野宮真貴、スタンダード化計画第2弾で“渋谷系”を新解釈

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野宮真貴が11月7日、ライブ「野宮真貴、渋谷系を歌う -2014-。~Miss Maki Nomiya sings "Shibuya-kei Standards 2014"~」を東京・Billboard Live TOKYOで開催した。

野宮真貴

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「野宮真貴、渋谷系を歌う」は「渋谷系スタンダード化計画」を合言葉に“渋谷系”楽曲とそのルーツとなった楽曲の数々を野宮が歌うというもの。昨年11月にも大阪と東京のBillboard Liveでライブを行っており、その模様を収めた“実況録音盤”ライブアルバムが、本日11月12日にリリースされている。

野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~

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「野宮真貴、渋谷系を歌う -2014-。~Miss Maki Nomiya sings "Shibuya-kei Standards 2014"~」の様子。

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2年目の「野宮真貴、渋谷系を歌う」東京公演第2部の幕開けを飾ったのは、昨年のライブ同様、ピチカート・ファイヴ「東京は夜の七時」のセルフカバー。ドラマーにベーシスト、2人のキーボーディストという編成のバンドがイントロを奏でる中、白のノースリーブドレス姿でステージに現れた野宮はこの曲を軽快に歌い上げると、そののち、ライブ序盤のセットリストを渋谷系のルーツを探る楽曲群で構成する。Roger Nichols & the Small Circle of Friends「Love So Fine」や、大滝詠一のコンピレーション盤「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」に収録されている山下達郎「ドリーミング・デイ」をカバーし、さらにピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギターのアートワークなどで知られる信藤三雄率いるスクーターズ「オー・ハニー」を披露した。

カジヒデキとセッションする野宮真貴。

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中盤「今日は『渋谷系スタンダード化計画』の新しいメンバーが来てくれています」とカジヒデキをステージに呼び寄せた野宮は「私は元祖渋谷系、カジくんは最後の渋谷系なんて呼ばれていて」と“元祖”と“最後”のデュエットコーナーをスタートさせる。ハットにボーダーのロングスリーブTシャツにショートパンツという“正装”のカジはギターを手に、野宮とともに、自身の最新アルバム「ICE CREAM MAN」の野宮参加曲「雨降り都市」や、小山田圭吾とピチカート・ファイヴの初代ボーカリスト佐々木麻美子とがデュエットしたフリッパーズ・ギター「Summer beauty 1990」でその美声を響かせた。そしてギャルソンに扮したスタイリスト・冨澤ノボルから振る舞われた、オリジナルカクテル「Makipirinha」(マキピリーニャ)で乾杯した2人は、90年代当時“渋谷系”的サウンドが世界で同時多発的に興っていたことに触れ、その代表的な1曲としてSwing Out Sister「Breakout」をプレイした。

客席の歓声を背にカジを送り出した野宮は、この日のライブに寄せられたという祝電を披露する。その送り主はTOWA TEI。「ライブで『Amai Seikatsu』を歌ってくれるそうですね。今度はデュエットできるように練習しておきますね」という電報を読み上げた彼女は、TEIの1994年のアルバム「Future Listening!」の収録曲にして、自身の参加曲「Amai Seikatsu(La Douce Vie)」を歌唱。さらに浜口庫之助が1968年に手がけたクラウディアのボサノバ曲「恋するカローラ」を歌うと、またも祝電を読み上げる。今度の電報の主はクレイジー・ケン・バンドの横山剣。その文面にあった「イイネ!」を連呼して客席の笑いを誘い、ドラマ「続・最後から二番目の恋」の劇中で横山と歌ったスウィングナンバー「T字路」をピアニストとデュエットした。

野宮がライブ本編のラストにセレクトしたのは松田聖子「ガラスの林檎」。直前のMCでその曲名を聞いた客席がどよめくと、彼女は往年の松田聖子楽曲を松本隆や細野晴臣といった、はっぴいえんど人脈が手がけていたことに触れ「聖子さんほど渋谷系の作家に愛された人はいない」と、この曲を優しく歌い上げてステージをあとにした。

「野宮真貴、渋谷系を歌う -2014-。~Miss Maki Nomiya sings "Shibuya-kei Standards 2014"~」の様子。

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「野宮真貴、渋谷系を歌う -2014-。~Miss Maki Nomiya sings "Shibuya-kei Standards 2014"~」の様子。

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ピンクのパイピングが施されたオレンジのマントに同系色の帽子というスタイリングでアンコールのステージに登場した野宮は「三月生まれ」を歌い終えると「そして今でも」のイントロが鳴り響く中、ピチカート・ファイヴメドレーをスタートさせることを宣言。このひと言に歓声を上げ、踊り始める観客を前に彼女は「我が名はグルーヴィー」「大都会交響楽」などアッパーチューンを連発する。途中、ステージに現れた冨澤が野宮のマントと帽子を受け取り、高速でヘアメイクするというスタイリッシュな演出も加わり、客席はこの日一番の盛り上がりを見せていた。そしてカジを改めてステージに呼び寄せた彼女は、自身の30周年記念盤収録のピチカート・ファイヴのセルフカバー曲「メッセージ・ソング」をパフォーマンス。記念盤バージョンのプロデューサーであるカジとともに「忘れないで ぼくはきみを ほんとうに愛してる」と、Billboard Live TOKYOに集まった満員の観客と“渋谷系”に対する大いなる愛を歌って、この日のライブの幕を降ろした。

なお現在SPACE SHOWER MUSICのYouTube公式チャンネルでは、この日野宮とカジがプレイした「SUMMER BEAUTY 1990」のライブ映像が公開されている。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

この記事の画像・動画(全8件)

野宮真貴、渋谷系を歌う -2014-。~Miss Maki Nomiya sings "Shibuya-kei Standards 2014"~
2014年11月7日(金)東京都 Billboard Live TOKYO 第2部 セットリスト / オリジナルアーティスト

01. 東京は夜の七時 / ピチカート・ファイヴ
02. Love So Fine / Roger Nichols & The Small Circle of Friends
03. ドリーミング・デイ / 山下達郎
04. オー・ハニー / スクーターズ
05. 雨降り都市 / カジヒデキ
06. Summer Beauty 1990 / フリッパーズ・ギター
07. Breakout / Swing Out Sister
08. Amai Seikatsu(La Douce Vie) / TOWA TEI
09. 恋のカローラ / クラウディア
10. T字路 / 小泉今日子&中井貴一
11. ガラスの林檎 / 松田聖子
<アンコール>
12. ピチカート・ファイヴ メドレー
三月生まれ~そして今でも~我が名はグルーヴィー~大都会交響楽~イッツ・ア・ビューティフル・デイ
13. メッセージ・ソング / ピチカート・ファイヴ

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