「ロベール・ブレッソン傑作選」が今月公開、「ラルジャン」「白夜」など5作品を上映

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ロベール・ブレッソン傑作選」が4月18日より東京・ユーロスペースにて公開決定。世界の映画作家たちに影響を与えたフランスの巨匠ロベール・ブレッソンが監督した5作品が最新のレストア版にて上映される。映画監督の濱口竜介による推薦コメントも到着した。

特集上映「ロベール・ブレッソン傑作選」ポスタービジュアル

特集上映「ロベール・ブレッソン傑作選」ポスタービジュアル [高画質で見る]

ラインナップは、1枚の偽札を起点に悪の連鎖を描いた遺作「ラルジャン」、スリの技に魅了された青年の破滅の道をつづる「スリ」、一匹のロバの視点から人間の業を描いた「バルタザールどこへ行く」、14歳の孤独な少女の受難劇「少女ムシェット」、ポンヌフで出会った若き男女の四夜を紡いだ「白夜」の5作品。すべてが現在ある最新のレストア版で上映される。

濱口は「身震いするほど恐怖することと、打ち震えるほど感動することは両立する。信じられない人は、ブレッソンのたどり着いた極北『ラルジャン』を見てほしい。ただし大画面と、大音響で」とコメント。また、ジャン=リュック・ゴダールはかつて「ドストエフスキーがロシア文学であり、モーツァルトがドイツ音楽であるように、ブレッソンがフランス映画なのだ」と語っていた。

配給はエタンチェとユーロスペースが担当。なお「白夜」をのぞく4作品については、今回の特集で高部義之による新たな字幕翻訳が作成された。

「ロベール・ブレッソン傑作選」概要

2026年4月18日(土)公開 東京都 ユーロスペース

ラルジャン 2Kレストア(原題「L’Argent」)(1983)

「ラルジャン 2Kレストア」ポスタービジュアル ©1983 Marion’s Films

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監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
原作:トルストイ「にせ利札」
出演:クリスチャン・パテイ、カロリーヌ・ラング、マルク=エルネスト・フルノー、ヴァンサン・リステルッチ、シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン、ミシェル・ブリゲ

解説・あらすじ:高校生が軽い気持ちで使った1枚の偽札が、巡り巡って燃料配達員イヴォンの手に渡り、そこから雪崩のように悪が突き進む。題名の「ラルジャン」(原題「L’Argent」)とは、フランス語で金(かね)を意味する。原作はトルストイの中篇小説「にせ利札」。ブレッソンはこの小説で描かれる悪の連鎖を、透徹したまなざしで見つめた。本作は、撮影当時、すでに80歳を超えていたブレッソンの長編13作目にして遺作。

スリ 2Kレストア(原題「Pickpocket」)(1959)

「スリ 2Kレストア」ポスタービジュアル ©1959 AGNES DELAHAIE PRODUCTIONS CINEMATOGRAPHIE

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監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
スリ技術指導:カッサジ
出演:マルタン・ラサールマリカ・グリーン、カッサジ、ピエール・エテックス

解説・あらすじ:優れた人間は法を犯す自由があると考える青年ミシェルは、スリの技に魅了され自ら破滅の道を進む。ドストエフスキーの「罪と罰」をもとにブレッソンが描いた魂の遍歴。前作「抵抗」に続き本作でも職業俳優は使われていない。撮影当時16歳だったジャンヌ役のマリカ・グリーンは、これを機に俳優となる。元スリで奇術師のカッサジが指導したスリのシーンは、最小限のカメラワークと緊密な編集で、官能的ともいえる手の美しさを画面に刻み付けている。

バルタザールどこへ行く 4Kレストア(原題「Au hasard Balthazar」)(1966)

「バルタザールどこへ行く 4Kレストア」ポスタービジュアル ©1966 Argos Films – Parc Film – Athos Films – Swedish Film Institut – Svensk Filmindustri

「バルタザールどこへ行く 4Kレストア」ポスタービジュアル ©1966 Argos Films – Parc Film – Athos Films – Swedish Film Institut – Svensk Filmindustri [高画質で見る]

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキーフランソワ・ラファルジュジャン=クロード・ギルベール、ピエール・クロソウスキー

解説・あらすじ:聖人のようにバルタザールと名付けられた小さなロバは、幼いマリーに引き取られる。やがてバルタザールはほかの飼い主たちの手に渡り、次々と人間の業に翻弄される。一方、マリーは、幼なじみのジャックの求愛を退け、自ら求めるかのように苦難の道を歩んでいく。ドストエフスキーの小説「白痴」の挿話から着想を得たブレッソンの異色作。ブレッソンによれば、バルタザールの生涯は2つの図式からなる。1つは、ロバも人間のような成長過程を辿るというもの。そしてもう1つは、ロバが人類の悪徳を象徴する人間たちに次々と苦しめられるというもの。職業俳優を使わないブレッソンだが、本作では、ロバも調教されていない動物が選ばれた。マリー役は、一時期ゴダールの伴侶でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキー。彼女は、このあと俳優・小説家となる。

少女ムシェット 4Kレストア(原題「Mouchette」)(1967)

「少女ムシェット 4Kレストア」ポスタービジュアル ©1967 Argos Films – Parc Film

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監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
原作:ジョルジュ・ベルナノス「新ムシェット物語」
出演:ナディーヌ・ノルティエポール・エベール、マリー・カルディナル、ジャン=クロード・ギルベール、ジャン・ヴィムネ

解説・あらすじ:重病の母とアルコール依存症の父を持つ14歳のムシェットは、学校で友人もなく孤独で苦しい日々を過ごしている。ある日、森で道に迷った彼女は密猟者のアルセーヌに助けられるが、その夜、つらい出来事が起こる……。カトリックの作家ベルナノスの原作を、ブレッソン自ら脚色した作品。音楽が使われるのは冒頭と最後のみで、劇中では背景音を組み立てた豊かな音響と切り詰められたセリフで緊張感が高められている。ジム・ジャームッシュは本作を映画史上のトップ10に選んでいる。

白夜 4Kレストア(原題「Quatre Nuits d'un rêveur」)(1971)

「白夜 4Kレストア」ポスタービジュアル ©1971 Robert Bresson

「白夜 4Kレストア」ポスタービジュアル ©1971 Robert Bresson [高画質で見る]

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
原作:ドストエフスキー「白夜」
出演:イザベル・ヴェンガルテンギヨーム・デ・フォレ、ジャン=モーリス・モノワイエ

解説・あらすじ:ドストエフスキーの原作では19世紀のペテルブルクが舞台だったが、ブレッソンは撮影当時のパリに移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き男女の出会いを見つめていく。画家のジャックは、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルトに出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックが理想の女性との出会いを夢見る一方、マルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら1年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその1年後。マルトへの思いを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが三夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。1970年代のパリの街、セーヌの夜を彩る歌や音楽、観光船の眩い美しさが鮮明な映像でよみがえった。

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