新国立劇場ラインアップ発表、歴代最年少芸術監督の小川絵梨子「さらなる発展を」

新国立劇場 2018 / 2019シーズン ラインアップ説明会が、本日1月11日に東京・新国立劇場で行われ、次期演劇芸術監督の小川絵梨子、次期オペラ芸術監督の大野和士、舞踊芸術監督の大原永子が登壇した。

大原にとっては2期目、飯守泰次郎から引き継いだ大野、宮田慶子からバトンを受け取った小川にとって初めての任期となる2018 / 2019シーズン。大野は「レパートリーの拡充」「日本人作曲家委嘱作品シリーズの開始」「2つの1幕もののオペラ（通称ダブルビル）の新制作と、バロックオペラの新制作を1年置きに行うこと」「旬の演出家、歌手をリアルタイムで観客に届けること」「ほかの劇場との積極的なコラボレーション」という5つの目標を掲げ、大原は「世代を超えたさまざまなお客様に楽しんでいただけるような、多様性に富む、質の高いバレエおよびダンス公演を実施していきたい」と抱負を語った。

歴代最年少で同劇場の芸術監督に就任した小川は「幅広い観客層に演劇を届けること」「演劇システムの実験と開拓」「国内外を問わず、演劇の作り手の横の繋がりを強めること」を3つの柱とすることを宣言し、演劇部門のラインナップを紹介。2018年10月には、稲葉賀恵演出によるアルベール・カミュ作「誤解」が上演され、出演者には原田美枝子、小島聖、水橋研二、小林勝也らが名を連ねる。11月にはハロルド・ピンターの「誰もいない国」を寺十吾演出で上演。本作には柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成といった面々が登場し、続く12月のデイヴィッド・ヘア作「スカイライト」では小川自身が演出を務め、蒼井優が出演する。また、全キャストをオーディションで選出する19年4月のアントン・チェーホフ作「かもめ」では、翻訳を小川、演出を鈴木裕美が担当することが明らかになった。

同年5月には、小川がかねてよりファンであったという少年王者舘が登場。6月のアイスキュロス作「オレステイア」では上村聡史が演出を手がけ、7月に上演される野木萌葱の新作では小川自身が演出を担当する。さらに、1年間を通して作品を育てていくプロジェクト「こつこつプロジェクト─ディベロップメント─リーディング公演」には、3演目がラインナップされた。

最後に小川は「これまでの芸術監督が培ってきてくださった歴史に尊敬と敬意を払い、感謝を申し上げながら、さらなる発展を目指していけたらと思います。積み重ねていくことに重きを置いて、学びながら真摯に向かい合っていきます」と決意を語った。

オペラ部門では、これまで1シーズンを通して3演目だった新制作作品が、今シーズンから4演目に。新制作で上演されるのは「魔笛」、世界初演となる「紫苑物語」、「フィレンツェの悲劇 / ジャンニ・スキッキ」、オペラ夏の祭典 2019-20 Japan→Tokyo→World「トゥーランドット」の4本だ。またバレエ部門の上演演目には、新制作となる「不思議の国のアリス」をはじめ、「くるみ割り人形」「ニューイヤー・バレエ」「ラ・バヤデール」「シンデレラ」「アラジン」が選ばれたほか、ダンス作品には森山開次の「NINJA」といった充実したラインナップが揃った。