南座「吉例顔見世興行」幕開け、市川團十郎・市川新之助が襲名披露興行開催に感謝

「京の年中行事 當る辰歳『吉例顔見世興行』東西合同大歌舞伎 市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」が、昨日12月1日に京都・南座で開幕した。

「吉例顔見世興行」は、12月に行われる南座の恒例興行。今回は、“市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台”と銘打ち実施される。

昼の部の幕開けを飾ったのは、大坂の風情あふれる世話物「双蝶々曲輪日記」。同作では、中村鴈治郎扮する濡髪長五郎と、中村隼人扮する放駒長吉が男の意地をかけたやり取りを繰り広げる。「外郎売」で、市川新之助扮する外郎売実は曽我五郎が花道から登場すると、客席から大きな拍手が送られた。「男伊達花廓」では、市川團十郎、市川ぼたん親子が共演。昼の部最後の演目となる「景清」では、團十郎扮する悪七兵衛景清が力強い立廻りを披露し、終盤には大きなエビが舞台に登場した。

夜の部は、片岡仁左衛門らが出演する「仮名手本忠臣蔵」の七段目「衹園一力茶屋の場」で幕開け。襲名披露興行ならではの催し「口上」では、裃姿の出演俳優たちが舞台上に並び、團十郎、新之助らがあいさつした。團十郎は「南座には大変お世話になりました。30の折に『義経千本桜』で知盛、権太、忠信と初めて3役を通しで上演させていただきました。そののち、昼の部で勤めております『景清』のもととなりました、『壽三升景清』の上演もさせていただきました。このように様々なことに挑戦させていただいたこの南座で倅、新之助とともに、晴れの襲名披露興行ができますことも、ひとえにいずれも皆様方のご余光の賜物と心より御礼申し上げる次第でございます」と謝辞を述べる。新之助は「このたび、父も名乗っておりました市川新之助の名跡を八代目として相続いたす運びと相成りましてございまする。精一杯精進し、ひとかどの歌舞伎役者になれますよう、一生懸命相勤めますれば、お願い申し上げ奉りまする」と意気込みを語った。その後、團十郎が成田屋の芸である“にらみ”を披露し、夜の部の最後には、團十郎が花川戸助六を勤める「助六由縁江戸桜」が上演された。

「吉例顔見世興行」の公演は12月24日まで。