濱口は映画「ドライブ・マイ・カー」で第94回アカデミー賞 国際長編映画賞に輝き、同作で第74回カンヌ国際映画祭、「偶然と想像」で第71回ベルリン国際映画祭、「悪は存在しない」で第80回ヴェネツィア国際映画祭にて受賞を果たした。
「他なる映画と 1」「他なる映画と 2」には、彼がこれまでに発表してきた映画論をまとめて掲載。1巻目の「映画講座」編では仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーが初めて活字化された。「映画批評」編となる2巻目には、作品レビューや映画をめぐる論考・エッセイ、日本語未発表原稿を収録。さらに
刊行記念イベントとして、7月21日に東京・東京堂書店で濱口と映画ライター・編集者の月永理絵によるトーク&サイン会を実施。なお月永は「悪は存在しない」「偶然と想像」の劇場用パンフレットの編集を手がけている。予約受付はすでに始まっているので、東京堂書店の公式サイトを早めにチェックしよう。
また7月25日には東京のアテネ・フランセ文化センターで「濱口竜介『他なる映画と』刊行記念 他なる映画のからだたち」が行われる。イベント内では「他なる映画と」1・2で取り上げられた「KAZUO OHNO」「
「他なる映画と 1」目次
まえがき
I
他なる映画と 第一回 映画の、ショットについて
他なる映画と 第二回 映画の、からだについて
他なる映画と 第三回 映画の、演技と演出について
II
偶然と想像
偶然を捉えること
III
改心を撮る──
復讐を描く──
運命をつくる──フリッツ・ラングから
IV
複数の複数性──侯孝賢「
同期・連動・反復──
「他なる映画と 2」目次
I
あるかなきか──
映画におけるISAウィルス問題に関する研究報告
ロメールと「死」にまつわる7章
II
「東京物語」の
アンパン──「麦秋」の
理想的な映像──「
III
永遠のダンス、引力と斥力の間で──エリック・ロメール「我が至上の愛 アストレとセラドン」
「結婚」というフィクション──
ただショットだけが──小津安二郎「鏡獅子」
too late, too early──
力の前で──
ある演技の記録──ユベール・クナップ、
〈世界〉を鍛造した男 あらゆる忘却と想起のために──エドワード・ヤン「牯嶺街少年殺人事件」
もぞもぞする映画(のために)──
曖昧さの絶対的な勝利──クリント・イーストウッド「
身体をまさぐる──
どうやって、それを見せてもらうのか──
かわいい人──ギヨーム・ブラック「
愛の映画──
The Art of Preparation──
希望は反復する──「
ためらいの技術──
IV
手紙についての手紙
彼方への手紙──
共に生きること──
あの街、この街──柴崎友香、相米慎二
三宅唱監督への10の公開質問──「
遭遇と動揺──あるいは、蓮實重彦の「聞く視線」
曖昧な映画の書き手──アンドレ・バザンと俳優の声
聞くことが声をつくる──
物語りについて
孤独が無数に、明瞭に
V
ある覚書についての覚書──
あとがき
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