塚本晋也「娯楽的ではない暴力を描こうとした」、「野火」ソフト化発表会で語る

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野火」のBlu-ray / DVD発売発表会が東京・松竹にて行われ、監督の塚本晋也が出席した。

「野火」のBlu-ray / DVD発売発表会に出席した塚本晋也。

「野火」のBlu-ray / DVD発売発表会に出席した塚本晋也。

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「野火」 (c)2014 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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大岡昇平の同名小説をもとにした「野火」は、第2次世界大戦末期にフィリピン・レイテ島をさまよう日本兵の姿を描いたもの。監督と主演、脚本、編集、撮影、製作の6役を塚本が務め、ほかのキャストには森優作、リリー・フランキー、中村達也らが名を連ねる。なお本作は第70回毎日映画コンクールの監督賞と男優主演賞など、多くの映画賞に輝いた。

塚本晋也

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2月2日に行われた発表会にて、塚本は「もともと『野火』は規模の大きな作品にしたかったんです。若い頃は夢が無尽蔵に広がっていましたから、フランシス・フォード・コッポラが監督した『地獄の黙示録』の日本版を作ろうと思っていました。そこを目指して自分のキャリアを成長させていこうとしたのですが、そういうふうにはならなくて(笑)。でも今『野火』をやらないと、今後こういう映画は作りにくくなるという時期が来てしまったので、小規模でもいいから作ろうと思ったんです」と述べた。また、撮影にあたっては多くのボランティアの協力を受け、衣装や小道具を手作りしながら完成まで漕ぎ着けたといい、「仕方がなくやったことでもどこか必然的だったというか、全部がこうして生まれるべきだったんだなと今では合点がいっていますね。現実的な規模で始めましたが、主人公の配役以外は思った通りになりました」と振り返る。

話題は劇中の暴力表現へ。塚本は「『野火』に関しては観た人が絶対そこに近付きたくないと思うような、生々しくて娯楽的ではない暴力を描こうとしたんです」と明かし、自身の過去作品に触れながら「これまでは都市が自分にとっての全世界だったので、その外側にある現実をいつかは描きたいと思っていました。ついにそこへ行って新しい現実を見始めたという点では、(過去作品とは)違う一歩を踏み出したような気がしますね」とコメント。

「野火」DVD展開図 (c)2014 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

「野火」DVD展開図 (c)2014 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER[拡大]

このソフトには、特典映像として「野火」のドキュメンタリーを収録。第71回ヴェネツィア国際映画祭で行われたプレミア上映の様子や、戦争体験者へのインタビューなどが捉えられている。最後に塚本は「映画を作ったときは不安でたまらなかったけど、全国行脚していくうちに予想外に多くの人たちが観に来てくださいました。DVDやBlu-rayを出せば、映画館がない地域の方にも観てもらえる。とにかく観てもらうのが一番大事だと思ってるので、まず映画を浴びてから、ゆっくりと特典のドキュメントを観てもらえれば」と力強く語った。

「野火」Blu-ray / DVDは5月12日に発売。あわせて塚本の過去作品がニューHDマスターでBlu-ray化されることが発表された。「鉄男」「鉄男II THE BODY HAMMER」は6月2日、「東京フィスト」「BULLET BALLET/バレット・バレエ」は7月6日、「ヴィタール」「六月の蛇」「HAZE(ヘイズ)/ 電柱小僧の冒険」は8月3日にそれぞれリリースされる。

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