本日8月12日、「
「母と暮せば」は、助産師の伸子のもとに3年前に原爆で亡くなったはずの息子・浩二が姿を現し、彼らが思い出話に花を咲かせながら過ごすさまを追うファンタジー作品。
本作について山田は「亡霊になって現れた息子と母の対話というものが即座に思い浮かび、それこそが僕が作りたい映画だなと思って。そして今年作れば終戦70年に間に合うなと、どこかめぐりあわせのようなものを感じました。僕の映画の中でもっとも大事なものになる気がします」と語る。
伸子役の吉永は「監督の情熱を感じました。私がそれに応えられず落ち込むときもありましたが、二宮さんの軽やかな演技に助けられました」、浩二を演じた二宮は「現場の空気が独特でした。監督に紙とペンを渡されて、『じゃあはい、自分の名前を書いてごらん』って言われるような。自分の32年間の経験が邪魔をして、混乱してしまうときもありました」と、それぞれ撮影時を振り返った。
浩二の恋人・町子役の黒木は「監督の思いが強くて、『ちょっと怖いぞ』と思ったときもありました。私は長崎や広島に起きたことは授業で勉強したくらいだったので、実際に長崎の方にお会いしたり、監督のお話を聞いたりして演じました」と役作りについて言及し、町子に惹かれていく青年・黒田役の浅野は「現場に行くと、以前監督とご一緒した『母べえ』の山ちゃんに戻ったような気がしました。あと僕は『父と暮せば』にも出ているので、いろいろなことが思い出されて。今回はすごく重要な役で出させていただけて光栄です」と述べた。
さらに山田が「息子が死ぬのは母にとってどんなに悲しいことか。亡霊でもいいから出てきてほしいという思いは、愛する肉親を失った人は皆考えることなのでは。これは母の涙の話です」と、力強いまなざしで語る場面も。
続いて、撮影時に吉永と二宮が名前で呼びあっていたことが司会者の口から明かされる。すると二宮は「『かずなりさん』と呼んでいただいたんですけど、親類にもそう呼ばれたことがなかったのでドキドキしちゃいました。僕のはじめての人になりました!」とにっこり。また「『和也』という字なので『かずや』と呼ばれることが多くて。初めての現場ではかずやでもいいかなあと思っているんですが、小百合さんが『かずなりさん』と呼んでくださったことで、現場の皆さんに正しい名がさりげなく伝わっていって」と、吉永に感謝の意を表す。それを受けて吉永は「すっと『小百合さん』って呼んでくださって感激しました。私はどこか母のような気持ちがあって、最近ではテレビで危険なことをなさっているのを見ると、『うちの息子大丈夫かしら』ってハラハラしちゃって」と顔をほころばせながら語った。
最後に登壇者のメッセージが記された折り鶴と、“平和の灯”であるランタンが登場。1人ずつ平和への思いを語り、クランクアップ記者会見は終了した。
「母と暮せば」は12月12日より全国でロードショー。
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