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渡辺謙、宮沢氷魚らが熱いディスカッションで立ち上げる「ピサロ」

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左から宮沢氷魚、渡辺謙。

左から宮沢氷魚、渡辺謙。

渡辺謙主演「ピサロ」の公開稽古が、本日2月21日に東京都内で実施された。

新生PARCO劇場のオープニングシリーズの第1弾として披露されるピーター・シェーファー作「ピサロ」は、1985年に当時のPARCO劇場で上演された作品。成り上がりのスペイン将軍ピサロは、兵を率いてインカ帝国の征服へと向かう。2400万人を従えるインカの王アタワルパを生け捕りにしたピサロは、次第にアタワルパに心を開いていく。アタワルパもピサロを信頼し始めるのだが……。

本日の稽古にはピサロ役の渡辺謙、アタワルパ役の宮沢氷魚のほか、大鶴佐助外山誠二らが参加した。稽古は階段状の大きなセットの上でスタート。彼らはまず、ピサロとアタワルパが通訳のマルティンを介してやりとりをする場面に取り組んだ。初めに渡辺や宮沢は、英語を交えてタケットとコミュニケーションをとりながら、立ち位置や動きを確認する。

15分ほどの打ち合わせのあと、渡辺の「Try?」の声を受けて立ち稽古がスタート。渡辺と宮沢は、お互いに私生児であると知ったピサロとアタワルパが関係性を変化させていく様子を、セリフの間や表情の変化で巧みに表現する。またマルティン役の大鶴が、通訳をする際の動作についてタケットからメリハリを付けるようアドバイスされると、渡辺がピサロさながらの声色で「片時も威厳を忘れるな!」と続け、稽古場を笑いで包んだ。

続いてはピサロが、アタワルパを前に老いや死の恐怖を語る長ゼリフのシーンが披露された。まず渡辺と宮沢が1度演じたのち、渡辺、宮沢、タケットをはじめとしたスタッフ陣が台本を手にして車座になり、全員でセリフを解釈していく。渡辺が日本語でセリフの1フレーズを口にすると、通訳が即座に英語に訳し、それを聞いたタケットがイメージを伝えるという作業が繰り返された。タケットが「このセリフをカットしたいんだけど、どうだろう」「なぜピサロはアタワルパに歌ってほしかったんだと思う?」と投げかけると、渡辺や宮沢も積極的に自身の考えを述べ、活発な議論を交わしていた。

比喩をふんだんに交えたこの長いセリフについて、渡辺は「禅問答みたい(笑)」と漏らす。また約45分におよんだディスカッションの合間には、タケットが報道陣を気遣って「すみません、退屈でしょう! どうぞ、そこのコーヒーを召し上がってくださいね。それからもしこのシーンについてアイデアがあったら、ぜひ教えてください」と笑い交じりに声をかけ、一同を和ませる場面もあった。

しばしの休憩ののち、宮沢と渡辺は再び動きを付けてこの場面に取り組む。渡辺はささやき声から血を吐くような叫びまでを使い分け、緩急を付けたセリフ回しでピサロの苦悩を描き出す。宮沢は、苦しむピサロの体を支えながら彼の言葉に耳を傾けるアタワルパを、静かなまなざしで演じる。静と動の対照的な空気をまとう2人の姿が稽古場に立ち上がると、タケットは笑みをたたえながらうなずいていた。

「ピサロ」の公演は3月13日から4月20日まで、東京・PARCO劇場にて。

PARCO劇場オープニング・シリーズ 第1弾「ピサロ」

2020年3月13日(金)~4月20日(月)
東京都 PARCO劇場

作:ピーター・シェーファー
翻訳:伊丹十三
演出:ウィル・タケット
出演:渡辺謙 / 宮沢氷魚、栗原英雄、和田正人、大鶴佐助、首藤康之、小柳友、田中俊介、菊池均也、浅野雅博、亀田佳明、金井良信、下総源太朗、竹口龍茶、松井ショウキ、薄平広樹、中西良介、広島光、羽鳥翔太、加藤貴彦、萩原亮介、鶴家一仁、王下貴司、前田悟、佐藤マリン、鈴木奈菜、宝川璃緒 / 外山誠二、長谷川初範

※2020年4月2日追記:本公演は3月13日(金)から19日(木)までの公演は、新型コロナウイルスの影響で中止になり、3月28日13:30開演回、同18:30開演回、29日13:30開演回が休演となりました。また4月1日から13日まで休演となりました。

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