の世界観で」と誘った原の言葉通り、ステージには農夫姿のダンサーとうさぎの着ぐるみが姿を見せ、語り部のように紡がれる原の歌声に体を揺らす。すると、続く「夕方Friend」ではスチールパンのトロピカルな響きがカリブの風を吹かせ、観客は時代も距離も超えた音の旅を楽しんだ。またこの曲の中ではバンドメンバーの紹介が行われ、原に名前をコールされた面々はスキルフルなソロを回して客席を大いに盛り上げた。

青山学院大学の後輩である斎藤が語る、原の学生時代のエピソードを呼び水に「いちょう並木のセレナーデ」で次のシーンへと進むと、原はアコースティックギターの弾き語りで演奏を届けた。ステージ後方に出現した大木は銀杏色に染まり、「学生時代の楽しい思い出を歌にした」というこの曲の情景を豊かに可視化する。「唐人物語(ラシャメンのうた)」では、美しいゆらぎをたたえたボーカルと一面に広がるスモークが幻想的な世界観を創出。1曲1曲こだわり抜かれたステージ演出が、原の描き出す歌世界をより鮮明に聴衆へと届ける。

2つの古都を巡る物語

後半には「京都・鎌倉物語」というライブタイトルにちなんだひとときも。「今日は古都・鎌倉で、皆さんと旅の気分を味わってみたいと思います」と告げた原は「旅情」でオーディエンスを歌の旅へと誘う。原が奏でるシンボリックなイントロのフレーズに拍手が湧き起こった「鎌倉物語」では、楽曲の舞台で響きわたる原の涼やかな歌声に聴衆がじっくりと聴き入る。“旅先”を西に移し「京都物語」へと展開すると、ぐっと深みを増した原のボーカル。悠久の都で描かれる恋愛模様をムーディに歌い上げ、コントラスト鮮やかに表現する二都の情景でオーディエンスを魅了した。

「生まれて初めてリードボーカルを取った曲。この曲がなかったら、45周年のソロライブはできなかった」。そんな深い思い入れと共に「私はピアノ」が届けられるとライブも佳境。力強いタッチで鍵盤を叩き、ドラマチックな響きでオーディエンスの体を揺らした原は、「恋は、ご多忙申し上げます」で「盛り上がっていきましょう!」と呼びかけ、軽快なモータウンビートで会場のテンションをグッと引き上げる。観客が総立ちになって盛り上がる熱狂のムードを加速させるように、続く「ハートせつなく」の小気味よいバンドアンサンブルでクラップを誘うと、エリック・クラプトンをモチーフにした「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」ではロックスピリットが炸裂する。テープキャノンの発射音と共にマイクを握ってステージ前方に繰り出した原が本編の最後に届けたのは「じんじん」。ダンサーたちと一緒にツイストダンスを踊って今この瞬間を思い切り楽しむ、そのはつらつとした姿をファンの目に焼き付けてステージをあとにした。

「京都・鎌倉物語 2026」の様子。

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穏やかな日々が続くことを祈って

アンコールを求める熱烈な拍手に応える形でステージに戻った原。バンドメンバーによるThe Ventures「Walk Don't Run」の演奏で再び会場に熱が戻ったところで、TIGERと共にザ・ピーナッツ「恋のフーガ」を歌い上げる。そのまま「そんなヒロシに騙されて」へと展開すると、「そんなヒロシが」のパートで松田弘に視線を集めるお茶目なアレンジがファンの笑顔を誘った。曲を終え「こんなふうにライブ活動をできるのは、素晴らしい仲間とスタッフ、そして何より皆さんのおかげです」と感謝を口にした原。「皆さんのこれからの未来が素敵なものになりますように」という願いと共に、ライブを締めくくる「花咲く旅路」がスタートすると、ステージ後方の大木は桜色に染まる。美しい節回しに悠久の願いを込める原の姿に、舞い落ちる桜吹雪が重なったラストシーン。「いろいろ大変なことも多い世の中ですが、穏やかな日々が続くことを祈っています。平和でいたいですね。平和じゃないと、ライブもできないですから」。そんな言葉を最後に届け、原は「京都・鎌倉物語 2026」の幕を下ろした。

セットリスト

「伊右衛門 presents 原 由子 45th Anniversary Live『京都・鎌倉物語 2026』」2026年4月7日 鎌倉芸術館

01. あじさいのうた
02. 春待ちロマン
03. 恋の歌を唄いましょう
04. シャボン
05. Anneの街
06. 少女時代
07. 鎌倉 On The Beach
08. うさぎの唄
09. 夕方Friend
10. いちょう並木のセレナーデ
11. 唐人物語(ラシャメンのうた)
12. 旅情
13. 鎌倉物語
14. 京都物語
15. 私はピアノ
16. 恋は、ご多忙申し上げます
17. ハートせつなく
18. スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)~ いとしのレイラ
19. じんじん
<アンコール>
20. Walk Don't Run~恋のフーガ~そんなヒロシに騙されて
21. 花咲く旅路

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音楽ナタリー @natalie_mu

🌸原由子(サザンオールスターズ)
「桜の美しい季節に鎌倉芸術館で」

ソロデビュー45周年記念
歌で誘う“2つの古都”を巡る旅、大団円で幕
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#原由子 https://t.co/bzd1i9xv8c

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