「STILL LIFE」に向け、森山未來「この世界をどう生きていくべきかを問い続ける作品」

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「STILL LIFE-スティル・ライフ-」の記者会見が昨日4月27日に兵庫・神戸文化ホールにて行われ、森山未來が登壇した。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

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本作はノルウェーの振付家アラン=ルシアン・オイエンが、森山とダニエル・プロイエットのために創作した作品。森山は「『STILL LIFE』は、日本語にそのまま訳すと『静物画』というような意味になります。2024年1月から、アルゼンチン出身の素晴らしいダンサーであるダニエル・プロイエットと、ブエノスアイレスで3週間のクリエーションを行い、3月には神戸で3週間のクリエーションを行いました。そのとき、地元のはもーるKOBEさんという合唱団の方々にもご協力いただいて一緒にクリエーションをし、KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)でワークインプログレスの形で作品を発表したりもしました。その後、パリで1週間から10日のクリエーションを行い──それは、アランがヴッパタール舞踊団の過去作をリクリエーションする仕事でパリにいたからなのですが──そこからノルウェーのオスロに移って3週間クリエーションをし、そのままプレミアを経てツアーを行ったという、長いプロセスを経た作品です」とクリエーションを振り返った。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。 [高画質で見る]

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

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また「クリエーションは本当に白紙の状態から始まりました」と話し、「ダニエルは僕の古い友人で、2011年に『テ ヅカ TeZUkA』という作品で一緒に踊ったダンサーです。その後もずっと親交があり『いつか一緒に作品をやりたいね』と話をしていたところ、アランとダニエルは仕事でずっとパートナー関係だったので、僕もアランと知り合って、3人で作品を作ってみようということになりました。2024年から2年経ち、日本でツアーを回れることを非常にうれしく思っております。ぜひ観に来ていただきたいです」と思いを述べた。

「どのような作品になったと捉えているか」と記者に問われた森山は「テキストもたくさん使っているので、演劇性のあるものとして観ることもできると思いますが、音楽、美術、身体の表現が織り混ざっていて、言葉はその素材の一つとして使っています。アランが作品が完成する直前にリリースしたテキストがあるのですが、その冒頭にアンディ・ゴールズワージーというランド・アーティストの言葉を引用していて……『私たちはしばしば、自分たちが自然そのものであることを忘れてしまいます。自然は私たちの外側にあるものではありません。それなのに、テクノロジーと過剰な情報のなかで、私たちは自然とのつながりだけでなく、自分自身とのつながりさえ失いつつあるのではないでしょうか』という、この視点が本作のコアな部分としてあるのかなと思います。僕らが作り上げてきた人間社会というバブルと、そのバブルの外に切り分けようとする自然という関係。その折り合いの中で、私たちはこの世界をどう生きていくべきなのか。そのことをずっと問い続けている作品になっているんじゃないかと思います」と話す。さらに「ダニエルと僕がずっと対話をしているようなシーンもありますが、ずっと孤独な感じというか。つながりを求めているけれど、本当に我々はつながっているのかを確かめようとしている。届きそうで届かない、不確かな時間というものが紡がれている作品なのかなと思います」と述べた。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

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また、さまざまな土地でクリエーションを重ねてきたことについて、記者が「神戸という土地が作品に影響を与えた部分はあるか?」と問うと、森山は「最終的に着地した作品から、たとえばブエノスアイレスやオスロ、神戸の何かが見えてくるかというと、そのようにはなっていないかもしれません」と前置きしつつ、「ただダニエルと僕は暗黒舞踏という表現に興味があり、舞踏のことをリサーチするにあたって、神戸のDANCE BOX代表で、北方舞踏派の出身だった大谷燠さんにワークショップをやっていただいたりもしました」と話した。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」より。©︎Andrea Avezzu

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「STILL LIFE-スティル・ライフ-」より。©︎Mats Bäcker

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「舞踏への興味が、この作品にも役立ったか」という質問に対しては「僕が舞踏に興味を持ち続けている1つのポイントは、『舞踏譜』です。西洋のバレエにはダンススコアがあり、ダンサーたちはそれを頼りに作品を作っていきますが、土方巽さん、大野一雄さんのような舞踏のオリジネーターたちは舞踏譜を作ってきている。特に土方さんの舞踏譜は、ロジカルに書かれている譜面というものではなくて言葉です。何も知らない人が見ると、これを頼りにどう動いたらいいのかまったくわからないのだけれど、抽象的な言葉を自分の中に入れつつ、想像力を用いながら身体を立ち上げていくものになっていて、僕はそのことにとても興味があります。アランも自分のカンパニー・winter guestsでは、彼が書いたテキストをダンサーにしゃべらせたり、物語的な展開を考えながら作品を作っていくのですが、本作でも言葉と身体の関係性を考えながら作品を立ち上げていきました」と語った。

「STILL LIFE-スティル・ライフ-」会見より、森山未來。

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さらに「ダニエル・プロイエットとアラン=ルシアン・オイエンからアーティストとして刺激を受ける部分は?」という質問には「ダニエルはダンサーとしての強度がすごい。人に対してはとても柔らかいけれど、自分自身を追い込むストイックさや厳しさものがあります。ラテン系なので人懐っこく、人間的なやり取りも楽しいし、ダンサーとしても本当に美し、日々刺激を受けています。アランはとても繊細な人で柔らかい。それぞれの表現をしっかりと受け止めながら自分の中で編集していく作業が非常に上手い人。どんな小さなアイデアでもアーカイブしていって、それをパズルを組み上げるように編集し、最後に自分のテキストを刺していくことで作品になっていく。本番直前までどうなるか全くわからなくて、どんどん混乱していくんですけど、最終的にパッと出来上がった風景が作品としてすごく抜け感のあるものになっていて、彼の表現の強さを感じられました」と2人への信頼を力強く語った。

公演は6月13・14日に神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール、20・21日に兵庫・神戸文化ホール 中ホール、26日に静岡のグランシップ 中ホール・大地にて行われる。

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「STILL LIFE-スティル・ライフ-」

開催日程・会場

2026年6月13日(土)・14日(日)
神奈川県 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

2026年6月20日(土)・21日(日)
兵庫県 神戸文化ホール 中ホール

2026年6月26日(金)
静岡県 グランシップ 中ホール・大地

スタッフ

振付・演出・テキスト:アラン=ルシアン・オイエン

出演

森山未來 / ダニエル・プロイエット

※神奈川公演はU-25チケット・ダンサー割・高校生以下料金あり。兵庫公演は神戸割(市内在住・在勤)・U-25チケットあり。静岡公演はこども・学生料金あり。

公演・舞台情報

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