竹達彩奈“笑顔”と“涙”と“バンド”で魅せたツアー最終日

竹達彩奈のライブ「Colore Serenata」が12月21日に東京・中野サンプラザホールで開催された。

竹達は11月に2ndアルバム「Colore Serenata」をリリース。これに伴い、12月に大阪1公演と東京2公演のリリースツアーを実施した。21日の中野サンプラザホールでのライブは東京2日目の公演にして、ツアー最終公演。その会場には満員の“あやち”ファンが駆けつけた。

定刻、吉田哲人による盛大なファンファーレと竹達のスキャットでアルバムの幕開けを飾った「クロスソルフェージュ」が流れ出すと、ピンクのペンライトを手にしたオーディエンスは大歓声。そして原“GEN”秀樹（Dr / NORTHERN BRIGHT）のカウントとともに「みなさん、こんにちは」「中野サンプラザ最終日盛り上がっていきますよ」とステージに現れた彼女は、原、沖井礼二（B）、小林俊太郎（Key / WaJaRo）、木暮晋也（G / HICKSVILLE）という超強力楽器隊とともに筒美京平作曲の「ちょこっとHONEYCOMB」をドロップ。立て続けに田上修太郎（FRONTIER BACKYARD）作曲のスカパンクチューン「週末シンデレラ」で、オーディエンスとともに「1, 2, 1, 2, Let's Go」「wow wow clap your hands」「wow wow sing-along」と、文字通りシンガロングして自身のツアー最終日をスタートさせた。

改めて竹達が挨拶するそばで沖井がスマートフォン片手にその様子を実況ツイートする、なんとも不思議なMCののち、タクト片手に「Sinfonia! Sinfonia!!!」を歌い、木暮によるアコースティックギターをバックに声優・丹下桜作詞の「マシュマロ」を披露すると彼女は一旦退場。するとステージ後方のスクリーンにとある王国のプリンセスが、魔女に使わされた少女時代の自分とともに城を抜け出すアニメーションが流れ出し、以降、ストーリー仕立てのステージが繰り広げられる。

まさに映像の内容を追うように「プリンセス脱走計画」からライブを再開した竹達は“街で出会った音楽隊”ことサポートバンドに「仲間に入れていただいてもいいでしょうか？」と声をかけ、アニメソングメドレーを展開する。アニメ「神のみぞ知るセカイ」のイメージソングとしてカバーしたこともある、アニメ「ママレード・ボーイ」のオープニング曲、濱田理恵「笑顔に会いたい」を披露すると、その後もファンキーにアレンジされた「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のオープニング曲であるClariS「irony」や、高速ツービートチューンに生まれ変わった、アニメ「迷い猫オーバーラン！」のオープニング曲「はっぴぃ にゅう にゃあ」と自身の出演作のテーマソングを立て続けにパフォーマンス。そして自身と悠木碧のユニット、petit miladyの「azurite」のソロバージョンを披露して、オーディエンスの怒号のような歓声に「楽しんでくれてうれしいよ」と満面の笑顔で応えていた。

煽り映像を挟みつつ、「Colore Serenata」のリードトラックである、津野米咲（赤い公園）プロデュースの「クレンジングラブ」、末光篤プロデュースの「♪の国のアリス」、小林によるピアニカのメロウな旋律が耳に残る「鏡よ鏡」、最新シングル曲「囓りかけの林檎」などを連投し、オーディエンスの大歓声と大きな拍手を集めた竹達は「胸がいっぱいになってしまいました」「ありがとうとしか言えないんですけど」とポツリ。これに客席が「ありがとう！」と返すと「やめてよ」「なんでみんながありがとうなのよ」と照れ笑いを浮かべつつ「私、今日チョー楽しいから！」「みんなのことメッチャ好きだから！」とライブ本編最終盤を一気に駆け抜ける。ロックンロールチューン「CANDY LOVE」では「C・A・N・D・Y」「CANDY LOVE」とオーディエンスと声を合わせ、「わんだふるワールド」では「出ておいで」「まーだだよ」の大コール＆レスポンスを繰り広げ、大盛況のうちにステージをあとにした。

Tシャツにパーカーにニットキャップというツアーグッズにお色直しし、「永遠にキミのことを愛したいと言わせて」でアンコールをスタートさせた竹達は「今日だけの特別な曲を歌いたいと思います」とひと言。「Colore Serenata」リリース日の前日に自身の祖母が逝去したことに触れ「そんなおばあちゃんのために作ってもらった曲を」と、小林作曲、竹達作詞の新曲をピアノをバックにセンチメンタルながらも優しげに歌い上げた。

これに万雷の拍手が集まると、竹達は「個人的な事情なんて関係ないと思っていたんだけど」としながらも「ありがとう」と泣き笑いの表情を浮かべる。そして「湿っぽくなっちゃいましたね」「でもライブですから」「楽しい気持ちで終わりたいじゃないですか！」と、まずはサポートバンドを紹介。ここでバンマスの小林が「スゲー楽しかったね」「スゲーバンドっぽくなってない？」とともにツアーを回った今の竹達とサポートバンドのありようを語ると、竹達は「でもバンドになるまで時間がかかりましたね」「3年一緒にやらせてもらってるわけじゃないですか」と苦笑い。沖井から「3年だったらまだ幼稚園（に通っている時期）だよ」とツッコまれると、今度は「じゃあ次は小学生になれるようにがんばります！」と、力強くもノンキに宣言して、ゲーム「モンスターハンター メゼポルタ開拓記」の映像をバックに、ニットキャップを客席に投げ込みつつ、このゲームのテーマソング「ふぁいっ！」をプレイ。さらに「アイ ラブ ビーフ！」「アイ ラブ ポーク！」の大合唱の中、キラーチューン「ライスとぅミートゅー」を畳み掛けて「Colore Serenata」ツアーと、その最終日を締めくくった。