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雪組「ONCE UPON A TIME~」、望海風斗「男役、女役を生き切る姿観て」

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宝塚歌劇雪組 ミュージカル「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」より。

宝塚歌劇雪組 ミュージカル「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」より。

宝塚歌劇雪組「ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』」の東京公演が、本日2月21日、東京・東京宝塚劇場で開幕。これに先駆けて同日、公開舞台稽古と囲み会見が行われた。

本作は、1984年公開のセルジオ・レオーネ監督によるギャング映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を、小池修一郎による脚本・演出でミュージカル化したものだ。主人公は、禁酒法時代のアメリカ・ニューヨークで貧民街に暮らすユダヤ系移民の少年ヌードルス。劇中では、殺人を犯したことによって裏社会に足を踏み入れた彼が運命に翻弄される様子を、一筋縄ではいかない友情、恋愛模様を絡めて描き出す。

ヌードルス役の望海風斗は、純粋な少年が仲間と共に裏街道で成り上がり、全てを手にし、やがて失っていくまでの盛衰を情感豊かに演じる。愛情の裏返しで狂気めいて好きな女に迫る姿、仲間を裏切った後悔など、幼少期の罪が心に暗い影を落とす男の哀愁を、激しくも繊細な演技で見せた。

ヌードルスを思いながら、ブロードウェイスターの道を突き進むデボラ役の真彩希帆は、少女から老女までの変化を、巧みな声色と演技で表現。ブロードウェイスターとして華々しいショー姿を披露するシーンでは堂々たる立ち居振る舞いとさすがの歌唱力で会場を魅了した。また、ギャング仲間のマックスを演じた彩風咲奈は、裏社会でのし上がる男の強さと弱さを表出させる。彼らの仲間であり幼なじみのコックアイ、パッツィーをそれぞれ演じた真那春人、縣千、そしてデボラの仕事仲間ニックに扮した綾凰華も舞台に華を添えた。一方、彩凪翔はギャングに助けを求める労働者ジミーを知性たっぷりに好演。また、朝美絢はクラブ・インフェルノの妖艶なショースター、キャロルをデボラとは対照的な女性として立ち上げた。

舞台稽古終了後の囲み取材には、望海と真彩が出席。望海は作品の見どころを「宝塚ならではという意味では、ヌードルスとデボラの恋愛模様が濃く、ドラマチックに描かれています」と語った。役について望海はそれぞれに難しい背景があるとし、「1人ひとり目的や野望を抱えているので、人間味をどれだけ(役に)入れていけるかという点で苦労しました。(映画版でヌードルスを演じた)ロバート・デ・ニーロさんの画面いっぱいに“漂わせる”演技のように、どうやって舞台で感情を表現するかが難しかったです」と振り返る。対する真彩は「夢を実現することがデボラの大きなテーマ。夢に近づくためにどんな過程があったのかを丁寧に表現するために、1つひとつの場面を逃すことなく、相手から何を受け取って演じていけるかが課題だと感じています」と言葉を強めた。

また、デュエットダンスでは劇中のラストにヌードルスとデボラが歌った「愛のひとひら」が用いられる。「大切な曲です。デュエットダンスで(2人の役の関係が)浄化されるというのも、宝塚版ならでは。お客さまもホッとしてお帰りいただけるのでは(笑)」と言う望海に、真彩は「そうですね、デボラの情熱がヌードルスに伝わったらいいですね」と返した。

先日、「ミュージカル・シンフォニア『fff -フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」「レビュー・アラベスク『シルクロード~盗賊と宝石~』」をもって退団することを発表した2人。望海は「男役や娘役を生き切っている姿を観ていただき、楽しんでいただけたらと思いますが、東京公演中はみんなとお客様に真っすぐ向かっていきたい」と心境を明かした。真彩は「同じく、ただひたすらに楽しんでいきたい。大切に公演をしたいという思いが深くなっていくのかなと、今は感じております」と語った。上演時間は30分の幕間休憩を含めて約3時間。公演は3月22日まで。

宝塚歌劇雪組 ミュージカル「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」

2020年1月1日(水・祝)~2月3日(月)※公演終了。
兵庫県 宝塚大劇場

2020年2月21日(金)~3月22日(日)
東京都 東京宝塚劇場

原作:ハリー・グレイ
脚本・演出:小池修一郎
作曲・編曲:太田健、青木朝子

キャスト

ヌードルス:望海風斗
デボラ:真彩希帆
マックス:彩風咲奈
ジミー:彩凪翔
キャロル:朝美絢
ほか

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