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RADWIMPS、10周年締めくくる幕張公演で「出会ってくれて、本当にありがとう」

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野田洋次郎(Vo, G)(撮影:植本一子)

野田洋次郎(Vo, G)(撮影:植本一子)

RADWIMPSが12月23日に千葉・幕張メッセ国際展示場4~6ホールでワンマンライブ「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり」を開催した。

2015年でデビュー10周年を迎えたRADWIMPSは、アニバーサリーイヤーの中でニューシングル「記号として / ‘I’ Novel」およびライブBlu-ray / DVD「青とメメメ」のリリース、アジアやヨーロッパを計6カ所回った海外ツアーと11公演におよぶ全国対バンツアーの開催など目まぐるしく活動。この1年を締めくくる幕張メッセ公演には、約3万人のファンが駆けつけた。

ステージが青い光で包まれSEが鳴ると、オーディエンスはフロア前方に詰め寄せ手拍子を起こす。どこからともなく野田洋次郎(Vo, G)が歌う「トレモロ」が聞こえた途端、場内にはレーザー光線によって圧巻の星空が描き出され、客席から感嘆の声が上がった。ステージの幕が落とされ、「トレモロ」を演奏するRADWIMPSの姿が現れると観客はさらにヒートアップ。続く「ます。」では武田祐介(B)が手を挙げてフロアを煽り、ファンも「オイ! オイ!」と拳を突き上げて熱狂していった。桑原彰(G)は「今日は3万人いるらしいけど、ここからの景色ホントにすごいです! 僕だけ頭が大きいから少し近く見えるかもしれないけど、実はみんな一緒の位置に並んでます!」と話してオーディエンスの笑いを誘う。続けて野田は「今年、俺らこのあと何もないから全部出し切ります! 最後までよろしく!」と意気込んだ。

野田はスポットライトを浴びると、ギターを弾きながら「遠恋」を語るように歌い始める。エッジィなサウンドに転調したあと、メンバーそれぞれがアグレッシブなソロプレイを披露。武田と桑原はじゃれ合い、互いの楽器を指で弾き鳴らす姿を見せた。そしてサポートメンバーの刄田綴色(Dr, Per)が叩くコンガ、野田が弾くピアノの音色が陽気なアンサンブルを作り出し、オーディエンスの手拍子を誘う。そのまま披露された「ヒキコモリロリン」で野田はステージを縦横無尽に移動。スラップを繰り出す武田と向き合い、前のめりで歌声を披露していった。野田は客席に向けて「いっぱい伝わってます。ありがとう。なんかドキドキが止まらないです」と話し、ギターを弾きながら「もしも」を歌い始める。ファンがライブで毎回アンコール代わりに歌うこの曲がひさしぶりに披露され、観客は悲鳴のような歓声を上げる。メンバーそれぞれが楽しそうに演奏を行い、オーディエンスも大合唱を起こすなど場内にはハッピーな空気に包まれた。

中盤のMCで武田は改めて2人のサポートドラマー、刄田と森瑞希を紹介し「本当に2人とも素晴らしいドラマーで、2人がいなかったらツアーをできなかったと思います。本当にありがとう!」と感謝を述べた。また野田は「昔の曲とかやって俺らこっぱずかしい気持ちになってるんだから、ホントに盛り上がってくれないと帰るからな!? さっき15歳のときに作った曲とか歌ってたけど、倍の歳になっちまったよ!」とユーモアを交えながら語った。「G行為」ではステージ後方のスクリーンにサイケデリックな映像が映し出され、桑原のループするギターリフが場内に響き渡る。野田は「世界はもうちょっと 優しい色になることでしょう」という歌詞に「もう明後日クリスマスだし」と付け足して観客の歓声を浴びた。武田によるキーボードやスチールパンの音色が楽曲を温かく彩った「Tummy」を経て、野田の「楽しんでますか? 次の曲ではみんなの声もいっぱい聴かせてください」という言葉から「有心論」が演奏される。桑原と武田はステージの端まで移動して力いっぱいのパフォーマンスを繰り出し、場内にはファンの大きなシンガロングが広がった。

ライブ初披露となった「ピクニック」で美しいアンサンブルが届けられたのち、観客の「洋次郎ー!」という声を聞いた野田は「お前ら泣かせにきてる? 絶対泣かねーし」と主張。そしてファルセット交じりの声で「25コ目の染色体」を歌うと場内は青い光で包まれ、幻想的な雰囲気に。彼の「本気でこないと帰っちゃうからな!? お前ら年の瀬で遊んでる感覚だろ? 俺ら仕事してるから今!」というユーモアたっぷりの煽りから、バンドはアッパーチューン「DADA」「おしゃかしゃま」を連投。「いいんですか?」の演奏を前に野田は「今年もあとちょっとで終わっちゃうから、好きな人には好きって伝えて来年を迎えてくださいね」とオーディエンスに投げかける。観客の「いいんですか いいんですか」のシンガロングのあと、野田は「いいんですよ いいんですよ」と応えるように歌唱し、フロアに向けて「愛してるよ」と思いを伝えた。疾走感のある「君と羊と青」のあと野田が「うちらの会心の一撃を喰らえやー!!」と叫ぶと「会心の一撃」が投下され、客席はこの日一番の熱狂を見せる。曲中に野田が「幸せになれよ!」「幕張ー!」と咆哮し、観客は彼とともに「世界!」と声を上げた。

ラストナンバーを前に野田はRADWIMPSの10周年について「0歳児だった人が10歳になったんだなあと思うし、10歳の人が20歳になるんだなあと思うと、僕らは0歳児が10歳になるだけのおっきな成長ができたかなあ?とか、これから次の10年、その0歳児が10歳になるぐらいおっきな変化を、成長を、喜びを味わいたいなあと思ってます。これからもよろしくお願いします」と思いを述べる。さらに「きれいごとに聞こえるかもしれないけど、ライブにどれだけの人が入ったとか、CDが何枚売れたっていう話を聞いても僕はいつでも『ふーん』って言ってます。だってそこに現実感はないからさ。だけど今、目の前にいるあなたは本物で、それだけは逃げられない圧倒的な事実として突きつけられます。その事実が僕らをこれからも音楽に駆り立てるし、その視線が僕らを突き動かします。あなたがRADWIMPSに出会ってくれて、本当にありがとうございます」と真摯に観客に思いを伝え、大きな拍手を浴びた。そのまま野田はギターアルペジオに乗せて「オーダーメイド」を優しい声色で歌い始める。ステージ後方のスクリーンには歌詞が映され、オーディエンスは5人の演奏にじっくりと聞き入っていた。

RADWIMPSがステージを去ったあと、オーディエンスはアンコールを求め「もしも」の大合唱を行う。しばらくすると本編で演奏していたステージの反対側に設置されたサブステージに野田、桑原、武田の3人が姿を見せ、場内は大混乱に。野田は「油断してたろ、お前ら。何曲かこっちでやってもいいですか?」と投げかけ、3人はアコースティック編成で「お風呂あがりの」「シザースタンド」を続けて披露した。3人はその後ブロック分けされた客席の間の通路を通り、観客とハイタッチしながらドラマー2人の待つメインステージへと移動。野田の「1人ひとりとハグしたいところだけど、届かないから最後に歌います」という言葉から、バンドは「05410-(ん)」を投下しオーディエンスを再びヒートアップさせた。MCで武田は「今日は本当にありがとう! 幸せでした! 10年間ありがとう!」、桑原は「近いうちに戻ってくるからまたみんなでライブたくさんやりましょう!」と声を上げる。そして野田は「感無量です。でも実は次から次へとやりたいことがたくさんあります。僕らが出す曲で、たまには好きじゃないなって思う曲もきっとあると思います。だけど、僕らはそうやって自分らが一番カッコいいと思う音楽をその時々で作るので、その時々で判断してほしいなと思います。僕らが音楽に対して誠実に生きてるっていうことだけは、あなたたちに約束します。これからもよろしく」と力強く語った。そしてバンドはライブの最後に「ふたりごと」を披露。スクリーンには宇宙をモチーフにした映像が映し出され、5人が紡ぐ壮大なサウンドに観客は手を挙げて歓声を送った。演奏後、メンバーはステージの3カ所で手をつなぎ深く礼をする。最後に野田は唇に手を当てたあと振りかぶり、力強い投げキッスを客席に送っていた。

なおライブの終演後には、3月11日にRADWIMPSのドキュメンタリー映画「RADWIMPSのHESONOO Documentary Film」が公開されることがスクリーン上で発表された。新鋭の女性映像作家・朝倉加葉子が監督を務めるこの映画では、今年行われた海外ツアー、全国対バンツアー、そしてこの日の幕張メッセ公演での彼らの姿を追っている。YouTubeでは特報映像を公開中。

RADWIMPS「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり」
2015年12月23日 幕張メッセ国際展示場4~6ホール セットリスト

01. トレモロ
02. ます。
03. 透明人間18号
04. 億万笑者
05. 遠恋
06. ヒキコモリロリン
07. もしも
08. 俺色スカイ
09. π
10. G行為
11. Tummy
12. 有心論
13. ピクニック
14. 25コ目の染色体
15. DADA
16. おしゃかしゃま
17. いいんですか?
18. 君と羊と青
19. 会心の一撃
20. オーダーメイド
<アンコール>
21. お風呂あがりの
22. シザースタンド
23. 05410-(ん)
24. ふたりごと

※「25コ目の染色体」の「コ」は半角カタカナが正式表記。

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