中村大地が“壁”、野村眞人が“天井”、福井裕孝が“床”について考える「部屋と演劇」

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部屋(壁・床・天井)と演劇」が、8月3日に神奈川・STスポットで開催される。

「部屋(壁・床・天井)と演劇」ビジュアル

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これは、屋根裏ハイツの中村大地、レトロニムの野村眞人福井裕孝による「部屋と演劇」の公演。「部屋と演劇」で3人は、“上演とそれが行われる空間”についての関心や問題意識を共有するため、2019年から月1のペースで集まり、話したり企画を行ったりしてきた。今回は“部屋”を壁、床、天井という3つの平面に分割し、中村が壁、野村が天井、福井が床について考え、それぞれが短い発表を行う。上演後には、3人によるポストトークが実施される。

中村大地コメント

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この前はじめてプロセニアム・アーチの劇場で演出をした。それまで僕は俳優と「床」に対して演出を凝らしているつもりだったが、「壁」と劇空間がいつもより遠く離れたことで、かなりいろんなことを「壁」に頼っていたと気がついた。生活空間において「壁」は、いの一番に人の目に入るところだ。だから見るものの視線をかなり規定する。「壁」さえあれば、その内側にいる人の視覚をつくることは容易い。「壁」のその騙し屋っぷりに頼っていたところがある。騙されないように考えるところからはじめたい。

野村眞人コメント

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劇場の客席に座っているとき、気づくと天井を見上げていることがあります。あ、いま天井見てる、という感じで、いつも後から気づくのですが、これがなんとなく好きだったりします。部屋における壁と床を括弧に入れて、天井だけを取り出し具体的に考えてみようとするとき、この「遅れて気がつく」というのが、キーワードになりそうだと思っています。とはいえ、まずは自分の部屋から始めて、そのほか思いつくいろいろな天井を見に行ってみようと思っています。

福井裕孝コメント

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自分にとって「空間」との関わりは、常に「床」のレベルから把握されるもので、これまでを振り返っても「床」のことばかり考えてきたような気がする。何もない「空間」を思い浮かべてみる。「壁」も「天井」もなく、そこには漠然とした広がりと奥行きだけがある。でもふと足元に目をやると、何らかの形をもった平面があることに気づく。自由な雰囲気と出来事の予感に満ちた「空間」は、この「床」なる平面の上に成り立っている。身体も言葉も想像も「床」の上に立たざるを得ない。だから今回は「床」と距離を取るために、演劇の重心を上げようとすることから考えはじめてみたいと思っている。

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部屋(壁・床・天井)と演劇

2024年8月3日(土) ※公演終了
神奈川県 STスポット

スタッフ

演出:中村大地 / 野村眞人 / 福井裕孝

公演・舞台情報
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