芸劇danceで、勅使川原三郎がランボーの詩集をテーマにした新作

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芸劇dance 勅使川原三郎 新作ダンス公演「ランボー詩集 -『地獄の季節』から『イリュミナシオン』へ-」が8月11日から13日まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される。

芸劇dance 勅使川原三郎 新作ダンス公演「ランボー詩集 -『地獄の季節』から『イリュミナシオン』へ-」チラシ表

芸劇dance 勅使川原三郎 新作ダンス公演「ランボー詩集 -『地獄の季節』から『イリュミナシオン』へ-」チラシ表

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これは、東京芸術劇場のダンスシリーズ「芸劇dance」で披露される、勅使川原三郎の新作ダンス。アルチュール・ランボーの詩集にフィーチャーした作品で、出演者には勅使川原のほか、アーティスティックコラボレーターの佐東利穂子、さらにハンブルク・バレエ団のアレクサンドル・リアブコ、ハビエル・アラ・サウコが名を連ねた。

上演に向けて勅使川原は「『ランボー詩集-地獄の季節からイリュミナシオンへ-』 は、 反逆と理性を生きるダンス作品。困難が生きる地平で、興味は常に不可能性に向く。ランボーが詩を書くことが正義なら書くのを止めたのも正義だろう。詩が詩人を人間するのではないか。ダンスがダンサーを人間にすると思いたい。過去と明日が一体の今を真剣に生きる喜び。昨日の困難を今日に喜んで受け入れる決意。勇気と喜びのために。それが死を恐れぬ正義だろう」とコメントした。

勅使川原三郎コメント

ランボーの詩集に私が初めて触れたのは十代の後半だった。暗い叙情や奇怪な夜の詩が好みの私は、詩集「地獄の季節」に突き当たり、顔面に1キロワットの照明を押しつられた気がした。熱い眩しさで真っ黒に焦げた私の目は当然のように寒々しい映画館の闇と光の交錯に身を沈めた。ある映画でランボーの詩の有名な一節が水平線に浮かんだ。闇に沈んでいた私はバレエの稽古場に向かった。現実と夢想の日々を彷徨しはじめた。ダンスの創作を目指して独自の技術開発に費やす十年の間に、興奮や反逆(地獄の季節)から理性(イリュミナシオン)に移り、その時、眼前に新たな地平が広がっていた。言葉からイメージや音楽へ、そして動きへ詩的旋回をした私は、ダンスの創作を本格的に始めた。詩は生と死の戯れ、あるいはその逆説。創作は正逆一体の詩性を基礎とした。ランボーは言った「私は他者である」と。「ランボー詩集-地獄の季節からイリュミナシオンへ-」 は、 反逆と理性を生きるダンス作品。困難が生きる地平で、興味は常に不可能性に向く。ランボーが詩を書くことが正義なら書くのを止めたのも正義だろう。詩が詩人を人間するのではないか。ダンスがダンサーを人間にすると思いたい。過去と明日が一体の今を真剣に生きる喜び。昨日の困難を今日に喜んで受け入れる決意。勇気と喜びのために。それが死を恐れぬ正義だろう。

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芸劇dance 勅使川原三郎 新作ダンス公演「ランボー詩集 -『地獄の季節』から『イリュミナシオン』へ-」

2023年8月11日(金・祝)~13日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

振付・演出・構成・美術・照明・衣装デザイン・音楽構成:勅使川原三郎
アーティスティックコラボレーター:佐東利穂子
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、アレクサンドル・リアブコ、ハビエル・アラ・サウコ

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