「WAR BRIDE」開幕に奈緒「花束を受け取って」“父”山口馬木也とのほっこりエピソードも

1

42

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 13 20
  • 9 シェア

奈緒らが出演する舞台「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」が、本日8月5日に開幕。これに先駆けて昨日4日に囲み取材が行われた。

左から日澤雄介、山口馬木也、奈緒、ウエンツ瑛士、高野洸。

左から日澤雄介、山口馬木也、奈緒、ウエンツ瑛士、高野洸。

大きなサイズで見る(全7件)

本作は、2022年12月にTBSで放映されたドキュメンタリー「War Bride 91歳の戦争花嫁」を原案にした舞台作品。“War Bride(戦争花嫁)”とは、第二次世界大戦後、日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国へ渡った日本人女性たちのことだ。当時、戦争花嫁として渡米した女性は4万5000人とも言われるが、彼女たちは当時の報道による誤解と偏見から、差別を受けていた。原案となったドキュメンタリーでは、戦争花嫁としてアメリカに移住した桂子・ハーンをおばに持つ川嶋龍太郎が監督を務め、米兵フランク・ハーンの愛と絆に支えられて激動の時代を生きた桂子の日々が、当時の世相と共に収められている。舞台版では、劇団チョコレートケーキの古川健が脚本、日澤雄介が演出を担当。囲み取材には日澤、桂子・ハーン役の奈緒、フランク・ハーン役のウエンツ瑛士、そしてジャーナリスト役の高野洸、桂子の父を演じる山口馬木也が出席した。

奈緒

奈緒[拡大]

戦後80年の8月に本作が上演されることに関連し、奈緒は「私が亡くなった祖父と初めて会ったのは8月15日だったそうです。祖父は戦争に行って帰ってきた人だったので、その日に孫の私と初めて会ってどんな気持ちだったのかな?と考えています」とコメント。また奈緒は、桂子・ハーン本人に会うため渡米したことについて「フランクさんのお墓を訪れたとき、今なお桂子さんがフランクさんを心から愛する姿を見せていただいた。この思い出を胸に舞台に立ちたい」と言葉に力を込めた。

ウエンツ瑛士

ウエンツ瑛士[拡大]

アメリカ人の父と日本人の母を持つウエンツは、本作が家族の物語でもあることに触れて、「僕自身、桂子さんとフランクさんのお子さんと同じように、外見やアイデンティティに迷いを感じていた。稽古しながら『母方の祖父母は、アメリカ人の父に会って何を感じたんだろう』と思うこともありました。“縁”がつながって生まれたのが僕なので、家族につないでもらった縁を意識しながら生きたいと思いました」と述べた。

高野洸

高野洸[拡大]

高野は「“戦争”と聞くだけで敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、そういう方々にもぜひ観てほしい舞台になった」と言い、「僕も家族が大好きで、がんばる原動力です。稽古場で家族のシーンを観ているときは、境遇は違えど『もっと親孝行したいな』と思いましたね」と笑顔で話した。

山口馬木也

山口馬木也[拡大]

山口は「難しい役だと思っていましたが、稽古場でみんなの顔を見ていたら、自然に役の気持ちがわかってきた」と手応えを語る。また奈緒が「ポスター撮影のとき、初対面の馬木也さんが『失礼します。お父さんだよ』とあいさつしてくれた(笑)」というエピソードを披露すると、山口は「すみません、名乗りもせずに……」と苦笑いを浮かべ、会見場を和ませた。

日澤雄介

日澤雄介[拡大]

日澤は原案の映画について「桂子さんの笑顔と言葉が心に刺さった」と述べ、舞台化にあたっては「俳優さんの心と身体を通すことで、ドキュメンタリー映画では感じられないものをお客様に想像してもらえるように心がけながら演出した。責任や、桂子さんや関係する方々への敬意を持ちつつ、稽古場で皆さんの感性をフル稼働してもらって作ってきました」と言葉に力を込めた。

左から奈緒、ウエンツ瑛士。

左から奈緒、ウエンツ瑛士。[拡大]

会見では登壇者が稽古場の様子を明かす場面も。「夫婦を演じるうえで、2人で何か話し合ったか?」という質問に、ウエンツは「まったくないです!」と回答。山口が「いつも2人で何を話していたの!?」と尋ねると、ウエンツは「昨日何食べた?とか」と報道陣の笑いを誘う。これを受けた日澤は、奈緒とウエンツのコンビネーションを「お二人が本作で初対面というのが不思議なくらい、とんでもなく息が合っている」と称賛した。

最後に奈緒は「戦後80年の今年が終わっても、私たちは戦争があったという過去と向き合って生きることになります。本作では一人ひとりの登場人物が持つ愛が、舞台でキラキラ輝いている。花束のような作品だと思いますので、どうか私たちの花束を受け取ってください」と観客にメッセージを送った。

上演時間は休憩15分を含む約2時間55分。東京公演は8月27日まで行われ、9月6・7日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、13・14日に福岡の久留米シティプラザ ザ・グランドホールでも上演される。

この記事の画像(全7件)

舞台「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」

2025年8月5日(火)〜27日(水)
東京都 よみうり大手町ホール

2025年9月6日(土)・7日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2025年9月13日(土)・14日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

スタッフ

脚本:古川健
演出:日澤雄介

出演

奈緒 / ウエンツ瑛士 / 高野洸 / 川島鈴遥 / 渡邉蒼 / 福山絢水 / 牧田哲也 / 岡本篤 / 占部房子 / 山口馬木也

公演・舞台情報

読者の反応

  • 1

ステージナタリー @stage_natalie

【会見レポート】「WAR BRIDE」開幕に奈緒「花束を受け取って」“父”山口馬木也とのほっこりエピソードも
https://t.co/EQ8Fl3dnvV https://t.co/4MuulKixZN

コメントを読む(1件)

関連記事

奈緒のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 舞台「WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-」 / 奈緒 / ウエンツ瑛士 / 高野洸 / 山口馬木也 / 古川健 / 日澤雄介 / War Bride 91歳の戦争花嫁 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします