「スケリグ(Skellig)」は、イギリスの作家デイヴィッド・アーモンドによって1998年に執筆され、同年に児童文学賞・ウィットブレッド賞(現・コスタ賞)とカーネギー賞を受賞した児童書。日本では「肩胛骨は翼のなごり」の邦題で知られている。舞台版となる今作では浦辺千鶴が翻訳、
劇中では、古い家に引っ越してきた少年マイケルと、荒れ果てた庭にあるガレージで彼が見つけた謎の人物スケリグ、そして風変わりな少女ミナを軸としたストーリーが展開。プロジェクションマッピングや影絵のほか、吉田能による生演奏、俳優たちが鳴らす楽器が物語を彩り、キャストたちは舞台上で多彩な役を演じ分けながら、幻想的な世界を立ち上げる。浜中は不思議な言動を繰り返すスケリグ役をミステリアスに表現。また末澤は純粋なマイケル役をまっすぐに、渡辺はマイケルやスケリグと徐々に打ち解けていくミナを天真爛漫に演じた。
ゲネプロ後の囲み取材には浜中、末澤、渡辺、金子、瀬戸、ウォーリーが登壇。記者から役どころを尋ねられた浜中は「どんな役かと聞かれたら“スケリグ”ですね(笑)」と笑顔で返し、顔の半分が長い髪で隠れているスケリグのビジュアルに触れ、「最近、顔を隠すお芝居によく出ているので、お客さんから『誰だかわからない』と思われるかもしれません(笑)」と笑いを誘う。また金子が「(観客は)気付いていないと思いますが、文ちゃん(浜中)は、5役ぐらいやってるんです」と話すと、浜中は「正確に言うと8役です!」と明かした。
キャストそれぞれが何役も担当する中、「僕はマイケル役オンリーです」と切り出した末澤は、「しっかりお芝居をするのが初めてで、これだけ多くのセリフを覚えるのも初めての経験だったので大変でした」と初々しく稽古を振り返る。そんな末澤について、マイケルの母役を演じる瀬戸は、「息子の成長が日に日に素晴らしく、感動しています」と述べ、「演者は2時間出ずっぱりで、楽屋に帰る時間がないんです。そんな忙しい中、文ちゃんは8役もやっているのにも関わらず、ほかの演者にアドリブでそっとしゃべりかけたり、イタズラしたり、腹立たしいぐらい余裕があるんです(笑)」と暴露し、会場を笑いで包んだ。またミュージカル作品に多数出演している渡辺が「ストレートプレイの作品は初めてで……」と話すと、金子は「(「スケリグ」は)歌ってるし、踊ってるし、あんまりストレートじゃないけどね(笑)」と付け加えた。
報道陣からゲネプロの感想を聞かれたウォーリーは「いいゲネプロだったので、いい初日が迎えられると思います」と回答。さらに「100点満点で言うと何点?」という質問が飛ぶと、ウォーリーが答える前に浜中が「100点ですね!」と返し、笑いを誘う。ウォーリーは「生演奏もありますし、セリフを合わせて言ったり、2時間動き続けて、声出して、チームワークが大事なお芝居です」と作品を紹介しつつ、浜中のスケリグ役に対して「合ってますよね。よくわからない存在って演じるのが難しいですが、(浜中が)持っている“よくわからなさ”が出てるんじゃないでしょうか」と太鼓判を押す。役作りについて質問を受けた浜中が「役作りは……特にしてませんねえ、すいませんねえ」と、おどけた様子で答えると、末澤は「誰なんですか(笑)!」とツッコミを入れ、会場を和ませた。
「先輩として、末澤さんの演技をどう思いますか?」と尋ねられた浜中は「“先輩として”ってなると厳しくなるんで、それを言うのはやめておこうかな(笑)」と茶目っ気たっぷりに答える。そんな浜中について金子は「誠也(末澤)に対して細かく優しく指導しています。いい先輩だなと思います」と賞賛を送った。
今後の目標について浜中は「“継続は力なり”ということで、去年に続き、とにかく休まないこと」と宣言。続く末澤は「今回の舞台もですが、新しいことにどんどんチャレンジをしていきたい」と真摯に述べ、「スケリグとは一体何なのか? お客様1人ひとりに、それぞれいろいろ答えを持って帰ってもらえるんじゃないかなと思います」と期待を込めた。
最後に浜中が「公演は約1カ月ぐらいありますが……」と話し始めると、ウォーリーは「いや、2カ月ぐらいあるよ!」とツッコむ。これに対し浜中は「えー!」と驚いて「それは、ちょっとマズイな……」とつぶやいた。ウォーリーに「さっき『休まない』って言ったばっかやん!(笑)」と投げかけられた浜中は、気を取り直し、「2カ月、みんなでがんばりたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします!」と観客にメッセージを送り、取材を締めくくった。
本作の上演時間は約2時間。東京公演は2月11日まで行われ、2月14日に大阪・松下IMPホール、16日に愛知・尾西市民会館、19日に石川・北國新聞赤羽ホール、23・24日に兵庫のルナ・ホール 大ホールにて上演される。
「スケリグ」
2019年1月11日(金)~2月11日(月・祝)
東京都 DDD AOYAMA CROSS THEATER
2019年2月14日(木)
大阪府 松下IMPホール
2019年2月16日(土)
愛知県 尾西市民会館
2019年2月19日(火)
石川県 北國新聞赤羽ホール
2019年2月23日(土)・24日(日)
兵庫県 ルナ・ホール 大ホール
原作:デイヴィッド・アーモンド
翻訳:浦辺千鶴
演出:
出演:
関連記事
浜中文一のほかの記事
リンク
- 公演詳細 | StageGate [ステージゲート]
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
よす @yosu_amons
早く見たいなー!来週が楽しみ😁
「スケリグ」開幕、ウォーリー木下「“よくわからなさ”出てる」と浜中文一に太鼓判 - ステージナタリー https://t.co/GMK6yQzjZM