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宮崎あおいも現場を奔走!少年メリケンサック公開ギグ

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2月10日に赤坂BLITZにて、ライブイベント「少年メリケンサック 公開直前 栗田かんなのバレンタインナイト」が開催された。

これは映画「少年メリケンサック」の公開を記念して行われたもので、銀杏BOYZZAZEN BOYSSAKEROCK、ライムサワー、JAPAN-狂撃-SPECIALという個性派アーティスト5組がゲストで登場。また、この日のステージには司会進行役として、脚本・監督の宮藤官九郎、劇中バンド「少年メリケンサック」のドラマー・ヤングを演じている三宅弘城、そして映画のヒロイン栗田かんなを演じている宮崎あおいの3人も出演した。

客電が落ち、映画の予告篇が大写しにされると、客席の視線は一点に集中する。直後、スクリーンに太いゴシック文字で「選手宣誓」の文字が表示されると、まずは宮藤官九郎、三宅弘城、宮崎あおいの3人が姿を現した。舞台中央に設置されたスタンドマイクの前にそれぞれ陣取ると、3人は右手を上げ「宣誓!」と声を合わせる。

「宣誓!/我々はパンクスピリッツにのっとり/今日のイベントを大成功させるべく/正々堂々/どんなときも/君が君らしくあるために/出演されるアーティストのみなさんの邪魔にならないよう/エラい人、そうでない人の分け隔てなく/基本的に笑顔で/なんとなーくやりすごすことを誓います」

宮崎あおいはこの日、メイプルレコード新人発掘部の一員・栗田かんなとしての参加であることから、ライブ中はお茶汲みなど楽屋周りの仕事や、ローディとしてステージ上のケーブルさばきなどの裏方作業を行うことを宣言した。実際この後、あおいは何度となく幕間のステージに登場することになる。

まずはトップバッター、JAPAN-狂撃-SPECIALが登場。昭和ヤンキー丸出しのルックスと言動で、会場は曲が始まる前から異様な熱気に包まれた。狂撃は就職(メジャーデビュー)してから日も浅く、今回が狂撃初体験とおぼしき観客の戸惑う視線に囲まれた中でのスタートとなったが、「パンキー パンキー パンキー」「VIVA! なめんなよ」「カミカゼロード」などのパンキー(パンク+ヤンキー)なナンバーをテンポよく披露すると、会場は一気に歓迎ムード。関西ヤンキー独特のニュアンスで語られる「俺らのアホさに付いていけてますか?」「お前らの金をわけてくれ」といったMCにも大きな笑いが巻き起こった。ラストは「初めてマジメに作った曲です」と、2ndシングル「朝日」を全力で歌い上げた。客席の盛り上がりを見るかぎり、短い時間で多くの新規ファンを獲得したようだ。

幕間には、オープニングで突然「総合司会」を命じられた三宅弘城がステージ上へ。たどたどしいひとりトークを続けていると、スクリーンに楽屋からの中継映像が映し出された。そちらで出番を終えたバンドに宮藤&あおいがインタビューを行い、ステージでは次のバンドの準備を進めるという段取りだ。そしてインタビューを終えたあおいは、今度はステージ下手にローディとして登場。ただチョコンと座っていただけだったが、男子校の文化祭のようなノリを本気で楽しんでいるようだった。

2番手を務めたZAZEN BOYSは、広いステージの中央にすべての機材を密集させた独特のセッティングで濃密なセッションを展開。顔を突き合わせ、奇怪な変拍子を刻む4人の鬼気迫る演奏に、踊ることも忘れ呆然と魅入ってしまう人も数多く見られた。「きもぴ」「少年メルヘンチックの……」「デトロイト・メタル・シティをよろしくお願いします」といった向井秀徳の雑なMCをはさみつつ、「KIMOCHI」「Honnoji」「Asobi」など6曲が披露された。

入れ替わりで登場した総合司会・三宅は「(松下敦のドラムは)勉強になるなあ」とコメント。楽屋中継では、独特のステージセッティングに対し「回を追うごとに近づいてるよね。最終的にはキスしちゃうんじゃないの?」という宮藤の問いに、客席から大きな笑いが巻き起こった。また、宮崎あおいはステージ上で、映画撮影中に覚えたケーブルさばきの腕前を披露しようとしたが、到着した頃にはすでにあらかた片付いており、しかたなくマイクチェックを担当。たどたどしい様子に思わず萌えたパンクスも多いはずだ。

次に登場したSAKEROCKは、昨年11月にリリースされた最新アルバム「ホニャララ」からの楽曲を中心に、計7曲を披露。中盤はグッドラックヘイワの野村卓史がキーボードで参加し、結成当初のメンバー5人による演奏を繰り広げた。会場全体を支配するパンキッシュなムードに萎縮していたのか、いつもは必要以上に饒舌な浜野謙太もこの日は口数が少なめ。曰く「出演者みんなスタイリッシュなのに、俺は膨張色でもないのに膨張してる……」とのこと。

楽屋インタビューでクドカンに「SAKEROCKはどうだった?」と訊かれ、「ハッピーでおしゃれなサウンドが良かったです」と答えた宮崎あおい。彼女は劇中に登場するバンドGOA(ハマケンを除く3人が演じるギターロックバンド)を先に観ていたため、星野源(G)が歌わないことに驚いたという。作曲者・向井秀徳が「ナンバーガールのパクリ」だと言い張るGOAのナンバー「あいまい模様」。ナンバガファンは映画館でチェックしよう。

4番手に登場したのは、これが2度目のライブとなるライムサワー。直前まで司会として駆け回っていたクドカン&三宅の2人が、緑&黄のジャージを着込み、アラフォー世代とは思えない下世話な内容のラップを披露する。新曲「富士そば」やお互いをディスり合うラップバトルなど、短い時間ながら強烈な印象を残した。

速射砲のようにしゃべり倒すツービートの漫才をBGMに登場したのは、この日のトリを務める銀杏BOYZ。「少年メリケンサック」の主題歌「ニューヨークマラソン」がスタートするなり観客はヒートアップ。いたるところでモッシュ&ダイブが巻き起こり、銀杏の演奏もさらに加熱していく。シンバルを異様な高さにセットしたドラムを破壊するかのように叩きまくる村井守、頭から浴びた練乳をダラダラ垂らしながらギターをかきむしる中村チン、黙々とベースを弾く安孫子真哉に突然回し蹴りを叩き込む峯田和伸。会場内は一気に混沌としたムードに包まれた。

峯田はMCで、先日未成年が起こした痛ましい事件について言及し、「その娘のために、今日はこの歌を歌います」と「銀河鉄道の夜 第二章 ~ジョバンニに伝えよ、ここにいるよと~」を熱唱。その後「あいどんわなだい」「BABY BABY」を続けざまに披露し、この日のライブは終了した。

アンコールには向井秀徳と峯田和伸のユニット・ねらわれた学園が登場。向井が爪弾くアコースティックギターのみをバックに、松任谷由実のカバー「守ってあげたい」を2人で歌い上げた。そして最後は出演者全員が集合したものの「特になにをやるか決めてなかった」とのことで、なぜか三本締めを行うことに。笑いあり涙ありのパンクな一夜は、小気味よい手拍子の音で幕を閉じた。

映画「少年メリケンサック」は今週末2月14日(土)より全国ロードショー。また、MUSIC ON! TVでは明日2月13日(金)19:00より、このライブの模様が約3時間にわたってオンエアされる。

※関連記事:「少年メリケンサック」公開直前!パンクな記者会見

「少年メリケンサック 公開直前 栗田かんなのバレンタインナイト」セットリスト

JAPAN-狂撃-SPECIAL
01. パンキー パンキー パンキー
02. ジャストアナザーナンバーワン
03. VIVA! なめんなよ
04. なめんな音頭
05. カミカゼロード
06. 朝日

ZAZEN BOYS
01. KIMOCHI
02. COLD BEAT
03. Honnoji
04. Asobi
05. I Don't Wanna Be With You
06. RIFF MAN

SAKEROCK
01. 菌
02. テキカス
03. 会社員
04. 千のナイフと妖怪道中記
05. 餞(はなむけ)
06. ホニャララ
07. 今の私

ライムサワー
01. ライムサワーのテーマ
02. 富士そば
03. 続・ソープVSヘルス
04. おなラップ

銀杏BOYZ
01. ニューヨークマラソン
02. SKOOL KILL
03. 若者たち
04. 銀河鉄道の夜 第二章 ~ジョバンニに伝えよ、ここにいるよと~
05. あいどんわなだい
06. BABY BABY

ねらわれた学園(向井秀徳&峯田和伸)
EN 守ってあげたい

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