7月25日に公開を控える
イベントは司会を任せられた永松役の森、安田を演じたリリー、塚本によるトークからスタート。第2次世界大戦のフィリピン戦線を描いた本作について、塚本は「人は死ぬとモノに変わってしまうのだということをしっかりと描きたかった」と思いを明かし、「これから戦争体験者はどんどんいなくなっていくけれども、映画にすればずっと残るので、彼らから聞いたことを作品に反映させました。昔の『ロッキー・ホラー・ショー』のように、『野火』は夏が来て、終戦記念日が近づくたびに繰り返し上映されるような映画になれば」と語る。リリーは「何かと規制が多いこの時代に、こういう映画が作られて公開されるというのはある意味で痛快だなと思います」とほほえんだ。
また、リリーが若き兵士を演じた森へ、本作のオーディションを受けた経緯を尋ねると、森が「友達から、こういうのあるよってLINEがきて。……で、行ったんですよね……」と素直に答え、客席から笑いが起こる場面も。それを受けてリリーは「息子がプー(フリーター)だと思ったら、いきなりヴェネツィアのレッドカーペットを歩いているんだもんねえ……」と森の両親の気持ちに寄り添ってみせる。
続いて劇中で伍長を演じたドラマーの中村、劇伴を担当した石川によるセッションへ。背後のスクリーンに過去の塚本作品の映像が映し出される中、「野火」や「
そしてラストを飾るのは、「野火」の“爆激”上映。トーク時に「映画は音と空間を味わうものであってほしいので、ライブハウスという空間で上映ができるのはうれしい」と塚本が語っていたように、会場の設備を最大限に利用して、臨場感たっぷりの体感型上映が行われた。
上映終了後には出演者が再度登場し、1人ずつ感謝の意を表した。石川は「楽しく、意義深い夜を皆さんと過ごせてよかったです!」と笑顔を見せ、リリーは「立って観ていただいた方までいて。ありがとうございました」と後方の観客を気遣う。さらに中村は「絶句。ありがとうございました」と簡潔に心境を述べ、塚本は「自分たちの手で映画を届けていきたいと思います」と観客に語りかける。そして森は「自分が戦地に放り込まれたらどうなるかを考えて現場に立っていたつもりです」と作品へ真摯に向き合ったことを明かし、1人でも多くの人に本作を観てもらいたいと述べた。
関連記事
塚本晋也の映画作品
関連商品
リンク
- 「野火」公式サイト
- 「野火」 Fires on the Plain 予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
塚本晋也tsukamoto_shinya @tsukamoto_shiny
映画ナタリーが昨日のイベントをまとめてくれました。http://t.co/EpjGzspQp8