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野宮真貴、エレガントな「フレンチ渋谷系」ライブで平和を願う

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「野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~」の様子。(Photo by hajime kamiiisaka)

「野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~」の様子。(Photo by hajime kamiiisaka)

野宮真貴のワンマンライブ「野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~」が、11月13日に大阪・Billboard Live OSAKA、11月19日と20日に東京・Billboard Live TOKYOで開催された。

2013年にスタート以来、秋の恒例ライブとなった「野宮真貴、渋谷系を歌う」。11月11日にはこのライブから派生した野宮の最新アルバム「世界は愛を求めてる。What The World Needs Now Is Love ~野宮真貴、渋谷系を歌う。~」もリリースされた。3年目となる今年はこのアルバムからの楽曲を軸に、「フレンチ渋谷系」をテーマにセレクトされた楽曲が披露された。ここでは東京公演1日目・第1部の模様をレポートする。

開演前、ロビーでは2人のアコーディオン弾きが客席通路を回りながら陽気な音楽を奏で、食事やドリンクを味わいつつ野宮の登場を待つ観客を楽しませる。そしてアコーディオン弾きと入れ替わりにバンドメンバーがステージへと上がり、ライブはスタート。軽快な4ビートに乗せて赤いコートを羽織った野宮が姿を現すと、客席からは大きな歓声が沸いた。1曲目は開演時刻に合わせた「東京は夜の七時」だ。このライブでは事前に「1曲目のみ写真撮影可能」とアナウンスされており、観客は一斉にスマートフォンなどを構えて野宮の華麗なパフォーマンスを写真に収めた。観客による記念写真はその後ハッシュタグ「#世界は愛を求めてる」で各SNSサイトにアップされている。野宮は毎日夜の7時になるとTwitter上に「東京は夜の七時」のひと言と写真をアップしているが、この日はステージの上にいたため、「東京は夜の七時」歌唱後に「これから皆さんと写真を撮ってもいいですか?」とおもむろに“自撮り棒”とスマートフォンを取り出した。

観客との記念撮影を無事成功させた野宮は、「歌いたいときには歌って、踊りたいときには踊って、自由に楽しんでください」と告げると、次にアルバムのタイトルにも冠されたバート・バカラックの名曲「What The World Needs Now Is Love」を披露。続けてEPOのナンバー「音楽のような風」を60'sポップス風のアレンジで歌い上げる。そして野宮は今回のテーマ「フレンチ渋谷系」の説明とともに、「先週、フランスではとても悲しい出来事がありました。いつも音楽を届けられる平和を祈って、今日のライブはみんなと過ごしたいと思います」と、フランス・パリで起こったテロ事件に触れ、静かに追悼の意を述べた。今年の春にパリを訪れた際に「今年はエレガントな大人のパリをテーマにしよう」と決めたという野宮は「フレンチ渋谷系と言えばこの曲」とフリッパーズ・ギターの「フレンズ・アゲイン」を歌い、「さて、ここから本格的にフレンチ渋谷系のルーツを」と前置きすると、安井かずみ作詞、村井邦彦作曲による辺見マリの和製フレンチポップ「ダニエル・モナムール」を披露した。

3年連続の登場となる野宮のヘアメイク担当・富沢ノボル氏を招いての乾杯とオリジナルグッズ紹介を挟み、ここからはフレンチポップの代表的ソングライター、セルジュ・ゲンスブールが“ファム・ファタール”(運命の女)たちに書いたナンバーが3連発。フランス・ギャル「ジャズる心」、ブリジット・バルドー「コンタクト」、ジェーン・バーキン「恋するロックンローラー」が日本語訳詞で歌われた。続いて野宮は「日本のフレンチ渋谷系の本家を忘れてはいけません」とピチカート・ファイヴ時代の相棒・小西康陽の名を挙げ、「彼もたくさんの女性に曲を書きました。私は彼が描くラブソングが大好きです」と告げると、数ある小西の楽曲から観月ありさ「パリの恋人 / トーキョーの恋人」をチョイス。「『東京は夜の七時』から20年前の東京が描かれた、私が大好きな東京のラブソングです」と紹介された荒井由実「中央フリーウェイ」のカバーではステージ後方の幕が開き、大きな窓の外に華やかな東京の夜景が広がった。

野宮が今回のラストナンバーに選んだのは、小西の訳詞による「What The World Needs Now Is Love」の日本語バージョン「世界は愛を求めてる」。最新アルバムでもラストを締めくくるこの曲を、野宮はピアノの伴奏のみでじっくりと歌い上げた。そしてアンコールは恒例の「ピチカート・ファイヴ・メドレー」。ピチカートでもカバーされたミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」から始まり、「ロンドン・パリ」「モナムール東京」「ストロベリィ・スレイライド」「12月24日」「スウィート・ソウル・レヴュー」と懐かしい楽曲の連続に、客席には思わず立ち上がって踊り出す観客の姿も見られた。「『渋谷系を歌う』も今年で3年目。私の目標は『還暦にはビルボードで歌う』ですので、あと5年、どうぞご贔屓に」と宣言した野宮。来年はどのようなステージが繰り広げられるのか、ファンは楽しみにしておこう。

野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~
2015年11月19日 Billboard Live TOKYO セットリスト(※カッコ内はオリジナルアーティスト)

01. 東京は夜の七時(ピチカート・ファイヴ)
02. What The World Needs Now Is Love(バート・バカラック)
03. 音楽のような風(EPO)
04. フレンズ・アゲイン(フリッパーズ・ギター)
05. ダニエル・モナムール(辺見マリ)
06. ジャズる心(フランス・ギャル)
07. コンタクト(ブリジット・バルドー)
08. 想い出のロックンローラー(ジェーン・バーキン)
09. パリの恋人 / トーキョーの恋人(観月ありさ)
10. 中央フリーウェイ(荒井由実)
11. 世界は愛を求めてる(バート・バカラック)
<アンコール>
12. ピチカート・ファイヴ・メドレー2015
シェリーに口づけ / ロンドン・パリ / モナムール東京 / ストロベリィ・スレイライド / 12月24日 / スウィート・ソウル・レヴュー

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